46時間目【TSUDAYA-ドキがムネムネ-】
自動ドアが開いて、お客様は店内へと入る。
中年の男性、中年の女性、ハンカチで首を拭くオバサン、タオルで顔中を拭くオッサン等様々な年代の人が、TSUDAYAにはいます。
ーー様々(・・?)
四十歳ぐらいから五十歳の半ばぐらいまでの年齢のお客様バカリじゃないか!
そんな、加齢臭が臭ってきそうなTSUDAYA天上天下町店に、ランドセルを背負った小学生の男の子と女の子が手を繋ぎながらやってきました!
「雫ちゃん。掌にある蚊がさしたアトが恥ずかしいからって何で手を繋ぐの?」
「モハメド・アリ」
何だか我輩の少年時代を思い出しますなぁ〜。あの頃は今よりは若かった!和歌勝った!ーーギャハハハハ俺おもしれー(^Q^)/^
「……会話になってないけど、そこらへんは気にしないでおくね」
「アリtoキリギリス」
そーいえば我輩は、猫じゃないからな!コレだけは間違っちゃイケないんだ。そこんとこしっかり覚えといてね!分かったかい?
【そこのお前!真面目にやれ( ̄□ ̄;)!!】
ーーと言われたので、メジマにやります(わぁ〜何だか業界用語っぽい♪)
一階-少年・少女漫画-
「翔太君何か買うの?」
相変わらずキュートな雫は、ニコリと笑った。
「うん!今日発売の“茶道先生お茶目!”を」
相変わらず英語が話せない翔太は、笑った。
「ふーん。茶道の先生お茶目なんだ?」
「最高にお茶目だよ」
━━━━━━━━━━━━週間少年マガヅン連載中!『茶道先生お茶目!』
一巻〜十六巻発売中。
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「今日って何日だっけ?」
「今日?ちょっと待ってね、今携帯で見るから」
翔太は雫の為に、ランドセルから携帯電話を取り出した。しかし、
「雫ちゃん今日はーー」
振り向くとソコには、雫の姿はなかった。
「アレ?雫ちゃん何処に行ったんだ……」
辺りをキョロキョロキョロと見回す翔太、しかし雫の姿はない。
「雫ちゃん……」
その頃雫はーー。
「だからさぁ、あの男の子は彼氏とかそーいうのじゃなくってさ」
「俺はお前が心配なんだよ。変な男に騙されて、金を貢いでしまったらどうするんだ?」
雫は、背の高い今時の若者って感じがする男と二階のベンチに座っていた。
「私はまだ小学生だよ。彼も小学生ですよ」
「そんな甘い考えじゃ社会から取り残されてしまうぞ!いいか雫、外に出れば信じられるのは己だけだ」
何だか意味不明な事を言ってる、この背の高い今時の若者って感じがする奴は誰だ?
「お兄ちゃんはいつも考えすぎだよ。だから、彼女が四人もできるんだよ」
「四人じゃない!五人だ」
何人でもいーけど、背の高い(略)は雫のお兄ちゃんだったんですか。
「……私、翔太君のところに戻るから」
彼女が五人もいるお兄ちゃんに呆れた雫は、一階へと走った。
ミ(/>∧<)/
「グスッ…グスッ…」
ウルウル瞳からは、涙がでていました。
「し、雫ちゃん!」
突然の事で驚いた翔太は、とりあえず雫を落ち着かせようと、手を繋ぎました。
「ベンチに座ろうね」
「うん」
その様子を背の高い(略)が、見ています。そして、
「馴れ馴れしく手なんか繋ぎやがって!俺の妹になんて事するだ( ̄□ ̄;)!!」
他のお客様なんて関係ねーよって感じで、叫んでいます。
「ーーきっと雫ちゃんは、悪者にいたずらされたんだ。だから、雫ちゃんは泣いていたんだ。僕がちゃんとまもらなかったから、雫ちゃんはヒドイ目にあったんだ」
翔太の瞳からは、涙がでています。
「翔太君……」
「女の子一人も守れないなんて、僕なんて最低だよ!最悪だよ!」
泣き叫んでいます。
「……」
雫は、自分の為にこまで思ってくれている事が嬉しくて何も言えませんでした。
「グスッ…グスッ…」
泣き崩れました。
その様子を背の高い(略)が、見ています。そして、
「俺は彼になんてヒドイ事を言ってしまったんだ!雫の事を思って泣いている彼は素晴らしいよ!何だか、ドキがムネムネするよ」
泣き崩れた。
ーー二人の恋は、知らず知らずに始まっていた。
意識をしていなくてもドキドキするこの感覚は一体何?そう思っている内に、赤い糸で結ばれるかも。