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006 1日目:街のクエストを受けてみよう!

1日目の最終投稿です。


お気に入り登録して頂いてありがとうございます。

 視界が開けると、そこはマイホームだった。

 目の前に心配そうなアレックス(マスター)の顔があり、

「大丈夫かい?あまり無理はしないでね」

 と一声かけるとまたデスクワークに戻っていった。

 急いでステータス欄とアイテム欄を確認してみる。

 このゲームのデスペナルティは所持金2割減と所持アイテムのランダムドロップだ。

 所持金は確かに2割減少し、初期の所持金+モンスターを倒した分1003Gから803Gに減少していたが、

アイテムは糸とスライムの核がそのまま残っている。どうやら今回はアイテムの紛失は避けられたようである。どうせ1個ずつしかないのでなくなっても構わないけどね。

 しかし、ゴブリンの持っていた武器は棍棒だったのになんで打撃無効の僕に攻撃が通ったんだろう…。

 棍棒の先端付近には横に張り出すようにトゲが出てたけどもしやその部分が刺突攻撃扱いになっていたのか…。うーわー、大分類が打撃武器でも形状に注意しなきゃならないなんてめんどくさい事この上ないな。もしかしたら、体当たりだろうがトゲトゲのハリネズミみたいな敵の攻撃ならダメージ貰ってしまうのかも。

 軟体って意外と融通の利かないスキルかも。


 部屋を見渡すと、相変わらずくしゃくしゃにした紙くずが散乱していた。

 ものは試しと紙くずを溶かしてみるとなんと出来てしまった!

 そのまま部屋中に落ちている紙くずを全て溶かしたらスキルレベルが上がった。

 いい経験値稼ぎの場所じゃね?と思いながら部屋の外に出ることにした。


 街に出ると、ダッシュスキルを使いつつモンスターギルドに向かって移動する。

 一応ゴブリンの討伐クエストを受注する為だ。さっきの予想が正しければ今度はダメージを受ける事無く倒す事が出来るはずだからだ。うん、ダッシュも地道にだが順調に上がっているようだ。


 モンスターギルドに入ると、運良くスライム専用踏み台の近くの受付が空いていたので早速受付の妖精さんに話しかけてゴブリン討伐のクエストを受ける。

 これで今受注しているクエストはプチスライム討伐、グリーンワーム討伐、ゴブリン討伐の3件だが、クエストは全部で5個受けられるのでまだ余裕が有る。とは言え、それ以外のモンスター討伐となると未だ見たことのないモンスター、多分次のマップに行かなければ出会えないようなモンスターっぽいので無視するとして、残るは街中のNPCモンスターからの依頼となる。


 前にも触れたが、街のNPCからのクエストは報酬がかなり少ない。さらにはストーリーを進める上で絶対受けなければいけないクエストも無い。NPCのクエストを受けるくらいならフィールドで戦っていた方がスキルレベルも上げられるしお金もアイテムも手に入る。

 詳しく話すと、クエストポイントの加算が他の討伐クエストより極端に低く、お金も10~20Gがせいぜいであり、スキルに振れる経験値も体当たりの例を挙げるなら、一回攻撃をした方が報酬より経験値を多く貰える位しかないのだ。

 そんな事情があってβテスト時代からほとんど誰も受ける事の無い状態になっているのだった。


 ひとまずNPCクエストを眺めている。


 『ゴブリン討伐に一緒に行ける方募集 byマイク(グリーンキャタピラ)』

 『糸を集めて頂戴 byフィリス:フェアリー』

 『薪を一束持ってきてくれ byボルク:コボルド』

 『薬草が10枚欲しいニャ byフェリシー:ケットシー』

 『いっしょにかくれんぼしよーっ! byノエル:ダークフェアリー』

 『ワレハ朝露ヲヒツヨウトス byヘンリー:ゴースト』

 『スライムの核が欲しいの byフレイ:炎の下級精霊』

 『代理配達人急募 byサンダー:リトルホーク』

     ・

     ・

     ・

 

 種類だけ見るとかなり沢山有るみたい。

 時刻を確認すると既に23時を回っているようなので、フィールドに出なくてもよさそうな『いっしょにかくれんぼしよーっ!』を受注してみた。

 受付のフェアリーさんに場所を確認し、学園前噴水広場へと向かった。


 噴水広場に到着し、辺りを見回してみると、噴水の前でつまらなそうに石を蹴っている褐色の肌をしたダークフェアリーの男の子がいた。

 とりあえず話しかけてみよう。

「こんにちわ、君がノエル君?」

「わっ!き…きゅうにこえかけてくるなよっ!だれだよおまえっ!」

 急に話しかけられてびっくりしていた様だけどすぐに立ち直って僕を指差し大声を上げるノエル君。

「お前じゃない、シロっちって名前だよ。ギルドでクエスト受けてきたんだけど。」

「えっなに?おまえおれとあそびにきたの?え~しょうがないなーそんなにあそびたいんならいっしょにあそんでやるよっ♪」

 うん、なぜかこっちから遊んで欲しいと言ったことになってる?しょうがないって言ってるが最後なんて周りに音符エフェクト飛んでるし、よほど遊んでもらえるのが嬉しいのかしょうがないの言葉と裏腹に体が嬉しさを表現している。

 親戚にいたな~こんな生意気な幼稚園児。

「それじゃおれかくれるからみつけられるもんならみつけてみなーっ。じゃなっ!」

 なんて考えている内に何時の間にやらかくれんぼが始まってしまったらしく、ダークフェアリーのノエル君は市場街に向かって飛んでいってしまった。

 始まってしまった物はしょうがないので【ダッシュ】スキルを使いつつノエル君の後を追って中央市場街に向かってぴょこぴょこと走り出した。


 中央市場街を探し始め数分後、道具屋と武器屋の間の路地に置かれていた樽の前に、こちらに背を向けてしゃがんでいるノエル君の姿を見つけた。通りから丸見えである。これって隠れているって言えるんだろうか・・・?

