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五百文字の小説

猫の尻尾のカルボナーラ

作者: 銭屋龍一

 まぁとりたてて言うほどのことでもないが、きょう左腕が崩れ落ちた。

 肩の辺りから神経の束がぶら下がりサンバを踊っている。ふざけたものだ。金色の着物でも着せてやろうか。

 左腕が腐りゆく過程はつぶさに見た。

 よって未練はない。

 ただ神経の束の合間から這い出る無数の蛆虫には少しばかり辟易とする。


 空は青い。

 あまりの気持ちよさに目眩すらする。

 公園は恋人たちであふれかえっている。


 胸がちくちく痛む。


 僕は思い切ってTシャツをまくりあげる。

 左胸に腐った彼女の顔が瘤になって留まっている。かつて目であった辺りから蟻の行列が始まっている。掻き毟りたい。でも僕は堪える。 

 腹が減ったな。


 ランチは何にしようか?

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