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遊園地 集合編 01

「……」

俺は今、リビングで二人を待っている。

二人、ってそりゃあ啓悟と梨緒という兄妹の事で……

そして暇なので今日の天気を確認するために勝手にテレビをつけさせてもらう。

時刻は早朝。この時間なら天気予報なんてどこでもやっているわけで……

丁度つけたところが天気予報をやっていた。

「今日の天気は1日中晴れますが、ところにより夕方雨が降るかも知れません。お出かけになる際は折りたたみなどの準備を」

ご丁寧にどうも。

俺はニュースキャスターさんに感謝する。それぐらい暇なんだ。

今日の天気はとりあえずは大丈夫そうだな。

今日はなんと梨緒の入学祝いに遊園地へ行く日だ。

ちなみにメンバーは、梨緒、啓悟、梨緒の友達と、松川に梅田。そして俺だ。

松川と梅田という組み合わせがどうにもおかしいが、そのあたりは啓悟に任せておけば大丈夫だろう。

なんて他力本願なことを考えていると、啓悟がやってきた。

「おーう、竹都」

「ったく、お前は時間通りに準備できた試しが……」

そうぼやきながら振り返ると、準備どころかまだ寝間着の啓悟がいた。

「……」

「……」

沈黙。

「早く着替えてこい」

即刻命令。

「いぇっさー!」

啓悟はそう言ってどたばたと部屋に戻っていった。

ったく……

ため息しかでない。

と、それに入れ替わるように梨緒が登場。

梨緒はもう準備ができたようで、春らしい色のワンピースでやってきた。

「そんな薄着で大丈夫か? 春って言っても肌寒いからな」

と心配しながら尋ねると、梨緒は大丈夫だいじょぶ!とらんらんしながら俺の隣にちょこんと座る。

遊園地に行くことしか頭にないらしい。

そこが梨緒らしいと言えば梨緒らしいが……

とりあえず俺が上着持ってるから、その上着を着せればいいか。と考え、梨緒とニュースを見て啓悟を待つ。

「あ、あのね、竹お兄ちゃんっ」

梨緒は少し遠慮がちにこちらを向いた。

「?」

俺はきょとんと首を傾げる。

「髪、くくってほしいの……」

梨緒は恥ずかしそうに頬を染めてお願いしてきた。

まぁ、そんなことだろうと思った。

俺は梨緒からくしと髪留めをもらい、梨緒の長い髪を優しく梳いてやる。

梨緒の髪は長くて綺麗なストレート。しかも髪質も良い。梨緒でも自慢の髪だ。梨緒はいつも髪を伸ばしていて、髪をくくるときはいつも俺に頼んできた。小さい頃はよく父親にくくっていてもらったようだが……

「よし」

俺は梨緒の髪を二つにきちんとまとめてくくり、終わるといつもそう言って確認する。

「うん、ありがとう! 啓悟お兄ちゃんはぶきっちょ(不器用)だからね」

梨緒はそう言ってくすくすと笑う。

つられて俺も笑う。

と、そんな平和な空気の中に啓悟、再登場。


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