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魔法少女の設計図~曲解~  作者: 七色栄兎
第1章 魔法少女出会い編
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第1話来葉襲来

私立(しりつ)(ひがし)第七(だいなな)来葉(らいば)学園(がくえん)。通称(ひがし)(しち)(らい)

星影市(ほしかげし)星影台(ほしかげだい)にあるこの学園は小・中・高一貫の学園である。

さらにこの学園は私立でありながら、公立とほぼ変わらぬ学費であり授業内容も良いということで人気の学園であった。

制服は、紺色を基調としたブレザータイプで、胸元の赤いリボンが可愛いと評判であった。

そして、第七の示す通り、この学園は第一から第六までの系列校も有り、さらに東、西そして中央で同じ数だけ系列校がある学園である。

そんな学園へと通う一人の少女がいた。


「まほー! ほら、遅刻するよ! 早く起きなさい!」

その声にて、夢の世界より帰還する一人の少女。

きれいな桜色のショートヘアー、その少女の名は“(あり)()()まほ”。

私立東第七来葉学園に通う初等部四年生である。

「う~ん・・・。もう朝~・・・。でも、もう少し・・・ZZZzzz・・・。」

少女は再び夢の世界へと旅立とうとしていた。

しかし、その旅立ちは叶わない。

なぜなら・・・。


ドスン!


「姉ちゃん。早く起きろよ~!朝だぞ!」

まほの弟“有芽知おと”が、まほの体へと飛び乗った。

「うっ!っ・・・。 も、もう少し優しく起こして・・・。」

ベッドの中で呻きながら、まほはおとへと訴えかけた。

「優しく起こしても、姉ちゃん起きないだろ!」

「そ、そんなことない・・・よ?たぶん・・・。」

「まあいいや!もう起きたよな!」

少女は軽く涙目になりながらベットから這い出した。

「うん、着替えるから、ちょっと部屋出てって。」

「おう! 俺はもう準備OKだから先に学校行ってるな!姉ちゃんも遅刻するなよ!」

「えっ!? そうなの?もう準備できてるの?」

おとは、そのまほの疑問を聞く間もなく部屋を飛び出していった。

残されたのはまほのみ。

有芽知家いつもの日常である。

「う~ん・・・。早く準備しよ・・・。」

そうして、まほはいそいそと学校へと向かう準備をした。


「あら、まほまだいたの?もう今からだと遅刻じゃない?」

まだ部屋から出てきたまほを見て、まほの母はそう言った。

「だ、大丈夫だよ! 急いでいけばギリギリ間に合うから!」

「そう?まあ、気をつけて行きなさいね。」

「は~い!じゃあ行ってきます! あっ! このパンもらってくね!」

そう言うとまほはテーブルのパンを咥えて、玄関を飛び出した。

「もう・・・。まほったら・・・。もっと早く起きればいいのに・・・。」

まほの母は娘を見てそう思うのであった。


「さて、このまま走って行くと本当に遅刻しそうだよ・・・。こんな時は!」

そう言うと、まほは周囲を見渡す。

「よし! 誰も見ていない! 変身!!」

右手を空に掲げそう叫ぶと、突如まほの周囲に光が溢れだす。

光が収まりそこに立っていたのは、桜色のワンピースのようなコスチュームを纏う一人の少女。

右手には月を模したシンボルが付いた小さなステッキを握りしめている。

そう!まほは魔法少女だったのだ。

ちなみに友達はもちろん家族にも内緒である。


「変身完了! よーし!空飛ぶ魔法発動!」

変身を完了させたまほは即座に空を飛ぶ魔法を発動させた。

まほはそのままふわりと宙に浮く。

「急げ急げー! 全速力ぅぅぅー。」

空へと飛んだまほは、ものすごい速度で学校へと・・・

「って、こっちじゃなかった! あっちだったー!」

・・・ものすごい速度で学校へと向かった。


ふわりと学園近くの茂みに降り立ったまほは素早く変身を解除した。

「ふぅ!到着! 着地も変身解除も完璧! 時間もいい感じ!」

まほは無事学園へと到着した。

「あれ?学校の前にすごそうな車が止まってる・・・。」

見ると学園の前には黒の高そうな車が止まっていた。

「誰かすごい人が来ているのかな?」

まほはそう思いその車を見た。

運転席には白髪の老人が乗っており、何やら後部座席に座る誰かと会話をしているようだ。

後部座席はスモークで覆われ中は見えない。

「!?」

まほは、後部座席から視線を感じたような気がした。

「う~ん。まあいいか。早く学校行こ。」

後部座席に乗っている人物が誰なのか気になるが、まほは時間もぎりぎりなので学園へと急いだ。


黒の高級車その車内にて・・・

「ふ~ん。あの子が・・・。」

蒼いロングヘアーの少女は呟いた。

「はい。先ほどの少女が例の女の子で御座います」

運転席に座る少女の執事はそう答えた。

「では、お嬢様。私達も学園へと参りましょう。」

「そうね。では行きましょう。」

執事に促され、その少女は車をゆっくりと降りた。


教室では、間もなく朝のショートホームルームが始まろうとしていた。

「おぉー! まほっち~。今日は遅刻しなかったね!」

まほへとそう話しかけた夕焼け色、セミロングの少女の名は“()(さき)ゆうな”。

まほの友人である。

「ま、まあね!余裕だよ!」

(ぎりぎりだったけど・・・。)

