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オートモード

 

 そして、次にハッキリと意識が芽生えたら、何故か幼女(ロリ)の身体だった。

 身体の大きさ的に、多分、4〜5歳くらいの年齢かな?


 昨日からぼんやりと意識はあったんだけど、殆どが寝たきりだったからわかんないや。


 でも、凄いなここ。天蓋付きのベッドとか初めて見たぞ私。

 朝起きたら、まずはメイドさんの手によって着替えさせられる。まあ、これは年齢的そんなにおかしくはないから別にいい。


 多分いいとこのお嬢様なんだろうとか思いながら、されるがままになっていたら、いつの間にか着替えは終わっている。


 その次は朝食と言うことで、これまた物凄く豪華な料理を執事さんが持ってくる。なんだろ、高級なイタリアンなのかな?


 これ、絶対ナイフとフォーク使って食べるやつだよね?


 大丈夫なの!?普通、幼女に出すような食事じゃないよ!?

 それに、メイドさんだとか執事さんだとかが周りにいるから、マナー的なことも言われるでしょ絶対!!


 私は洋式のテーブルマナーなど知らんぞオイ!まずイタリアンなんて食べることなかったし!!


 とりあえず、これでも中身は一応大人なのでナイフとフォークくらいは使えるはずだ。………小さい手で苦労はするだろうけども。


 そう思い、ナイフとフォークを手に取ると、なんということでしょう。


 先程まで全く持ってマナーの自信がなかった幼女()が、驚くほど優雅に食事をしているではありませんか!!


 しかも勝手に身体が動くから私は何も考えなくても問題ナッシング!!なにこれすげえ!!


「ありがとう、じい。今日の朝食も美味しかったわ。」


 すごく丁寧に口を拭いたあと、食事を持って来てくれた執事さんにお礼を言うところまでもが品のあるっ!!お嬢様すげえ!!


 てか、オートモードで言葉が出てくるのはありがたいよね!!


 さて、朝食を食べ終わったから時間的に余裕があるはずだよね。なら、この奇妙な出来事はなんなのか考えないと。


 電車に轢かれたOLがロリになってるとか笑えないからマジで。普通ありえないから。


 もしかしたら夢なのかもしれない、とかは全然思わない。だって、さっき食べたイタリアンはめっちゃ美味しかったし、顔を洗った水も冷たかった。


 夢なら味など感じないし、水の冷たさも感じない。


 つまり、これは紛れもない現実なんだよな。困ったことに。

 私は非現実的なことはゲームの中でしか信じない人なんだけど、実際に起きてしまっていることは現実なのだ。


「お嬢様、ピアノのレッスンの時間です。体調が悪くなければ受けてほしいとのことですが、如何なさいます?」


 メイドさんが私に話しかけてくる。

 てか、この可憐なロリお嬢様と私(ガサツなOL)を=で結んでいいものなのかな?


「ええ、今日は珍しく体調がいいの。レッスンを受けるわ。だけど、それが終わったら久しぶりにお庭に出たいの。いいかしら?」


「はい、かしこまりましたお嬢様。そのように手配して起きます。」


 私がそんなことを考えている間にも、オートモードさんとメイドさんの間で会話が成立していく。


 メイドさんとはオートモードさんが話してくれているおかげで、私は普通に自分の考えに専念できるからありがたい。


 ピアノのレッスンも、多分このオートモードさんがやってくれるだろうから、まあ大丈夫と思っておこう。うん、大丈夫さ。

 もし大丈夫じゃなくても、猫を踏んじゃった曲くらいなら弾けるよ、多分だけど。



 ピアノ凄っ!!!と、レッスンルームの中に入って唖然とした。

 ほら、音楽室とかによくグランドピアノ置いてあるじゃないか。それとここのピアノを比較したら音楽室にあるピアノが可哀想なくらい凄いぞこのピアノ。


 どこの美術館に置いてあるんだい!?ってくらい綺麗。


 てか、これオートモードさんがピアノ弾いてくれなかったら、こんな凄いピアノでお粗末な、猫を踏んじゃった曲を演奏しないといけないの?


 頼む!オートモードさんよ!!ちゃんと動いてくれ!!


 とか願いながら、鍵盤の前に座り意識を集中させる。

 弾く曲は、ちゃんと楽譜が置いてあって、横に多分教えてくれる先生もいる。


 だ、大丈夫だよね?失敗しても怒られないよね?

 私、こんな音符が連続する曲なんて弾けないぞ!?オートモードさん、お願いしますマジで!!


 とりあえず、最初のページくらいまでは頑張ってみようと思って鍵盤に指を走らせる。


 すると、勝手に自分の指が動いていくではありませんか!!

 ありがとうオートモードさん!!最高!素敵!!


 なら、私は考え事でもしてようと、別のことを考えようとする。


 が、無理だった。

 ピアノの別のことを考えようとすると、思考が固まってピアノの音しか聞こえなくなる。

 なんだか頭に靄がかかったみたいで、気持ち悪い。

 それでもオートモードさんによるピアノの演奏は続いていくから、それがとても気味が悪い。


 ただボーと演奏が終わるまで意識は朦朧としてて、およそ1時間に渡り、ずっと弾かれ続けているピアノの音を何も考えないままにひたすら聞いていた。


 あ、いや何も考えないってのは嘘だわ。


 うわぁ、このロリ演奏上手い。くらいは考えてたわ。


 それ以外は考えられなかったけども。



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