新聞編 01
それは突然起こったのだ。
今、目の前にあるのはただ一枚の白黒の紙切れ。それは誰でもよく知る新聞だ。
これは校内新聞。
その内容、一番目立つ記事には、なんと俺が乗っていた。
そして、傍らには、冬子。
見出しには、
「学年1の美女と、副会長の、恋……!?」
俺はよく理解する前に、背後から襲い来る悪寒に気を取られた。
嫌な予感が。
俺は顔を強ばらせて、振り返ると……
「よーう。なーんか大変なことになってんなー」
……この沈んだ気分の時に、松川は呑気に笑って言った。
「……一体、なんなんだあの記事は……」
「見出し通りだろ?“二学年一の美女”梅田冬子と、“この学校の生徒副会長”春川竹都の熱愛」
「一体どこからそんなでたらめが!」
確かに、確かに冬子は美人美人と聞くし、俺から見ても美人美女だが!そして俺は確かにこの学校の副生徒会長だが!
熱愛をするどころか、付き合いもしていない!
「しかし……もう校内中公認のカップルだな!」
松川は、よっしゃ!とか言いながら俺の背中を叩く。
「いや、何がよっしゃ!だよ!?全然よくねぇよ!なんでこんな嘘ばらまかれなきゃならないんだよ!?」
俺は松川の手を払う。
「不満ならなんとかすりゃ良いだろー。つーか、オレだって本心で言ってねぇよ。ま、面白いと思うけどさ」
「…………」
一言多い奴だな……っ。
と、ふと視線を感じた。
いや、視線……?殺気だ。
梅田、冬子の、殺気。
「お、彼女のお出ま、だ!」
俺は思い切り松川の頭を叩く。
そして、冬子の方へ歩み寄った。
「いってー」
オレは自分の頭を撫でながら、竹都の背中を見つめる。
その先には梅田ちゃん。
「……今二人でいたら更に怪しまれるだろうに…」
一人ぼやく。
「…しっかし……勝手なことしてくれるぜ、新聞部……」
いつの間にか一周年過ぎていました(12月13日)。世間はクリスマスだというのに、俺ロリ世界はまだ5月です……うぅ…クリスマスの話が書きたいです!