「ノエル君見っけ。」

と話しかけると「うひゃぅっ!?」と変な声を上げて飛び上がるノエル君。

「こんなにはやくみつけるなんて、やるなおまえっ!」

と、また僕をズビシッ!と指差して叫んでる。

「ちっくしょー、こんどはそーかんたんにはみつかってやらないもんね!」

と叫ぶと今度はモンスタータウンに向かって飛んで行ってしまった。

おいおいー、後何回やるんだよ…、とげんなりしながら【ダッシュ】を使いながら後を追いかける。

 あ、【スピードアップ】のレベル上がった。


 それから


 モンスターギルド内テーブルの下で

「くっくっく、ここならかんたんにはみつかr・・・ギャーッ!くっそー!つぎこそはっ」


 職人街金属鎧職人工房内の飾り鎧の中で

「ここならそとからみえないしみつけられないだろうふっふっふ。・・・くらいよーっせまいよーっこわいよーっ!」


 Gランク以上専用ホームタウンの花壇にて

「よしよし…、そのままとおりすぎてけっ、ふぇっふぇっ、ふぇっくしょーーん!・・・あ。」


 学園前噴水広場外縁のベンチにて

 「zzzZZZ・・・、zzzZZZ・・・。はっ!?いや、ねてないよ?つかれてねてたとかないからね?かくれるばしょかんがえていただけだよ!?」


 Hランク専用ホームタウン - モンスタータウン間の林の中にて

「ギャーーっ!おばけでたーーー!!!キャーっ!?シロっちきたーー!!!」


 などなどいろんなところ引きずり回されてようやくもとの噴水前に戻って来た訳だが、途中から既に日が落ち、夜となっている。24時を過ぎてしまったらしい。

 確認の為ステータス欄を開いてみると、器用さのバフはまだ切れていない。24時で切れる訳ではない事を確認した所でノエル君が喋りだした。

「もーどこにかくれてもかんたんにみつかっちゃうんだもんなー、もしかしてシロっちってかくれんぼのてんさい?!」

 いや、ありゃ隠れてるとは言えないと思うんですけどね?

「よし!おれシロっちのこときにいったからしゃていにしてやる!これからおれのことはのえるさまかのえるさんとよんでいいぞ!」

 えー、絶対に言いたくなーい。どうしよう、ここは適当に・・・

「舎弟は嫌だよ、折角友達になれたんだからノエルって呼んでいい?」

「え?と、ともだち?え、ええと…どうしようかな~?」

 うん、なんか好印象(?)ぽいぞ。後ろ向いて頭掻きながらもじもじしている。

「そう、友達友達。僕のこともシロと呼んでくれて構わないからさ」

と言うと、こっち振り向いてにぱーって感じの満面の笑みで

「うん、ともだちならしょうがないなー、ノエルでいいよっ!これからもよろしくねっ!」

といいながら僕を持ち上げぽーんぽーんと何度も投げ上げた。べちゃっといきそうで怖いです。

 僕からもこちらこそ宜しくねと言うとそこで『いっしょにかくれんぼしよーっ!クエストを完了しました』とシステムメッセージが流れた。

 ノエルと別れ(元気良くバイバーイと手を振ってた)、クエスト完了報告をしにモンスターギルドへ向かった。


 ギルドで完了報告し、取得経験値を【軟体】に振っておいた。

 予定していた時間も既に過ぎていたので、マイホームの紙くずを溶かしてからログアウトするかーと思いながらギルドから出て市場街へ向かおうと走り出そうとした時、遠くの道をぴょんぴょんと走ってゆくピンク色の塊が目に入った。

 プチスライムだ!ピンク色だから多分性別は♀だろうか。

 自分以外で始めてのプチスライムを見付けた事に湧き上がる興奮を抑えつつ、種族別モンスターハウスの並ぶ一角に向かうピンクのプチスライムさんを【ダッシュ】も使いつつ全力で追いかけた。

 が、途中で見失ってしまった。全力で走った僕よりなお早い速度でピンクのプチスライムさんは街並みの中に消えてしまった。

 なぜ種族別のモンスターハウスしかないこの一角で見失ったのだろうか?もしかしてあのスライムさんはスライムハウスに入っていったから見失ったのか?いや、きっとそうなんだろう。それ以外にここに来る理由がない。

 話をする事は出来なかったけど、自分以外にもプチスライムでプレイしている人がいるって分かったんだ。今日はそれでいいや。


 次こそは色々話が出来ればいいなと思いつつ、マイホームに紙くず掃除に向かうシロっちだった。

12/24 討伐クエとNPCクエの獲得QPの違いに矛盾があったため修正


ステータスにクエストポイントと所持金の情報追加

大事な所なのに忘れてましたorz


プレイヤー名 シロっち

種族【プチスライム】/サブ職業 無し

レベル3→5 ランクH (QP 1/20)←NEW!

HP 27/27 MP 16/16

所持金 803G ←NEW!

攻撃力 6

防御力 8

力 4→6

体力 6→8(+3)

知力 4→6

すばやさ 10→14(+5)

器用さ 5→7(+5)

魔力 4→5

運 6→8

ボーナスポイント 18

装備 武器:ナシ サブ:ナシ 装飾品1:ナシ 装飾品2:ナシ

特殊能力

アクティブスキル

【溶かす】Lv6

【体当たり】Lv3


パッシブスキル

【軟体】Lv4


習得スキル

アクティブスキル

【ダッシュ】Lv8


パッシブスキル

【スピードアップ】Lv7

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