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目覚め

ここはどこだろう。辺りを見渡すと窓があった。

窓には太陽の光が見える。たしか私はあまりの体の熱さに耐えられず気を失っていたはずだ。

私が今いるのは広いベッドの上。ベッド以外に物は置いていないようだ。


ふと、自分が着ている服に目がいった。

サイズの合わないブカブカのシャツだけを着ていた。だが自分の膝まである丈だったのでワンピースみたいだ。おそらくハルベルーシュのだろう。


そして太ももに見慣れない黒い紋様が浮き出ていた。

上から見ると十字架のような形で、4つの隙間に古代文字のようなものが書かれているが読めない。


落書きだと思って手で擦ってみるが落ちる気配が無い。


「こら、そんなに擦っちゃダメだよ。赤くなってるじゃないか」


突然現れたその声に驚き、声の持ち主に振り返る。


音もなく背後にいたハルベルーシュの姿を見た途端、昨日の恐怖が甦ってくる。


ハルベルーシュから離れようとベッドから降りようとしたが、それはハルベルーシュの手によって止められた。


「ダメ、逃がさない」


お腹に手を回され、グイ、とそのまま引かれて膝の上に乗せる形になった。ジタバタともがくが、びくともしない。


「じっとしてて」


ハルベルーシュの指先が足首から膝、そして太ももにスゥ、と這う。くすぐったいのか気持ちいいのか分からない私はただ耐えるだけ。


「ふぅ、……ん」


思わず声が出た。クスクスと笑うハルベルーシュは、手を止めない。私は何がなんだか分からなくて頭がおかしくなりそうだ。


私の反応を楽しんでいるのか、それとも肌の感触を楽しんでいるのか分からなかった。


「この紋様はね、ハリベルの紋といってね、僕達が番である証なんだよ。」


言葉の意味に理解ができず、ただ首をかしげるばかり。


「ふふ、まだシェリーには早かったかな」


シェリー、という言葉に驚いた。それは私の名前。


「な、ん…で名前」


「ん?……ふふ、それは秘密」


意地悪な笑みを浮かべ、人差し指を口元に持っていってそう言った。


「番はね、簡単に言うと僕達は結婚したんだよ。シェリーが死んだら僕も死ぬ。僕が死んだらシェリーも死ぬってこと。ほら、ここにシェリーと同じ紋様があるよ」


そう言ってシャツを捲り、ハルベルーシュは腹にあるシェリーと同じ紋様を見せた。


「……私を、求めてくれるの?」


「うん、愛してるよシェリー」


「愛してる……ほんとに?」


「ほんとだよ」


私の髪を掬い上げ、キスを落とす。

彼なら私を愛してくれる。何故かそう思えた。


「……嬉しい」



_______________________



私は愛に飢えている。誰もが私を化け物と言い、愛してはくれなかった。

だけどハルベルーシュは私を愛していると言ってくれた。

彼は少し狂っている。そして私も……クルッテイル。





_________________________



「さぁ、お腹すいたよね。もうお昼だ。スープを用意しよう。いきなりたくさん食べると胃がびっくりするからね。」


そう言って一旦私から離れ、スープを持ってきた。

そしてまた膝の上に私を横向きに乗せ、スプーンを持って飲ませてくれた。


スープの味がが口の中に広がり、とても美味しかった。


「美味しい?」


コクリ、と頷く。ハルベルーシュが満足そうに微笑む。


「ふふ、僕が作ったんだよ」


「……ありがとう」


今の自分にできる精一杯の笑顔でお礼を言った。


「貴方は食べないの?」


「基本的に獣人は食べなくても生きていけるんだよ。味を楽しむために食べる獣人もいるけどね」


なるほど、と思いながらスープを飲みほした。少し足らなかったがあそこに居たときよりはよかった。奴隷商で与えられるのは小さくて固いパンが1つと水だけ。私は何度も脱走をしていたのでご飯を与えられないことが多かった。

だからスープを飲んだのは久しぶりだ。


「あぁ、そう言えば名前を言ってなかったね。僕はハルベルーシュ。シェリーにはハルって言って欲しいな」


「……ハル」


ハル、と呼ぶとハルはとても嬉しそうだった。


そして時間が過ぎてゆき、ハルと私は一緒にお風呂に入ることになった。最初は恥ずかしがったが次第に慣れ、気にすることはなくなった。

髪の毛や体を丁寧に私を洗ってくれ、私もハルの体を洗った。

ハルの体は以外と堅かった。無駄な脂肪の無い引き締まった体は私には無いものだ。栄養の行き届いていない私の体は女性らしい丸みを帯びておらず、とても貧相だった。

二人で湯船に浸かるがやはりハルの膝に私を乗せる。

お尻に固いものが当たっているが気にしない。


私達は風呂から上がり、ハルがドライヤーで乾かしてくれた。

良いシャンプーとリンスを使うとこうもサラサラになるのかと驚いた。ふわぁ、とたまに風で香ってくる匂いはハルと同じもの。

何故かとても嬉しい気持ちになった。幸せとはこの時を言うのだろう。


ドライヤーの暖かさで眠くなった私はハルに抱き抱えられ、ベッドに寝かせてくれた。そして額にキスを落とす。


「お休み、シェリー」






どうもこんにちは。

昨日寝る前に書いた前半とその翌日に書き終えた後半とで、二人のキャラがスッゴい変化してます。何故かシェリーまで病んでるw

色々設定がハチャメチャです。


なのでちょくちょく直していきたいと思います。


やっぱその時の気分ですよね。私は飽き性なので1日目は色々書けるのですが、2日目からはやる気をなくしてしまい、投稿を中断させてしまうのがオチです。私の他の投稿を見てみると分かると思います。


でも頑張って完結まで続けていこうと思います。



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