return
とにかく異世界転生ものが書きたかっただけです。
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「ねぇ――、本当にやるの?」
「あぁ」
「いいのね? 後戻りは出来ないわよ」
「もう決めたことだ。寧ろそうする以外に道はない。少なくとも俺はな」
「……誰も貴方一人には行かせないわよ。他の子たちもきっとね。」
「そうかい……好きにしな。ここからはもう、『選択』の問題だ」
「…………」
「あぁ、最初からそうだったんだ。やっぱり俺は、俺たちは、誰かに求められる存在じゃなかった。たまたま世界がそうなってただけなんだ。それが今、ようやく繋がった」
「……失望した?」
「ハッ、冗談。いつも言ってるだろ? 俺は『英雄』じゃない。ただの『勇者』だ。あらゆる意味合いにおいてな。俺はいつも、そうしたいことしかしていない。お前も知ってるだろ」
「そうね。貴方の言う通り。だから皆、貴方についてきた」
「やることは決まった。そうしたいことは決まった。なればこそ――」
「えぇ、準備は出来てる。あとは行動に移すだけ」
「重畳だ」
「はぁ……これが本当に最後になればいいんだけれど」
「相手次第だな、それは。世界が変化を受け入れるまで、俺たちはやらなくちゃいけない」
「えぇ、全く」
「それまでは止まらない。あぁ、これはもう止まらないものなんだ」
「――さぁ、ここからは俺たちの番だ」
「使命だとか神託だとか預言だとか、そんなもんはもう関係ねぇ」
「今まで好き勝手やってきやがったんだ。こっちだって好き勝手やらせてもらうぜ」
「俺達は選択した。だから俺達は終わらせに行くぜ、全てをな」
「そういうわけで――ちょっとばかし、世界に喧嘩を売るとしようか」
『わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。』
――エフェソの信徒への手紙 6章12節
ネタ切れになるまで書き続けます。