011 2日目:NPCクエ三昧①
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夕飯も食べた。風呂にも入って歯磨きもした。あとは寝るだけの状態になり、僕はまたログインした。
今回はログアウト予定の0時まで2時間ちょっとしかない為、フィールドには出ないで街クエの確認の予定だ。
ログイン後、ホームの紙くずを溶かし、外に出る。
まずはもう一回ノエルに挑戦だ。【スピードアップ】や【ダッシュ】のスキルレベルも上がっているから今度こそ捕まえられるはずだ。
「それじゃよーいどんっ!」
結果は惜敗だった。あとちょっとだったのに・・・チクショウ!
気を取り直して糸を欲しがっていたフェアリーがいる道具屋のある中央市場街まで移動した。
街を見回してみると昨日より明らかにプレイヤーの数が少なくなっている。二日目にして既に次の街に移動でもしたんだろうか?
道具屋に到着し、カウンター前にいるフェアリーのフィリスに話しかける。
「こんにちわー。」
「こんにちわ、どう?糸は集めてくれた?」
「うん、集めてきたよ。10個でいいんだよね?」
「きゃ~ありがとう!もー芋虫なんて見るだけで寒気が走るんだもん、触るのなんて尚更イヤよ。それでもマスターが裁縫師だから糸はどれだけあっても足りないくらいで困ってたの。ほんっとーにありがとう!またよろしくね?」
こちらこそ宜しくーと言った所で『糸を集めて頂戴 クエストを完了しました』とシステムメッセージが流れる。
再度話しかけてみるとこっちに気付いている様子も無く「ハァ~、糸・・・糸か・・・。」とつぶやいている。きっとまたクエストが出ているに違いない。
道具屋を出てギルドに向かう。街に人が少なくなった事と、自身が素早くなった事で蹴られることも無くモンスターギルドに移動する事が出来た。
早速いつものフェアリーさんの所で受付し、NPCクエと完了していた討伐クエも一緒に完了報告をする。QPも一気に14にまで増えた。
討伐クエはミニスライム、グリーンワーム、ゴブリンの三つで合わせて150G。スキル経験値は三つ分プラスNPCクエ分全て【軟体】につぎ込んだらスキルレベルが一つ上がった。よしっ。
そして次のクエストを何にしようか一覧を覗き込む。時間もあまり無いのでなるべく戦闘は回避の方向で行こうと思う。
『ゴブリン討伐に一緒に行ける方募集 byマイク(グリーンキャタピラ)』
『もっと糸が欲しいのよーっ! byフィリス:フェアリー』
『薪を一束持ってきてくれ byボルク:コボルド』
『薬草が10枚欲しいニャ byフェリシー:ケットシー』
『ワレハ朝露ヲヒツヨウトス byヘンリー:ゴースト』
『スライムの核が欲しいの byフレイ:炎の下級精霊』
『代理配達人急募 byサンダー:リトルホーク』
やはりフィリスの新しいクエストが増えているが、どうやらまた糸集めのようだ。
とりあえず手持ちのアイテムで消化できそうなクエスト(『薬草~』と『スライムの核~』の二つ)を受注し、あとは適当に『薪を~』ともう一度フィリスの『もっと糸~』のクエストを受注してギルドを後にした。
まずは薬草のクエストだ。Gランク以上専用ホームタウンに向かって移動する。もちろん【ダッシュ】のレベル上げも忘れない。ホームタウンエリアに移動してすぐの所にお目当てのケットシーを見つけた。スラッとした細身の体型に、体毛は黒、白、茶に分かれた三毛猫模様。か・・・かわいい!
