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小話編


「今回はちょっと趣向を変えて、四コマ漫画ならぬ四コマ小説的な感じで書いていきます。ほぼ会話文です。だってめんどk

こほん、テンポが良いからです。

題材はほとんどが日常風景で、おまけみたいなものです。「知らねえよ!」と思う下らない話ばかりなので、読まなくても本編に支障はきたしません。まあ、このお話の人たち、みんな仲が良いね、と思っていただければそれだけで良いです……と、作者から。

では、最近出番が少ない実でした」




    ◆煙草 1◆



「啓悟先輩は、金髪に……ピアスですが、煙草は吸われないんですね」

わたしはふと気になって何気なく呟いた。 「あぁーまぁ、ね」

啓悟先輩は曖昧に頷いた。

「……それに、お酒も飲まれませんよね。外見は不良ですが、中身はすごく真面目ですよね」

「えぇー、だって実ちゃん、そんな犯罪じゃん!」

そこが真面目だと言っているんですよ……

「……」

「まあ、一度友達からもらった煙草吸おうとしたら、梨緒に泣かれたからもう二度と手を出さないと誓っただけだけどな」

「……梨緒ならやりそうなことですね」

私はくすりと笑った。

きっと泣きながら、お兄ちゃんが早死にするーとか言っていたのかな。

あ、梨緒はそんなぞっとする単語は使わないわね。

わたしは思いながら、くすりと笑う。

啓悟先輩は肩を揺らしながら思い出のように、こう言った。

「梨緒がなー、泣きながら、お兄ちゃんが早死にするー、ってなー。はは」

そっくりそのままだった……



    ◆煙草 2◆



「おい、遠野、煙草を吸うな」

「喫煙席なんだから良いの」

「けーむーいー」

「つーかなんで生徒会長もいるんだよ」

「松茸くん、敬語」

「啓悟?」

「うはー、松茸くんうっざあい!」

「ちょっときゃはきゃはうるさいわよ、京!」

最近何故かこの三人でマックへ来るようになった。

そして何故か慣れてしまった自分がいる……

なんだか悲しい。

「ほら、灰皿」

「やだー」

「オレ、彼女のわがままは全てが可愛いと思ってた……」

打ち砕かれた……

「何よ、アタシが可愛くないとでも言うわけ?」

「ちょ、煙草こっちに向けんな!焼ける!」

「恋に焦がれてますなあ」

「うるせぇ、黙れ!」

生徒会長はのほのほと机に肘をついて頬杖しながら朗らかに笑っている。

「ったくしょうがないなあ」

遠野はやっと観念してくれたようで、火を消そうと灰皿を探す。

「あれ、さっき灰皿あったはず……」

「ああ?なんでなくなってるんだ?」

そんな風に灰皿を探しているオレたちの上に、生徒会長があるものを掲げる。案の定灰皿だ。

「じゃじゃーん」

可愛らしい効果音も添えて。

「京!あんた、早く寄越しなさい!」

遠野は半ば呆れながら言った。

「いやはやあ、遠野ちゃんがあまりにも禁煙しないから生徒会長ちゃん怒っちゃってえ」

「とかいいつつあんたこれまでにないくらい楽しそうな顔してんですけど!」

意地悪している生徒会長に呆れて、オレは遠野のほうをみた。すると、一瞬背筋が凍った。

「と、遠野!火!火!」

見れば煙草の火は遠野の手の近くまで来ている。

「おい、あほ生徒会長!早く寄越しなさい!」

「えへへーそんなお願いされちゃあ仕方ないなあ」

生徒会長は火事のことを心配してか、すんなりと灰皿を渡してくれた。

机の上に、反対に置いて。

「京の手で火を消してもよかったかしら……」

「わわっ、遠野ちゃん超ブラック発言!」

あぁ、生徒会長の悪ふざけには慣れないな……



    ◆先輩◆


※梨緒中二、啓悟竹都が中三の時の話。進学当初


「あ、また梨緒のお兄さんたち来てるよ」

「ほんとだ。いつみてもかっこいいー」

「わたしはやっぱり茶髪の方かなー」

「え、けっこう不良好きなんだ……わたしは誠実そうなあの先輩が良いー」

すごいたくさん盛り上がっている……

私は友達の話の輪から一歩下がって聞く。

でも、ごめんなさい……!

