その5〜人の話を聞くのだ〜
今日は暇です!どんどん書きます!
鼻をつく悪臭。耳をつんざく不愉快な鳴き声。醜い容姿。
ゴブリンである。
緑色の体は人間の子供ほどの大きさだが、自分の体長の3倍はありそうな武器を振り回している。
小さく尖った耳と牙が特徴的で、1匹1匹の違いは無いに等しい。
村を襲った群れは20匹ほどであり、各々が自由行動をしている。村人を襲ったり、店の商品をばらまいたり、建物の装飾品を引き剥がしたりなどだ。
明らかに、面白がっての行動だった。
「おらゴブリンども、こっちを向きやがれ!」
響いた怒りの声。
振り向いたゴブリン達の視線の先には、上等な武具で身を固めた、勇者の一行があった。
先頭に立つ片手剣の勇者が言う。
「俺の名前は勇者レオ!お前ら、覚悟しろ!」
勇者の雄叫びを合図に、両陣営が一斉に突撃する。
「ぐわー」
一撃で勇者陣が吹っ飛んだ。
「って弱!」
思わず叫んだのはリッカである。
兄妹達と並んで先の闘いを鑑賞していた。
リッカが兄妹達に、戦いに混ざらないのかと尋ねると、2人はこう答えた。
「今は彼らがごぶりんと戦っている。勝負を邪魔する気はないさ」
「彼らが先にここへ着いたのです。獲物を横取りするようなことはしたくありません」
そして今、獅子峠一行が瞬殺された。兄妹に、戦闘への参加資格が与えられたのである。
「行くぞ妹!」
「了解です兄上!」
懐かしい語尾と共に、兄妹が飛び出そうとしたその時。
「ちょっと待て君達!」
声の主は倒れたままの勇者レオである。
鎧の重みのせいで、立ち上がることができない。
「君達はまだここへ来たばかりだろう!危険だ!ここは僕達が食い止めるから、早く逃げろ!」
「いや食い止めるったって、あなたに何ができるんですか」
辛辣なツッコミを入れるリッカ。転がったままうなだれるレオ。何とも寂しい光景である。
しかしリッカも、その言葉には賛成だった。この世界に来る勇者には、特別な力などは与えられない。ただ前世から持ち込んだ知識を使って、モンスターに勝っていくほかないのだ。
(だけどこの人達なら…)
リッカは同時に思う。
召喚されたばかりにも関わらず、兄妹は己の力だけであの量のスライムを仕留めてみせた。
本来、スライムは斬撃で仕留めるモンスターである。
打撃のみで退治するなど、聞いたことがない。
もしかしたら、可能なのかもしれない。
この兄妹にならば!
「とりあえず、リンカさんは下がっていてください」
「リッカでーす」
「今日はご馳走だな。ん?誰だお前は」
「もういいでーす」
感想ください!
どんどん改善していきたいです!
うおおおおおおおおおおお!
おあああああああああああ!