10/45
詩集2
タグ集2です。
『風化』
何度消えても、何度だって浮かぶ瞬間はある。
良くも悪くも忘れられない出来事は、その人にとって一生モノだ。
だからいう。
見えないものに化けて流されて失うくらいなら、それは偽物か捏造なのではないかと。
所詮他人事だと。
向こう岸にいる誰かが、風化という言葉が間違いだと言った。
『分解』
笑顔という武器をもって強くなった。
強さを追求した果てに孤独を知った。
孤独の先に人の温もりを感じた。
武装を解いたら〝自分〟が待っていた。
『特別』
行ってきますからただいままでを繰り返す。
おはようからおやすみなさいまでを毎日、毎日、当然のように言っていた。
「ただいま」
――――
空の返事。
もう、誰もいない。
当たり前だった〝日常〟は一瞬で霧散した。
後悔する日が来ると知っていたら――
「ありがとうって言えたのに……」
拳を包む手は存在しない。
冷たい空気だけが漂う。
それでも前へ進むしかないんだよ。
と、誰かが言っていた。
『ありきたりで、退屈なだけの日々にも必ず意味があるから』
信じて。
灯火が揺れた。舞う橙、触れる花。
今日という日を忘れないために――




