22時間目【ラジオ体操】
今日から夏休み!
気分は7月21日です!
「お姉ちゃ〜ん。朝ご飯まだ〜?」
夏休みだというのに、翔太はいつも通り7時に起床。 目を右手で擦り、リビングのドアを開けた。しかし、
シーン…
リビングには誰もいなくて、冷房を付けていないこの部屋は暑いだけだった。
「暑い…この暑さはまるで、BW・砂漠気候のようだ」
翔太君の例えは正しいのか分からないが、それぐらいアチィ〜って事だ。
「お姉ちゃんとお兄ちゃん、まだ寝てんのかよ…。夏休みだからって、ダラダラしやがって!」
姉と兄にイラッときたので、麦茶が入っているペットボトルにマスタードを入れた、ちょい悪小学生。
「(^ш^)v」
-一石二鳥公園-
ここは、市民の憩いの場。ここは、市民の癒しの場。
何故一石二鳥という単語が付いたのかは誰にも知らないが、この公園は皆に愛されているのだ。
「なになに…ラジオ体操に毎日参加したチョ〜偉いお子様には、誰が見てもカツラだってわかっちゃうカツラを彼此数十年も付けちゃってる市長から、皆勤賞として世界半周ペアチケットを何と一組2名様にプレゼント!…(゜_゜)(。_。)」
コレ本当ですか?
翔太は目をキラキラさせながら、オバサンに問う。
「本当よ。因みに、カツラの事も本当よ」
オバサンは、子供会を手伝っている近所のオバサン。彼女は子供の事が大好きで、学校の行事にはかなりの出現率で現われる事で有名な、アンジェリーナ・ジョリーさん(仮名)。
「じゃあ、世界半周目指して今日から頑張る!」
朝から元気イッパイだ。
「私の体操に、ついてこれるのかしらね〜(^-^)」
-体操開始!-
眠そうな顔をした子供たちが、青空の下ラジオ体操に励む。
「じゃあ、ラジオ体操開始ね♪最後までちゃんとできたら、シール貼るからね」
そう言って、オバサンはラジカセを操作した。
…
……
………
…………σ*・ω・)σyo!
ラジカセから、yo!という予想外の単語が聞こえてきた。しかも、大音量で。
「さあ、皆が大好きなラップyo!リズムに合わせて踊りまくるわyo!」
オバサンはノリノリだ。
右手をね!左手をね!グルグル回してハリケ〜ン!
『ハリケ〜ン(恥)』
空見上げ!地面見て!正面向いてヨロ乳首!
『ヨロ乳首(恥)』
目を瞑り!目を開けて!連続瞬き挑戦中!
『挑戦中(恥)』
-体操終了-
「あらまぁ。最後まで残った人は、一人もいないの?貴方達…若いのに体力無いわね〜ヾ(・д・`)」
オバサンはぽっちゃりとした体系で、まだまだ身軽に踊っている。
「何だか疲れた…:翔太」
日陰のベンチに座り、元気無く呟いた。