10時間目【暇つぶし】
今日は土曜日。
翔太にとっては、転校してきて初めての休日。
しかし、
「お姉ちゃんは仕事で疲れて寝てるし、お兄ちゃんは遊び疲れて寝てるし…。休みだってのに、何処にも連れてってくれないよ!」
何処にも遊びに行けないみたいだ。
♪
翔太は暇つぶしに、愛犬のクロワッサン(ミニチュアダックスフンド)と遊ぼうと思ったが、いくら捜しても見つからない。
捜し始めて30分、漸くクロワッサン(♂)を発見! しかし、
「zz…」
幸せそうな顔をして、ベランダで寝ていた。
しかも、大の字で!
「暖かな陽光に当たれば、そりゃ幸せだろう…」
翔太は、クロワッサンの寝顔がムカついたので、ベランダの戸を閉めて鍵をかけた。
♪
何もする事が無くなった翔太は、キッチンへと向かう。
キッチンに着いた途端調味料置場から、ありとあらゆる調味料をテーブルの上に置いた。
そして、冷蔵庫からもありとあらゆる飲み物を取出し、テーブルの上に。
一体、何を始める気だ?
「緑茶と醤油を混ぜたら、どんな味になるんだろう?」
どうやら、新しい飲み物の開発(?)をしているようだ。しかも、慣れた手つき(?)で飲み物を混ぜている。もしかして、頻繁に開発を行なっているのか?
♪
時計の針が3時を過ぎた時、開発は終わった。
「よし!次だo(^-^)o」
と気合いを入れて、トレーニングルームへ走る。
トレーニングルーム到着!
トレーニングルームに来た目的は、サンドバックを殴って日頃のストレスを解消するためだ。
「まずイッパーツ!」
(つ´∀`)=⊃
サンドバックは、大きく揺れる。
「打倒!亀〇!!」
(つ´∀`)=⊃
サンドバックは、くの次に曲がる。
「負けるもんかぁ〜!!」
(つ´∀`)=⊃
サンドバックは、空間を舞った。
床に落ちたサンドバックに向かって一言、
「サンドバック…お前は弱い。出直してこい!」
そう告げて、翔太は去っていた。
♪
夜になり、姉と兄はやっと起床。
「翔太、おはよう」
「ご飯食べにいこうぜ〜」
翔太の部屋に入ってきた二人は、翔太を外食に連れてって機嫌をなおそうという、作戦だ。
「(-_-)zz」
しかし翔太は、寝ていた。二人はこの様子をみて、静かに部屋を出た。
「明日は、何処かに連れてってあげましょう」
「そうだな。明日に備えて、もう寝るか?」