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液晶の平和に侵される
空気の向こう側が同じだと、誰が断言出来ようか。
気付けば散っている。
日常という言葉がどれほど危ういモノで成り立っているのかを、彼は知ろうともしない。
「凄いことになってる」
「そうだな」
昨晩から流れつつけている災害映像。
食パンに齧り付いた彼が、ニュースを見ながら言った。
「こっちは平和だな」
同じ空に生きているのに――
「違うよ……」
「何が?」
「すぐそこにある光景だよ」
「液晶のな」
今日も空は変らず青い。
続く空の下では〝非日常〟という土台から始まる人達がいるのだ。




