表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女の設計図~曲解~  作者: 七色栄兎
第2章 魔法少女ショータイム編
12/15

第10話4人は愉快に空の旅

「まほ、今度の休みの日、少しいいかしら?」

放課後、るりはまほに対しそう言った 。

現在、教室にはるりとまほ、そして、数人の生徒がいるのみだ。

ちなみに、ゆうなとゆきとは用事があるとのことで、ここにはいない。

「うん、特に予定は無いから大丈夫だよ。」

るりの誘いに対し、まほは頷き了承する。

「ちょっと、気になることがあるのよ。あの写真のことよ。」

「あの写真? あっ! わ、私が、写っていた写真だね。」

あの写真とは、まほが魔法少女ではないか?と、るりが疑うきっかけとなった写真だ。

まほは、特に気にしては居なかったが、るりには気になることがあるようだ。

「そうよ。あの写真の入手先を調べてみましょ。爺はあの写真、TV番組に投稿されたのを、相当無理を言って入手してきたらしいわ。」

「そうなんだね。」

「投稿されたってことは、投稿者がいるはずよね?」

「うん。」

「その投稿者を探してみない? もしかしたら、私と同じく、まほが魔法少女だってこと気づいてるかもしれないし・・・。」

魔法少女であることは、秘密だ。

しかし、バレてるかもしれない、そのことにまほは動揺する。

「た、たしかに! そ、そうだね・・・。どどど、どうしよう、私が魔法少女だって、バ、バレてたら・・・。」

「落ち着きなさい、まほ。まだ、バレてたと決まったわけではないわ。まあ、バレてたとしても、問題ないわよ。私が、来葉グループの総力を上げて口封じするから!」

頼もしすぎるその言葉に、まほは落ち着きを取り戻す。

「う、うん! まだ、バレてたと決まったわけではないよね! でも、どうやって調べるの?」

まほは、首をかしげる。

「そのことなんだけど、私に、いい考えがあるわ。直接その番組の人に、聞きましょ!」

「えっ!? そんなことできるの?」

驚くまほに対し、るりは頷く。

「もちろんよ。本当は、こっちに来てもらいたいところだけど、あっちも忙しいだろうから、こちらから会いに行くわ。」

「会いに行くってことは・・・」

「そうよ! TV局に、行くわよ!」

「え、えぇ!?」

まほは、思わず大きな声を出し驚いた。


「ん? どうしんたんだ、まほ。大きな声を出して。」

会話をしていた2人に近づく、1人の人物。

「あれ? ゆきと君? 委員の仕事終ったの?」

「あぁ、今日はすぐ終わった。帰り一緒に帰れるな!」

ゆきとである。

委員の仕事があったようだが、今日はすぐに終わらせたようだ。

「うん、今日は一緒に帰ろ! 今、るりちゃんとTV局に行く話をしてたの。ゆきと君も行く?」

「ちょ、まほ。それは・・・」

るりは、2人で行こうかと考えていたようだが、まほは思わずそれを口にしてしまった。

実際、まほが魔法少女であることは、ゆきとには秘密である。

そのため、写真のことを調べるには、魔法少女であることを知っている、るりと2人のほうが動きやすい。

「ん、そうなのか。うーん、俺も少し興味あるし、付いて行ってもいいか?」

「い、いいよね? るりちゃん?」

「わ、分かったわよ! 一緒に行きましょ!」

るりは、2人で行くのを諦めた。

こうして、まほ、るり、ゆきとの3人でTV局に行くことに・・・


「あれ? まほっちたち、集まって何してるの?」


「あ! ゆうなちゃん今ね・・・」

・・・ゆうなを加え、4人でTV局に行くことになった。




日曜日、4人は時計台の広場に来ていた。

分かりやすい場所ということで、ここが待ち合わせ場所に選ばれた。

「え~と。みんな、集まったわね。」

るりは、まほ、ゆうな、ゆきとの3人を確認するとそう言った。

「まさか、まほが到着最初で、俺が一番最後だったなんて・・・。」

「まほっち、こういう時は早いよね。」

「だ、だって楽しみだったんだもん!」

待ち合わせ場所への到着は、なんとまほが一番乗りだった。

「ところで、るりちゃん。どうやって行くの?」

「こっちよ!」

るりは、学園の方を指し示す。

「ん、学園の方に車かバス止めてるのか?」

ゆきとは、学園の方を向きながら、るりへと質問をする。

るりは、にやりと微笑む。

「まあ、行けば分かるわよ。」

そう言われ、3人は、るりへと続き学園へと向かった。


校門近くにたどり着いたところで、ゆうなは、あることに気づく。

「あれ? この音ってもしかして・・・。」

学園に近づくにつれ、バラバラと重い重低音が大きく鳴り響く。

その音は、屋上からのようだった。

ゆきととまほも、その音に気づく。

「なっ!? まさか、あれなのか?」

「えっ!? えええっ!?」

ヘリであった。

「そうよ。ヘリでパパパっと行くわよ!」

驚き、空いた口がふさがらない3人。


