回収
やばーい
2作品もあれだとやばいわ。
俺の住む村は”フォレ”。
アルカ王国の東、山にコの字型に囲まれた自然豊かなところだ。
山の向こうはヴァリシア神国。
アルカ王国は大陸の端、海に面した軍事産業国だ。
陸は二つの国に接している。
ひとつはヴァリシア神国。もうひとつはリース帝国。
アルカ王国とヴァリシア神国、リース帝国は不可侵条約を結んでいる。
最新の機械を開発、生産し、戦闘専門の設備をもつアルカ王国を相手にするのは大国であっても分が悪すぎるからだ。
そして、敵は人だけじゃない。
海にも山にもどこにでも魔物がいる。
生身の人間では勝てない生物が沢山いる。
だから、神国と帝国はアルカ王国と条約を交わし相互協力の関係を持った。
アルカ王国は対魔物に特化していた。
今回の黒狼騒ぎは三国にとって無視できないものだろう。
神国と帝国はアルカ王国から新兵器の供給が絶たれれば今ある武装で魔物と戦わなくてはいけない。
アルカ王国は内部に機械を悪用する組織があれば他国との関係が拗れる可能性がある。
所属不明のロボットはそれだけ重要なものになる。はずだ。
村に帰ると村長のところに向かい、黒狼の爪を見せ事の顛末を話した。
すぐさま駐屯兵達を呼び森に放置してあるスクラップの元へ案内した。
血の匂いに誘われたのか何匹か魔物が居たが、兵士たちによってバラされ食料や素材となった。
ということでスクラップの元に到着。
すこし臭いがキツいが…まぁ、しかたない。
「こりゃひでーな……おい、坊主。おめーナニモンだ?
こんな壊れ方は大砲で大岩にぶつけねぇ限り……いや、そうしてもここまで壊れるわけがない」
「俺は魔法が使える。あの時は急に襲われたから無我夢中だった……」
嘘は言ってない。すこし言い方を変えただけだ。
「おめーさん魔法使えたのか……」
兵士の1人、フォレの村で兵士長をしているオッサンは人生経験豊富だ。
名前はゴッゾ。昔は【不滅】のゴッゾとか言われてたらしい。
単身で魔物の群れを退治して生還した……と聞いている。
「焦げ目がない…火の魔法ではない……土も草がそのままだ……
なぁ、どんな魔法を使ったんだ?今見せれるか?」
「あ~っと…」
「できることなら見せてくれ。場合によっては上に報告しなきゃならん。」
めんどくさいことになりそうだ。
もう誤魔化しはだめかぁ…報告されるのかぁ………やだなぁ………
腹を括ろう。
「魔法使いますよ?」
「まて!どんな魔法だ?効果範囲は?」
「その場で大丈夫ですよ、
いきます!」
掛け声と共に殴った時と同じ、右腕を機械の腕に変える。
「なんじゃ……これは………」
腕が機械になるんだから気持ち悪いよなぁ……やらなきゃ良かった………
「…………はっ!
悪いルキ、凄すぎて呑まれちまってた。
おめーさんすげぇ力持ってたんだなぁ!!」
意外だ、気持ち悪がられるかと思ってた……
というか、肩を叩くな。普通に痛い。
「オッサン、肩痛い」
「おぉ、わりぃわりぃ。
でも、あれだな、おめーさんの能力は自分の体を機械にできるのか」
「違うよ、機械を生み出す能力だ。
腕を変形させるのはついでだよ。」
機械の腕を元に戻しながらまた思考停止してるオッサンの話を聞く。
「機械を……生み出す?
お前、それ本気か?」
「本気だ、ある程度の知識はいるが大体は望んだ機能を持つ機械を作り出すことが出来る。」
「そう…か……」
オッサンがなにか考え込んでる間に、他の兵士達は機体の検分済んだみたいだ。
「おーい、オッサーン?おーい!」
気づかないか…しかたない…怒られるの覚悟で………
「ゴッゾのじじぃ!」
「誰がジジィだア”ァ?!
いいか、俺はまだ52だ。まだ体は動くし、ボケてもいねぇ!
オッサンはまだ許そう。確かにオッサンだからな!ジジィ呼ばわりは許さんぞ!!」
「あーはいはい、どうどう。
検分終わったみたいだぞ。」
報告しようとしていた兵士に指を指すとやっとオッサンが動き出した。
「報告!
中身を調べたところ、西の魔物素材が使われてました!
反政府組織ではないと思われます!」
「調査並びに報告ご苦労。
コイツは持ち帰って研究所に届けることとする。
よし、村からジンを持ってこい!」
「あー、手伝おうか?」
また右腕を機械の腕に変え、黒狼を持ち上げる。
「ってもう持っちまってんじゃねぇか。
なら、村まで頼んだぜ。周辺警護は任せとけ。」
そう言って兵士達と俺は村に帰った。
超ゆっくり書いてくね!!
ごめんなさい!!