受験編 01
「お邪魔しまーす」
俺はいつものように啓悟の家へ行く。
「あら、竹都くん。いらっしゃい」
まだ朝の9時前なので、啓悟のお母さんがいた。
何気ない話を少しして、俺はリビングへと向かう。
リビングに行くと、啓悟が死んでいた。
「……」
まぁ、気にすることではないのでゲームの続きをさせてもらうことに。
ゲーム起動。
「ふ、啓悟がついに神の天罰をくらい、天に召されたか……」
と、呟いてみると、
「え、ちょ、友人が寝てるだけなのになんで死んだことになってるの!? ていうか他人の家で何勝手にゲームやってんの!? せめて声かけようよ!」
などなど後ろから抗議された。
「……」
「……」
言いたいことは全て言ったのか、啓悟は黙る。
そこで俺は、
「……あぁ、生きてたのか」
と、適当にあしらっておいた。
「いやいやいや、生きてたのか、じゃないよ! 他に言うことあるだろうが!」
「……いや、ありませんけど」
「なんでいきなり敬語なのっ。なんか距離置かれたんですけど……」
朝からテンションの高い奴め。
俺はゲームに専念することにした。
「ていうか、なんで人ん家きて一人でゲームやってるの? どうせだったら二人でできるゲーム選ぼうよ」
「いや、いつも梨緒と一緒に進めてるから」
そういや、梨緒がいないな。
……そうか、試験の日だったな……
今日は平日だが高校は休み。今日は中学三年生の受験日だ。
今頃、梨緒は俺が通う高校でテストやってんだなー。
梨緒、受かるだろうか。
「今日は梨緒の大切な受験の日なんだからな、竹都も梨緒のためにお祈りしろよ」
「お祈りごときで受かるとは知らないが……ってか、お前さっきの祈ってたのか?」
寝てるか、死んでいるようにしか見えなかったが……
「おうよっ! 昨日の夜からここで祈ってたからいつのまにか寝てたみたいだ!」
「寝てたんじゃねえかよ」