4人は屋上へと到着した。

屋上には、るりの執事ハワードとフォスター、メリッサが待っていた。

そして、そこにはもちろん、ヘリが待機していた。

但し、そこに待機していたのは普通のヘリではなく・・・

「ちょ、ちょっと待て! 俺、映画とかで、これ見たことあるぞ。」

「るりるり・・・。まさか、こんなヘリを用意してるなんて・・・。さすがね・・・。」

「な、なんだか、すごいおっきいヘリだね・・・。」

驚く3人、それもそのはず、るりの用意したヘリは、迷彩カラーの軍用ヘリだったのだ。

「わ、私は普通のヘリでいいって言ったのに、爺が張り切って軍用を用意しちゃったのよ!」

るりは、慌てながら弁解する。

「まあ、るりるりなら今更よね・・・。」

「そうだな・・・。」

「う、うん・・・。」

3人は、何かを納得したような目でるりを見る。

「な、何よ! みんなして! まあ、いいわ! そこの3人を紹介するわ!」

そこの3人とは、るりの執事たちのことである。

まほ、ゆうな、ゆきとは執事たちの方を見る。

「とりあえず、そこの白髪のヒゲがハワード、私の執事よ。あと、その金髪の男性がフォスター、女性がメリッサ。一応私の護衛よ。普段は隠れてるけど。」

るりは、ざっくりと執事たちを紹介した。

「お、お嬢様・・・。ヒゲはあんまりですぞ・・・。」

「るりお嬢様、紹介雑すぎますよ・・・。」

嘆く、ハワードとフォスター。

「まあ、いいんじゃない? 私たちのことは。今日の主役は、るりお嬢様たち4人なんだし。」

それを、メリッサはフォローする。

「そうよ! 今日の主役は私たちよ! あぁ、こっち側の紹介が、まだだったわね。・・・まあ、無くてもいいわね。 さっさと行きましょ!」

こうして、まほたちの紹介は省かれた。

まほたちは、「えっ・・・」といった顔をしていたが、るりは気にせず、まほたちをヘリへと誘導した。




ヘリの中は、まほたち4人と執事たち3人が乗っても余裕な広さである。

ヘリの運転は、フォスターが行うようだ。

そのヘリの中、まほたちは空の旅を楽しんでいた。

はずだった・・・。

「くっ、なんでお前ら平気なんだよ・・・。俺は、ちょっと高いのはダメかもしれない・・・。」

「あたしも、ゆきとほどではないけど、高いところは苦手かな・・・。」

ゆきとは、ヘリの中でぐったりとしていた。

そしてゆうなは、ぐったりとはしていないが、景色を見る余裕はないようだ。

「るりはともかく、まほも平気なのかよ・・・。」

問いかけられ、まほはゆきとの方を振り返る。

「う、うん。私は、高いところをいつも・・・」

「いつも?」

ゆきとは、まほを不審な目で見る。

「い、良い景色だよ!」

いつも飛んでいる、そう言いかけたまほは、焦りながら誤魔化す。

「まあ、いいや。とにかく俺は、この状況を耐えなければいけない。なにか良い方法は無いだろうか・・・。うぐっ! よ、酔ってきた・・・。」

ゆきとは、さらにぐったりする。

「だ、大丈夫!? ゆきと君!」

「重症ね・・・。とりあえず、爺、酔い止めをゆきとにお願い。少しは気休めになるかもしれないわ。」

同乗していた執事ハワードは、頷く。

そして、酔い止めを取り出し、それをゆきとへと渡す。

「ゆうなは大丈夫? 必要なら爺から貰うといいわ。」

「うん、あたしは大丈夫。」

ゆうなは、苦手なだけで酔うほどではないようだ。

「そう? 無理はしないでよね?」

「うん、ありがとう。」

ゆうなはるりへと微笑む。

るりは、少し照れくさそうにそっぽを向いた。


「まほ、ありがとう。だが、俺はここまでだ・・・。」

「ゆきと君! だだだ、大丈夫!?」

まほは、ゆきとを介抱していた。

「う、ダメかもしれない。いや、大丈夫かもしれない。いやいやいや・・・」

「どどど、どっちなんだろう?」

まほは困惑する。

「ゆきと、大丈夫そうね・・・。」

「そうね。まほっちとゆきと、まるでコントだね・・・。」

るりとゆうなは、そんな2人を呆れたように眺める。


「おう、お嬢様たち! そろそろ着くぞ!」

フォスターは、まほたちへ間もなく目的地に着くことを知らせる。

まほたち4人は、外の景色を確認する。

ヘリの向かう先には、TV局があった。

その屋上にはヘリポートがあり、そこへ向かっているようだった。

「やっと、着いたわね!」

「あ、あれが、TV局なんだね!」

「最初はちょっと怖かったけど、空の旅も悪く無いね。」

喜ぶ、まほとるり、そしてゆうな。

「や、やったぜ! やっとこの酔いから開放されるぜ!」

ゆきとも喜ぶ。

しかし・・・

「分かってると思うけど、帰りもこのヘリよ。」

「な!? 嘘だろ・・・。」

るりの無慈悲な言葉に、ゆきとはうなだれる。


そしてヘリは、TV局屋上のヘリポートへとゆっくり着陸した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