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異世界駆ける武闘派兄妹〜人の話聞かん〜  作者: はなまるドクメンタ
3/20

その3〜人の話を聞け〜

初めてブックマーク来ました!

感謝!

うおおおおおおおおおおおおおお!

「これはこれは勇者様方!ようこそ異世界へおいでくださいました!どうか我々をお助けくださいませ!」

「誰だお前は」

「この教会の神父でございます!」

「そうか、これを差し上げよう。とれたてのスライムだ」


教会にたどり着いた3人は、ステンドグラスの前で祈りを捧げる神父に出会った。リッカの紹介で、互いに名乗る。


「これからちょうど夕食でございます。リッカ、勇者様方を食堂へ案内しなさい」

「分かりました神父様」


神父はもう少しの間祈りを続けるらしい。3人は教壇脇の扉から教会の広間を抜けた。

木造りの廊下をしばらく歩いていると、やがて人々の話し声が聞こえてきた。


「まあ、素敵な食堂ですね」


シュウが思わず声を上げる。

大机が何個も連なり、大量の椅子が置かれている。そのほとんどがすでに埋まっているが、座っているのは修道女や神父、魔法使いばかりである。


兄妹の姿を見とめるやいなや、彼らが一斉に拍手を送った。召喚された勇者を祝福しているのだ。

3人が席に着くと、リッカは食事を取りに行くため立ち上がった。


リッカの帰りを待っていると、兄妹のそばに男たちが寄ってきた。


「君達も召喚されたのかい?俺たちもさ、仲良くやろう」


リーダー格らしい、黒髪の男が話しかけた。

顔つきは明らかに日本人である。他の男達のなかにも、黒髪が数人混じっていた。


「誰だお前は」

獅子峠(ししとうげ)レオだ。よろしく」


他のメンバーもそれぞれ自己紹介をする。

シュウが手を差し出していう。


「武藤蹴です。よろしくお願いします」


レオも片手を差し出す。高そうな鎧を着ていた。いかにも勇者と言った風情である。

2人は握手をするが、すぐにレオが顔をしかめた。


「あ…ちょっと、もう離してくれないかな?ねえ、シュウちゃん、ちょっと待っ痛い痛い痛い」


身を仰け反らせるレオに驚き、シュウは慌てて手を離す。


「ごめんなさい!鎧を着てるから大丈夫かと…。すみません、私、握力が少し強いんです」


鉄製の鎧を歪ませるほどの握力を、「少し強い」とは言わない。

レオと仲間たちは衝撃に顔を青くし、後ずさる。

ケンも手を差し出した。


「同じくケンだ。よろしく」

「ああ、よろしく、じゃあ、俺たち机向こうだから!」


逃げる様に去っていく獅子峠一行。

ケンは行き場をなくした右手を彷徨わせる。


「良かった!勝手にどっか行かないか心配だったけど、待ってることだけなら流石に出来たんだね!」


結構失礼なことを言いながらリッカが戻ってきた。

両手で大きなお盆を抱えている。そこに乗っているのは3人分のパンと牛乳だった。


「まずはこれだけ机に置いて祈りを捧げて、それから主菜に移るんだよ。たくさん食べられるから、安心して」


リッカが食べ物を配ったところで、年配のシスターが食堂の奥で鐘を鳴らした。


「それでは祈りを始めます!」


戸惑う兄妹に、リッカは祈りのレクチャーをしようとするが、それはすぐに遮られた。


後方の、教会に繋がる廊下から何者かが飛び込んできた。全員が一斉にそちらを見ると、一人の村人が肩で息をしていた。


村人は必死に叫ぶ。


「ゴブリンが侵入してきた!みんな逃げろ!」


食堂に訪れた静寂の中で、立ち上がったリッカの声が響く。


「神父様はどこに⁈」


兄妹は呟く。


「「ごぶりん?何それ食えるの?」」

ポイントが!

ポイントが2になってる!

うおおおおおおおおおおおおおお!

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