5時間目【お姉ちゃん】
「ただいま〜(≧∇≦)」
と元気の良い声を出すのは、カレーライスが大好きな翔太君。
するとリビングから、
「おかえりなさ〜い」
と聞こえた。
「お姉ちゃん?」
翔太は、無邪気にニコリと笑い、ランドセルをその場に置いて走った。
〈バタンッーーー!〉
勢い良く開けられた木製のドアは、壁に当たった。
「お姉ちゃん、昨日は寂しかったよ(;_;)」
瞳は、ウルウルしている。
「寂しい思いをさして、ゴメンね。昨日は、新製品の会議が長引いちゃって、帰れなかったの」
リビングにいたのは、翔太の姉の涼子。僅か22歳という若さで、会社の社長なのだ。
「昨日はお兄ちゃんも帰ってこなかったし、僕一人だけで、心細かったんだから(>∧<;)!!」
翔太は、ソファーに座っている涼子のもとへゆっくり歩くと、涼子の隣に座った。
「よしよし。小学生である君を、一人にしてゴメンね。でもね、君は男の子だから、コレぐらいの事で泣いちゃいけないよ」
涼子は、翔太の頭を優しく撫でている。
「だって…泥棒とか入ってきたら、どうしよう?って思って…(;_;)」
涙が、零れた。
「恐かったんだもん!お姉ちゃんと、お兄ちゃんはいつまで待っても帰ってこないし!(>_<)」
………………………………
「頑張ったね」
涼子は、翔太を抱き締めた。
「お姉ちゃん!」
翔太は、笑顔になった。
「翔太が笑顔になった事だし、そろそろ着替えていいかな?私の体は、子供には刺激が強すぎるしね」
そんな彼女は、下着姿。 しかも、刺激が強い…。
「台無しだよ…お姉ちゃん…」
力ない声だった。