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プロローグ 1/4  作者: 府愛瑠
1/1

「ここはどこだろう。」

これからも書き続けていくと思いますが、

投稿間隔が結構あく場合もあります。



「ここはどこだろう。」


気が付いたら真っ白な壁に囲まれいるところにいた。


なんで、ここにいるのかなんてわからない。


どうやってここに入ったのかも・・・。


(誘拐・・・された?)


そんな考えが頭に浮かぶ。


しかし、その可能性はなくなる。


誘拐目的なら、俺の身体はボロボロになっており拘束もされているだろう。


だが、俺の両手には手錠らしき拘束する道具はない。口も同様だ。


つまり、俺自身を『誘拐』することが目的ではなくて『監禁』することが目的だと思われる。


そうなると、俺を拘束する必要もない。


拘束する必要はないが、監視する必要はある。


どこかで監視している奴がどこかにいるのだろう。


俺は真っ白な壁の中を見渡す。


あったのは、さっきまで寝ていたであろうベットとトイレ、そしてボタンが付いている。


ボタンを見つめながら思う。


(これって押したらどうなるんだろう?)


押してみたいという衝動に駆られているが、俺の本能が押すなと言っている。


このボタンが監視者を呼ぶベルとかを鳴らすものかも知れない。


もし、ボタンを押して監視者が来たのなら幸運といえよう。


だが、ボタンを押して即死のような罠だった場合、どうしてここに来たのかという事が聞けなくなってしまう。


押すメリットよりも押さないメリットの方が大きい。


俺は本能に従い、押さないことにした。


不思議なボタンから離れて、ベットへ向かう。


そこには、ベットしかない。


ベットの上には、体にかける布はない。


(下には何かあるのか?)


そう思い、下を覗こうと――。


「検体番号001番、何をしている!!」


どこからか突然、声が発せられた。


周りを見てみるが、スピーカーらしきものはどこのも見当たらない。


「おい!!!返事をしろ!!」


もう一度、声が発せられる。


今度は壁の近くまで寄り、壁に耳を当ててみる。


が、聞こえてくる音は何もない。


向こうに空間はない様だと俺は冷静に判断する。


声の発信源は、壁からではないという事は分かった。


(じゃあ、どこからだろう?)


壁から離れ、部屋の中央に移動して立ち尽くす。


もう一度、声が聞こえる。


「おい。俺が話しかけているんだから、返事くらいしたらどうだ?」


今度は後ろから声が聞こえる。


振り返ると、俺と同じ身長の人間が立っていた。


顔には、ガスマスクのようなものを着用し、身体にはどこかの軍隊の服装なのか。それとも、重度のミリオタなのか・・・。


どちらでもいいが、とりあえずこの人間が監視者という事であることは間違いはないはずだ。


どこから出てきたのだろうか、この人間の後ろを見つめてみるが入口的なものはない。


壁が異常変形して出てきたのかも知れないし、ワープ装置のようなものでどこからか転送してきたのか。


そんな風に、考えていると目の前にいる人間が苛立ちを見せながら、


「聞いているのか?001番?」


と聞いてくる。


「聞いているよ。何回も聞かなくて大丈夫だ。」


「何回も言っているが、応答がなかっただろ!!」


このまま続くと、漫才チックになってしまうので話を逸らす。


「ところで、俺はなんでこんなところにいるんだ?」


俺は、先ほどから思っていることを人間に聞いてみた。


人間は一瞬、驚いた表情した。


が、すぐに嘲笑に変わり言った。


「何言ってるんだ?お前はずっとここにいるんだぞ。」


最初は何を言っているのか、分からなかった。


冗談かと思ったが、人間の表情に変化はない。


相変わらず俺を、馬鹿にしているような表情をしている。


体が恐怖で震えあがり、呼吸も荒くなる。


立っていること自体が困難になり、倒れそうになってしまうが人間が体を支えてくれる。


「おい。大丈夫か?どうしたんだ?」


嘲笑の表情から困惑の表情になっている。


その表情が嘘ではないこと分かる。


「もう大丈夫だ。ありがとう。」


荒くなった呼吸を落ち着かせ、頭痛がする頭を押さえながら言う。


ぼやけていた視界もはっきりし、ようやく落ち着く。


「そうか。俺は戻るから、今度は応答しろよ。」


そう言いながら、人間は腕に着けている時計のようなものを見つめている。


(このままどうやって、ここから出ていくのか見てやろうか。)


が、俺の考えは直後に裏切られることになる。


俺が瞬きをした瞬間、人間が消えた。


「驚いたか?まぁ、ここからは出れないんだ。のんびりしようや。」


人間はいないが、声はする。


さっきの声から察するに、ここから自力で出ることは困難と判断。


そう、『困難』なのだ。『不可能』ではない。


とにかく情報がいる。


何をするにも情報がなければ、行動も選択もできない。


視界に入ったベットで思い出す。


(まだ、ここは調べてなかったな。)


ベットに近づき、下を覗く。


そこには、黒く光り輝く一丁の拳銃が落ちていた。

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