「ほらほら、あんたたちが騒ぐから、梨緒が反応に困ってるでしょ」

「ごめんごめん、あの先輩たちは梨緒のお兄さんだもんねー」

「双子良いなー……」

双子じゃないんです。

どうして双子になったんだろう……仲が良いからかな……?

竹お兄ちゃんは私のお兄ちゃんじゃないのに……!

「おーい、梨緒、来てやったぞー!先生にいじめられたりしなかったかあー!」

……いやいや、そんな怖いこと思わない、思わない……!

決してあの茶髪の人がお兄ちゃんじゃない、なんて思ってない……!



    ◆後輩◆


「啓悟、度々梨緒の教室に行くのやめろよ。下級生が怖がってるだろ」

「いいじゃーん、梨緒のクラスの子は歓迎してくれんだからさー」

「一部な」



    ◆髪の色◆


「そういえば啓悟って、なんで髪を染めたんだ?」

夏池宅でテレビを見ながら、何気なく聞く。あのバカのことだから、大した理由はないんだろうけど。

「え……?うーん……なんでだろ」

梨緒は俺の膝の上に座ったまま、首をかしげる。

「いつだっけ、啓悟が髪を染めたの」

「んー……中学校の……二年生かな。夏休みの時だよ」

中二の夏休み……思いっきりその場のノリで染めたな……

「でも、黒いより、明るい髪のほうがお兄ちゃんに合うと思うんだー」

「……そうだな」

……

……今思うと、梨緒も結構ブラコンだよなあ……



    ◆気の利かない男◆


「……竹さんと梨緒の身長差は約30センチ……」

「なんだなんだ、いきなりその発言は」

「いえ、身長が、気になるので」

「竹さんと冬子先輩は10センチですか」

「その組み合わせを聞くと冬子が怒るぞ」

「……嫌味ですか」

「……?」

「……本当に気の利かない方ですね」

「(あぁ、そうか……実さんは新聞部だったか……)……すまん」

「……謝るか知らないふりをするかどちらかにして下さいよ」

「……うぐ」



    ◆学力◆

inマック

「テスト期間って早く帰れるから良いよねー」

「そんな風に思えるのは頭が花畑の奴だけだ」

「あらら、松茸くん辛辣ぅ」

「まさかあんたたちの学校もテスト期間だったとはねー」

「いつも三人でここに来てるんですか?」

「そうよ」

「(啓悟が敬語を使っている……!)仲が良いんですね」

「仲良しだねー!」

『……』

あれ、二人の顔が急に死んだぞ。

「仲良し、いいねえ」

「そ、そうねー」

梨緒がうきうきしながら言い、冬子は苦笑い。

「でも、遠野ちゃんだっておもってるでしょ、早く帰れるって」

「まあねー」

「あ、遠野さんって頭良いんでしたよね」

あの学校に通っているから忘れがちだが……

「このメンバーで学力の差を表してみると……こんな感じッ!」

そう言って生徒会長はどこからか取り出した紙に書いた。


啓悟<<超えられない壁<<<松茸<<梨緒<<冬子<竹都<<<<<遠野<<生徒会長


「え、オレ一番下……!?」

「今更絶望感を感じることも無いだろ」

「あれ、オレ、なんで梨緒ちゃんより下なの……? せめて一年生には勝ちたい……」

「ご愁傷様!」

(うぜえ)

「ねえちょっと、アンタとアタシの順番逆なんですけど」

「やだああ、遠野ちゃんは生徒会長ちゃんより 馬鹿 だよ」

「灰皿、いっとく?」

「親友なのに!? そんな赤すぎる愛の形とかいらないよ!?」

「違うわ、殺したいほどの好敵手よ」


あれ、そういえばなんで生徒会長はこのメンバーの学力知ってんだ……?



みんな仲良いね、って、そんな感じです。

まだまだたくさん小話はたまっていますが、次回からまた本編進みます。もう十一月ですね……

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