明るい終末
Twitterに投稿した作品を加筆修正しました。
「地球滅亡の日は何をする?」
ありふれた内容。聞き慣れた質問。使い古された一説。皆、口々に欲望を吐き出していく。煩悩まみれの人間の終わりなど所詮そんなもの。
くだらない会話からそっと抜け出すと、出入口手前で呼び止められた。
「黙って帰ったことについては、体調不良にしてあげる。その代わり」
チラリと視線を背後に移してから僕の目を見てこう言った。
「さっきの質問の答え、聞かせて?」
「質問、地球最後の話?」
困惑する僕をよそに、クラスメイトの女生徒が段々と顔を近づいてくる。横を向き、耳を突き出す格好で静止した彼女は、答えを聞くまで僕を帰してくれはくれないのだろう。
「わかった。何がしたい、とかじゃなくてもいい?」
投げやりに問うと、肩の高さから「なんでもいいよ」と聞こえた。
深い溜息を吐いたあと、僕はこう答えた。
この世が終わる時
世界はきっと明かりに包まれるだろう
何色だとしても
遺す人がいないのだから
それくらいの夢を見てもいいじゃないか
絶望なんて
人それぞれ違うのだから
「それじゃぁ、バイバイ」
クラスメイトの横を通り抜けようとした刹那。
「それは希望だよ」




