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遊園地 後編 08

「…………」

ゲーム?何言い出すんだ、松川。

「じゃ、もうスタートね」

松川は爽やかな笑顔を浮かべた。

俺は目を丸くしてとっさに講義した。

「待て待て!ゲームって……」

「いいからいいから、面白そうなんだから」

「いや、面白くない……!」

松川はとっとと先へ行ってしまう。

……仕方ない。

とりあえず、松川とはぐれては元も子もないので、松川に追いつくように走る。

いきなり、なんなんだ……



「あ、冬子……!」

松川とあの2人を捜していると、冬子を見つけた。

梨緒は……小さいからよく見えない。

「あそこに冬子がいる……!」

松川に言っておく。そうしたら松川は怪訝そうな顔をして、

「とう、こ……?あぁ、梅田ちゃんのことね」

と、納得したように頷いた。

あ、名前呼びに変わったこと、他に言ってないのか。まぁ、言う必要もないか。

俺はぽつんと1人で突っ込んで、松川とともに冬子のそばに駆け寄る。

と、冬子もこちらに気付いたようで、後ろにいるであろう梨緒に何か言って、こちらに向かってきた。

「よ、梅田ちゃん。捜したよ」

松川はいつもの笑顔で言う。

「すぐ後ろに梨緒もいるわよ」

冬子は後ろを振り返る。

が。

……梨緒が、いない。

「え、な、なんでこの短時間でいなくなるの!?」

さすがの冬子も取り乱している。

どこかに紛れたのだろうか。

俺は向こう側を見つめ、とっさに、

「ちょっと捜してくる!」

と駆けだしていた。

「え、待ってよ、竹都!」

「先お化け屋敷行ってるからなー」

冬子は焦って、松川は見送った。

先に見つけたら。

さっきのゲーム、なんだったんだよ……

なんて思いながら、俺は梨緒を捜した。



「じゃ、行くか。お化け屋敷」

オレは竹都を見送り、梅田ちゃんにそう言った。もちろん、けろっとした顔で。

「な、なんで。ペアはどうなったのよ」

梅田ちゃんは吊り目をさらに鋭くさせて睨んできた。

ったく、お子様だなぁ。

「竹都は、梅田ちゃんを置いて梨緒ちゃんを探しに行った。竹都は梨緒ちゃんとペア組むんでしょ」

そう仕向けたの俺だけど。

「っ……」

梅田ちゃんは、傷ついたような顔を一瞬したけど、

「あっそ。じゃ、さっさと行くわよ」

つんとした態度で言われた。

やれやれ、高飛車な奴だ。

心の内だけでため息しながら、オレは梅田ちゃんについていった。

午後は、この梅田ちゃんとペアなんだし、我慢我慢。



「梨緒!」

「あ、竹お兄ちゃ〜ん!」

梨緒はベンチから立ち上がり、俺に手を振ってきた。俺は梨緒のそばに近寄る。

「良かった。竹お兄ちゃんが迎えに来てくれた、ってふーちゃんに言われて、ふーちゃんについていこうとしたら人にぶつかっちゃって……」

で、謝ったりなんなりしてたら見失った、と……

恥ずかしそうに照れ笑いをしている梨緒。

たく、誉めてないんだがな……

俺はため息をついて、梨緒の手をとる。

「?」

梨緒がびっくりしたように顔を上げる。

「え、な、なんだろ」

「はぐれないように」

ずばっ、と言う。と、梨緒は、はい……と申し訳なさそうに言ってきた。

小学生から変わってない。

あの時は、啓悟の首掴んで梨緒の手を握っての2人だったから更に大変だったが。

なんて思い出しながら、お化け屋敷にと向かう。

梨緒はなんだか嬉しそうに隣を歩く。

そんな光景が幸せで、微笑んだ。


が、……梨緒、

次はお化け屋敷なんだ。


遊園地編さっさと終わらせます、よ!(だってもうこっちが辛いのだもの)

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