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新聞編 12

昼休みに、リハーサルがあった。

新生徒会歓迎会の。そこには、梨緒の姿もある。そうか。梨緒は学級委員だったか……

「じゃあ、そんな感じの流れだから。あ、早めに終わってね!今日は新刊の発売日だからっ。ときめきの日だからっ。もう早口でも良いよ。プログラムも3つはすっとばしても良いから!」

「そんなことしないでちゃんとやって頂いてかまいません」

俺は暴走する生徒会長を制して、苦笑いする集団に訂正する。

「生徒会長、早速この学校の未来に雲をかけないでください」

「何よお、まるで生徒会長ちゃん自体が雲みたいな言い方!」

「自覚はしてるんですね」

まぁ、いつもの感じの会話だ。

生徒会長は相変わらず新聞の話をしない。話題にすることに気が引けるのか(いや、生徒会長はそんな気が利く人じゃない)、それとも忘れてる……!?あり得そうで怖い……


しばらくして。

「じゃあ、こんな感じでだらだらやってくれて良いよお〜。また次の時間に早めに集まってねー」

生徒会長は帰っていく集団にぶんぶんと手を振った。

元気な人だなぁと眺めていると、生徒会長は振り返る。

「しんぶん」

「はい?」

突然のことで俺は聞き返した。

「しんぶんしのはなし。逆から読んでもしなはのしんぶんし。の話」

「とても分かりにくいです」

「うん。適切なツッコミありがとっ!」

やたらと生徒会長は嬉しそうだった。まぁ、こんなにいちいち突っ込みを入れてくれる人は俺しかいないらしい(三年生徒会談)ので、それは嬉しいのだろう。

「で、新聞の話なんだけどね、ほら、五六限目に生徒集会があるじゃない?えー、新生徒……集合会?」

「歓迎会です」

いい加減だなこの人。強制行事とはいえ、一応はこの人が企画したものなのに。

「うん、その歓迎会の中に、生徒会長ちゃんの話とかあるけどさ、その時に、新聞の件について話す?」

あれ。

俺は、目を丸くして生徒会長を見た。

意外だった。

今まで一年間遠くからも近くからもこの人を見てきたが、こんなに気の利く人ではなかったはずだ。失礼な話だが。

「でも、本人が直々に言うと面白がる輩もいるから、やっぱりここは威厳ある生徒会長ちゃんが」

「結構です」

俺は、即座に断った。

前半は納得できる。しかし、後半の威厳ある、がひっかかった。

それに、……ちゃんと、俺が言わないといけない気がするんだ。

梨緒のためにも、冬子のためにも……


俺が、言わないといけないんだ。




久しぶりの更新ですみません……!新しい学校生活に追われていました…

なかなか優しい人たちの笑顔に涙を流しそうになります、幸せです。

もう少し慣れるには時間がかかりそうですが(体力が……)、頑張って生きてます。

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