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45時間目【メイド喫茶】

静かな教室に、燃えよドラゴンのメロディーが鳴り響く。そろそろこの着メロにも飽きてきたし、変えようかな〜(^ε^)


「えーっと……」


━━━━━━━━━━━━From 渡辺雫。

Subject Re:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2


準備出来たよ〜\(^O^)/早くきてね!

━━━━━━━━━━━━


何でこんなにも返信が多いのかなぁ。新規メール作成してよ(*_*)


「さてと」


着メロを、燃えよドラゴン→刑事コロンボ(ミステリー・ムーヴィーのテーマ)に変えたし、部室に行きますかぁ〜。



ーーこの時はまだ、何も知らなかった。久しぶりの梓部の活動がこんなにもオタな事を!



日当たり最悪♪薄暗くて最悪♪の北校舎に、梓部はあった。主な活動は、一人前のオタになる為に日夜努力する事である。

果たして日夜努力して一人前のオタになれるのか……ってか、なろうとしてなるモノじゃないと僕は思います。気付いたらでしょう。


【梓部】


そう書かれたネームプレートは、多分僕達(梓、雫、翔太)しか見ないだろう。


「って思ってる事は、部長には言えないね」


〈ガラガラ〉


ドアを開けると、そこには秋葉原で良く見る光景が広がっていた。


『お帰りなさいませ、ご主人様m(__)m』


梓部の部長と副部長は、メイドさんの格好をして頭を下げている。

でも雫ちゃん、ソレは頭を下げすぎだよ!土下座に近いと思うよ!


「あの。僕は何をすれば良いの?こーいうトコロ初めてだから、何も分からなくて……」


何故かドキドキします。

ムラムラはしませんよ。


「とりあえず、そこの椅子に座って待っててくださーい(*^_^*)」


部長の梓は、キッチンの方へ歩いていった。

今思ったけど、キッチンあるしお風呂あるしベッドあるし、部室に住めちゃうよね(笑)誰だったか名前忘れたけど、部室に住んでる先生がいたと思う。


「ご主人様?

“パンの中身は何でしょう-給食の定番と言えばコッペパン-セット”が完成するまで雫と遊びませんか」


ウルウルした瞳の雫ちゃんは、何故か小声で話す。

お客様に聞こえるように、ハッキリとした声で話した方が良いんだけどな。


「何して遊ぶの?」


「この“メイドさんと楽しく遊ぶ事が書かれたメニュー”から、好きなお遊びを選んで下さいませ」


何だか長いメニュー名だけど、触れないでおこう。


━━━━━━━━━━━━メイドさんと楽しく遊ぶ事が書かれたメニュー↓

・燃え燃えジャンケン。

・燃え燃え王様ゲーム。

・燃え燃えトーク。

・燃え燃え写真撮影。

━━━━━━━━━━━━


……燃えじゃなくて萌え。コレって、よく使われるネタだよね( -_-)


「全部熱そうだからやめとくよ。ゴメン」


「そうだよね。熱そうだよね。しかもこのメニュー、ファミリーレストラン晩餐会の物だし」


返さないとね(^-^)



その時、

「お待たせ致しました。ご主人様がご注文致しました、“パンの中身は何でしょう-給食の定番と言えばコッペパン-セット”でゴザイマス。お熱いですので、お気を付けてお召し上がりください」

と丁寧に言う梓。



「うん。お気を付けてお召し上がるよ(v^ー^)」

ネーミングがかなり気になるけど、気にしてたら前に進めないから何があっても我慢しよう。

「じゃあ、梓が食べさせてあげますね♪これはサービスですので、お金はかかりませんよ(ゝω・*)」

ウィンクをしながら、お皿から一つコッペパンを掴み、食べやすいようにちぎらないでそのまま口に押し込む。

「んあがぁん

(和訳:コレ何?ネバネバしてて、朝ご飯に食べそうな感じがして、外人があまり好まない食べ物は)」


中身は納豆だった。


「じやぁね〜次はコレを食べてください(^o^;」

雫ちゃんは、お皿から一つコッペパンを掴み、食べやすいようにちぎって僕の口に押し込む。

「んごんご

(和訳:コレ何?噛み続けると歯と顎が良くなりそうで、ビンボーさんはコレで空腹を満たしていそうで、キシリトール+ハイドロキシアパタイトが入っていそうな口の中で噛んで味わうお菓子は)」


中身はガムだった。


「ご主人様、とても美味しそうに食べますね」

「それでは、どんどん口に押し込みます。覚悟はよろしいでしょうか?」

雫ちゃんと梓ちゃんのメイドさんのおかげで、口の中はパンの運動会やぁ〜。


「多分美味しいけど、口の中のパン達が騎馬戦を始めたから、途中参加はできないよ!だから、押し込まないでね」

僕は何を言ってるんだ?


「えっ!騎馬戦してるの」

驚く雫ちゃん。

「騎馬戦じゃ、仕方ないよね……(-_-)」

元気を無くした梓ちゃん。


二人は僕がパンを食べないと思って、悲しんでるのかなぁ?女の子を悲しませるわけにはイカないし、乱入も有りにしよう!


「大変だぁ( ̄□ ̄;)!!

納豆パンが残り少ないよ!誰か、納豆パンを助けてやって頂けませんか?」

僕は、二人のメイドさんに向かって叫んだ。



すると二人は、



「そろそろ帰らないと、ママが心配するかも」

「じゃあ今日は解散!部長の梓は、家に帰ってブログの更新があるので」



帰る準備を始めた。



「片付けはどうするの?僕は家に帰って、洗濯物を取り込まなきゃイケないんだけどさ……」

恐る恐る聞いてみる。

二人から何かを感じたから。恐くなって。


『夜露死苦』



「えっ、ちょっとーー」


そして僕は一人取り残された。




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