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阻害しても愛、許諾しても愛
肺を消化する臭いが、遠く離れていた私の命をも消耗していく。
燻る白煙。削るフィルター。
「ともに死んでくれ」
と言われているようで、哀しくなる。
挟む指先、吐き出す横顔。灰を落とす影が愛しかったのは遠い昔。
付き合った当初から染みついた独特の臭いは、今ではくしゃみを伴うアレルギー物質へと姿を変えていた。
心中じゃなくて――
「一緒に生きて」
の白銀を望む。
遠回しの心中宣告と死刑宣告。
実直で率直な永久宣言。
私だって女だよ?
いつまでも、害するモノとはいられない。
卓上の箱を睨み付ける。隙をついてゴミ箱に投げた。
「いきなりなにすっ!」
「止めてくれたら受けてもいいよ」
と言って、左指に挟まれていた煙草を灰皿に押しつけた。




