21時間目【俳句/盛夏】
総合学習の授業は毎週勉強する事柄が違うので、生徒達に評判なのだ。
「今回の総合学習は五・七・五でお馴染みの、俳句をやってみたいと思いまーすo(^▽^o)」
「俳句ヤダ〜」
「年寄りみたいだよ!」
「つまんない…」
どうやら、小学生の少年少女には不評のようだ。
「何?その態度…貴方達は、それでも日本人なの?日本人なら、俳句の素晴らしさを理解できるでしょ?理解できない奴は、二度と町を歩けなくしてやろうかしら(`´)」
どうやら、松下先生の機嫌が悪くなってきたようだ。
すると生徒達は、
「ビバ俳句(*^▽^)」
「早くやろうよ〜」
「俳句は素晴らしいね!」
急にやる気を出した。
「皆が興味を示したところで、簡単に俳句の説明をするわね」
━━━━━━━━━━━━俳句とは…五・七・五の三句、十七音でできている短い詩。
季語を入れるのが原則。
俳諧連歌の発句が独立したもの。俳諧。
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(。・▽・)/
( つ つ
「簡単でしょ?じゃあ、早速考えてみてネ」
松下先生は教師用の机に戻り、雑誌を読み始めた。
-考え中…-
「季語っていうのは、季節の感じをあらわすために、とくに定めてられている言葉だよね?:翔太」
「そうだよ。例えば、菜の花とか向日葵とかかなぁ〜:雫」「季節っぽい単語を、一つ入れたらいーのか:祐介」
「俳句って、国語の授業にしたら良くない?:梓」
〈Time Up (o;_ω_)o〉
「それでは盛夏にピッタリな俳句を、皆一斉に黒板に書いて下さ〜い」
混雑するだけだろう!
-俳句発表!-
「全員の作品を見てる時間は無いから、一部だけ紹介しますね〜o(^-^)o」
向日葵が お日様浴びて 笑ってる (作:愛川翔太)
切ないね 線香花火 落ちる時 (作:渡辺雫)
スイカ割り 一人ですると 淋しいよ (作:徳川祐介)
暑いから 家にこもるよ 夏休み (作:里村梓)
「皆上手ね〜。でも、私の作品と比べたら下手だけどね〜*'ー'*」
松下先生は、自信満々に言った。
「先生の俳句見せて!」
「早く黒板に書いてよ!」
ガヤガヤと騒ぎだす生徒達。
「静かにしなさい!コレが、私の素晴らしい俳句よ」
夏祭り 今年も一人 彼氏いない (作:松下結香)
この後、5年1組の教室は涼しくなったような感じがしたとかしないとか…。