「ニャニャ?クエストを受けてきてくれたのかニャ?我輩はフェリシーと言うニャ。マスターがGランクにランクアップしてやっと薬剤師として調合が出来るようになったのニャ。それで早速ポーションを調合しようと思ったらしいんニャけど素材が不足していたそうなのニャ…。ニャので薬草を手に入れてくるように命令を受けたんニャけど、薬草を手に入れるにはムツ平原の草地の中にランダムに存在する採取ポイントを探し出さないといけないのニャ。採取ポイント見つけるのが面ど…いやいや、大変ニャので手伝って欲しいのニャ~。」
うん、結構いい性格していそう。
いやそれより、こんな所で薬草の採取ポイントの情報をゲットできるとは。NPCクエはほとんど皆やらないらしいし、気付いている人は少ないんじゃなかろうか?まぁそれはそれとして、さっさとクエストを終わらせてしまおう。
「もう持ってますよ。はい薬草10枚。」
「ニャニャ!?もう手に入れてきたのニャ!?一緒に探しに行こうと思っていたんニャけど手間が省けたニャ~♪」
「ん?一緒にって、フィールドまで僕と一緒に行って採取をするって事?」
「そうニャ。元々は我輩がマスターから命令された事なのニャ。お願いするだけじゃ申し訳ないのニャ。一緒に採取ポイントを探して薬草採取をするところだったのニャ。もちろん戦闘もこなせるニャよ?」
そう言うと、指先から鋭い爪を出し入れしたりシャドーボクシングをしたり、戦える事をアピールしてくる。なかなかに素早い動きである。さすが猫。
「あー残念。一緒にフィールドで探索とかすごく楽しそうなのに。すぐ持って来なければ良かったな~。」
「ニャ?!いやいや、すぐに薬草貰えてとても助かったのニャ!我輩のマスターもきっと大喜びなのニャ!多分またすぐ薬草が必要になると思うからその時こそ一緒に採取しに行くのニャ♪」
「うん、じゃあ次があったらよろしくね!」
きっとすぐに次のクエストが出るに違いない。
フェリシーと別れ、次の目的地へと向かう。
お次は『スライムの核』を欲しがっている炎の下級精霊フレイがいる職人街だ。
僕は職人街へ移動する。もちろん【ダッシュ】も使いつつだ。
移動に関しては【スピードアップ】や【ダッシュ】のスキルレベルも順調に上がり、序盤にしてはであるが結構な速度が出ていると思うんだけど、それでもまだまだノエルを捕まえる事も出来て無いし、それに昨日見たピンクのスライムさんの移動速度に比べると全然ダメダメだ。これ以上移動スピードを上げる為にはなにが必要になるんだろう?習得可能スキルの一覧を見ても、これ以上スピードを上げる為のスキルは無い様に思えた。
移動速度の考察をしつつも職人街へと到着した。フレイがいるはずの錬金術工房へと向かう。
「あなたの核・・・ちょうだい?」
いきなり何言い出すのこの人っ!?
ビクッとして少しずつ後ずさる。
「フフ、冗談よ。」
と言って意地悪な微笑みを浮かべている。
炎の下級精霊のフレイさん。精霊独特のヒラヒラした衣装に炎の精霊らしいウェーブのかかった燃えるようなオレンジ色のショートカットに真っ赤な瞳をして地上50cm程の高さに浮いている。
位置関係から見えてもよさそうだけどぎりぎり見えない仕様のようだ。
え?何がって?口が裂けても言えないな!(キリッ
「クエストを受けてくれたのよね?私が必要としているのはスライムの核10個よ。中々出ないアイテムだから頑張って取ってきて頂戴な。」
ほっ、何とか手持ちで間に合う数だ。
「10個なら手持ちで間に合います。これどうぞ。」
「あらありがとう。見かけによらず優秀なのね。」
言われてすぐにアイテムを渡したら少しびっくりした表情をしてこちらを見ている。
「うふふふ、こんなに早く貰えるとは思わなかったわ。御礼にいい事教えてあげる。」
そう言うとフレイさんは内緒話をするように僕の耳があると思われる場所に口を近付けて来たが、フレイさんそこは顔の正面です。
「私のマスターの研究結果なんだけど。スライムはね、同族の核を吸収、同化することで力を増して強くなる事ができるらしいわ。実際には【溶かす】スキルを核に使う事により消化吸収を行うことができるそうよ。」
「?!まじですかっ?」
「ええ、ほんとはまだ内緒なんだけど、核を早く持ってきてくれたし私も助かっちゃったから特別よ?もしまだ核を持っているのなら試してみなさいな。」
言われるがままに、残っていた核をとりあえず一個だけ床に置き、【溶かす】スキルを使ってみた。
「おお~、これは・・・。」
通常【溶かす】を使用した対象は体内、もしくは触れていた場所から溶けてなくなるグラフィックをしているが、溶かされた核からは徐々に光が溢れ出し、その光が僕の核に吸い込まれるように消えて行った。
早速強くなれたかステータスを開いて確認してみると、パラメータに変化は見られなかったがその代わりにレベル表示の下に新たな項目が追加されていた。
核吸収強化(1/500)
…えぇ~。タダでさえ手に入り辛いのに500個必要て・・・500個必要て!
「そうそう、核吸収で強くなるためには一定の数を吸収しないと効果は現れないらしいわよ?」
「そういう情報は先に言ってくれっ!」
ずーんと落ち込んでいた僕に、くすくすと笑いながらフレイさんは「忘れていたわ!」て様子で重要な事をさらりと言った。その表情から察するに忘れていたんじゃなくて絶対確信犯だこれ。
とりあえずクエストも終わり、貴重な情報もゲットできた事だしフレイさんにお礼を言ってその場を離れた。もちろん残っていたスライムの核も吸収しておいた。