40時間目【保健室】
奴等のせいで頭に激痛が走った翔太は、保健委員と一緒に保健室へと急ぐ。
「大丈夫?おんぶできないかもしれないけど、保健委員として頑張ろうか?」
彼は、5-1で一番背が低い。ニックネームはミクロマンだ。本名は知らない。
「大丈夫だよ。おんぶできないかもしれないって分かっていながら、保健委員として役目を果たそうとする君の熱意は伝わったよ」
こんな事言ってるけど、正直辛いんだよね( -_-)
【保健室】
二人の視界に、保健室と書かれた真っ白なプレートが入る。翔太は早くベッドで寝たいので、歩を早める。そして、保健室のドアを開けようと手を伸ばした。
その時、後ろへ引っ張られた。
「保健の先生には気を付けてね。下手すると、病状が悪化するからさ」
ミクロマンの目は真剣だ。でも、彼の言ってる事はよくわからない。何で下手すると病状が悪化するんだろう?
「うん、気を付けるよ。ありがとうね(^-^)」
〈ガチャッ〉
「……無事を祈ろう」
ミクロマンは、呟いた。
♪
天上天下小学校の保健室に入ったのは初めての翔太は、あたりをキョロキョロ見回している。
「保健の先生……いないなぁ」
そう思いながら目線を前にすると、カーテンを閉めているベッドがあった。ひょっとしと保健の先生は寝てるのかなぁ?と思い、カーテンを開ける。そこには、
「zz……zz……」
白衣の格好でスヤスヤと寝息をたてて眠っている保健の先生がいた。
「どうしよう(?_?)」
保健の先生を、起こすか起こさないべきかを悩んでいる。私は起こした方が良いと思うよ、だって君は頭が痛いんだから授業中に保健室へ来たわけでしょ?だから、保健の先生を起こして悪いところを見てもらった方が良いんじゃないのかな?
「……そーだね」
「zz……zz……」
起きる気配が全く無い保健の先生は寝返りを打った。
「せんせー!起きて下さーい(ノ≧▽≦)ノ」
頭が痛いのを忘れて騒ぎだす。
「ん……?」
起キタ━━(゜∀゜)━━!!!!!!
「あら、患者?ゴメンね、昨日ナースのお仕事の観月ありさの行動を見習おうとして、夜遅くまで録画したテープを見てメモっていたの。だから眠くて」
彼女は今年天上天下小学校に来た、土屋美央先生。年齢は分からないが、まだ20代前半だろう。因みに、天上天下小学校人気先生ランキングで、一位に輝いた。
「新しい白衣に着替えるから、ちょっと待っててね」
美央先生はそう言うと、翔太の目の前で着替え始めた。
その時、
〈ガチャッ〉
擦り傷をつくった女子生徒が、泣きながら保健室に入ってきた。
しかしーーーー
「今着替えてるか、ソコに座って待っててね〜」
美央先生の言葉は女子生徒の耳には入らず、翔太を見てイキナリ怒鳴った。
「えっちー(>_<)」
そして、女子生徒は泣きながら走っていった。
翌日から翔太は、エロテロリストというあだ名になったのは仕方ないーー。