「おいおい! それ威張れることじゃないだろ・・・。」

「あっ! ゆきと君、おはよー!」

黒髪短髪の少年、彼は名は“(なり)()ゆきと”。

まほの隣の席に座る男の子である。

「おう!おはよー! ってそうじゃなくて・・・、お前ももう少し早く起きて学校行けばいいんじゃないか?」

「い、いろいろあるんだよー。いろいろとー!」

「いろいろってなんだよ・・・。だいたい昨日だって・・・」

ゆきとの主張に対し、まほは反論する。

そして、その反論に対しさらに反論する。

反論合戦が続きそうなその流れを止めたのは、傍らで眺めていたゆうなだ。

「はい、はい、そこ! 痴話喧嘩しない!」

「「痴話げんかじゃない」」

まほとゆきと、二人の声が揃う。

「「あっ!」」

声が揃い二人はしばしお互いを見つめる。そして・・・

「「ふん!」」

まるで打ち合わせしたかのように、同時にそっぽを向いた。

(やれやれ・・・。)

ゆうなは、そのやりとりを微笑ましく眺めた。


「はーい、席に座ってー。朝のショートホームルーム始めるよー。」

そう言いながらその教室の担任が教室へと入ってきた。

先生の名は“()()にいな”。

ブロンズ色のロングヘアーが美しい新任の教師だ。

担任を任されるのも今年が初であり、張り切っている。

「あ! 先生来たよ! あたし、席戻るね。」

「う、うん。またねー。」

「お、おう・・・。じゃあな。」

ゆうなが自分の席へと戻るのを、まほとゆきとは眺めた。

そして、もう一度お互いを見つめ合い・・・

「「ふん!」」

(まだやってる・・・。)

二人を見てそう思う、ゆうなであった。


「では、朝のショートホームルームの前に今日はみんなに転校生を紹介します。」

先生は、そう生徒達に告げた。

「えっ!? こんな時期に?」「もう今、5月も終わる頃だぜ?」等々、告げられた言葉に対し生徒達はどよめく。

「はい、静かにー。それじゃ入って来てー。」

その言葉を合図に一人の少女が教室へと入って来た。

海のように蒼いロングヘアーの少女、その佇まいは優雅で凛としている。

顔立ちは可憐で美しい。

教室中が再びどよめく。

生徒達はその少女の登場に心を奪われていた。

「ふあぁ。すっごい綺麗な子。」

まほも他のみんなと同じく、その転校生に心を奪われていた者の一人である。

「はい、はい、みんな静かにー。」

先生は、その言葉でどよめく教室を静めた。

「え~と・・・。この子の名前は“(らい)()るり”ちゃん。中央の(いち)(らい)からこちらに転校して来ました。それから彼女は、・・・。」

「え!? 中央の一来って超お嬢様校じゃん。」

「しかも、来葉るりってあの来葉グループの!?」

「来葉グループってあの来葉グループか!? マジか!?」

先生が紹介を言い終える前に教室はまた再びどよめく。

「そ、そんなにすごいの!?」

みんなの反応について行けないまほに対し、隣の席に座るゆきとが突っ込みをいれる。

「お、おい、まほ、マジで知らないのかよ・・・。来葉グループっていえば有名だぜ?

衣食住、サービスから軍事までありとあらゆる分野において世界シェア70%を占める超企業だぜ?」

「へぇ~。そんなにすごい企業なんだ・・・。」

「“世界の覇者”とか言われているからな、あの超企業・・・。それにこの学園だってその来葉の所有だぜ? ほら、名前に来葉ってついているだろ?」

「そ、そういえばそうだね・・・。」

「今どき知らないほうが珍しいぞ?」

「ううぅ・・・。」


どよめく教室、実は先生も生徒同様内心かなり動揺していた。

新任早々、生徒に超お嬢様である。

私に超お嬢様の担任など務まるのかと不安になっていた。

しかし、心の中で気合を入れ直した先生は職務を遂行すべく転校生の紹介を続けた。

「え~と・・・。それでは来葉ちゃんに軽く自己紹介してもらいたと思います。」

その言葉を聞き、それまでおとなしくしていたるりが動き出した。

「今紹介あったとおり私の名前は“来葉るり”です。こちらへは仕事の都合で来ました。どのくらい居られるか分かりませんがよろしくお願いします。」

「こちらこそよろしく!」「よろしくー!」「よろしくな!」

るりの自己紹介を聞き生徒たちはそれぞれ相槌を打った。

そして、自己紹介はまだ続く。

「えーと、それから一つ!皆様に・・・。いえ、ある人に私から言わせていただきたいことがあります!」

その言葉に教室は静まり、視線はるりへと集中する。

そして、次に発せられた言葉に生徒たちは今日最大級のどよめきを巻き起こすことになる。

なぜなら、るりはまほを指差し、こう言い放った。


「そこの“有芽知まほ”さん! 私と付き合いなさい!」


静まり返っていた教室の空気が一気に沸騰する。

本人はそうした意図では無かったのだが、周りはしっかりその意味で受け取ってしまった。

「え!? いきなり告白!」

「しかも女同士だぜ!?」

当のまほはというと・・・

(え!? 私!? あ、あれ?なんで私の名前知ってるの?)

現在進行形で混乱中であった。


こうして転校生による自己紹介は、教室にどよめきの旋風を巻き起こした。

続けて本日2個目の投稿です。

最初の目標「投稿する」はとりあえず達成!

次の目標は「キリの良い所まで書く」かな・・・。

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