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宮内の家は、模型屋であったが
元は、農家である、転々といろいろな職に鞍替えする父親の現在の仕事は、昼間は畑を、夜は
自分で組み立てるフィギュアを、売る仕事に付いていた
その頃、空前のプラモデルブームであり
ほかに店がなかったせいで、宮内は、プラモデルの大本まで、売り切れれば、リアカーが付いた自転車で、山二つ乗り越えるのが日課であった
宮内自身プラモデルには、さして興味がなかったが
しかし、その造形に対してのみ並々ならぬ絶望を抱いていた
ロボットや戦車、飛行機が、格好良いとはちっとも思えなかったが
其れよりも気になったのは、あまりにも似ていないことだ
しかし、このとき宮内は、まだ気が付かなかったのだ
この後起こる恐るべき造形革命に