第十三話 沼
眼球を豪快に刺され、そこらから噴水のようにして血を噴き出すサイクロプスを見ながら、やっと息をつけられたことに肩から力を抜いた。
最後の悪あがきで危ない場面が見えたが、どうにかすることが出来て結構。無論あの大きな棍棒を斬撃で弾き飛ばそうとした時は少々手と腕が痺れたが。
ふと、手に持っている大剣がまた壊れてやいないかと目を通したが、どうやら金貨十枚のアーティファクトは伊達ではないらしい――――俺の全力に耐えられるかどうかと言えば、少々心許ないが。
どちらにしてもこの現状で得物を壊そうものなら目も当てられない。
「ディンッ! 大丈夫?」
「問題ない。リリィも、よくやったな」
「え? あ、ああ……まぁ、ね」
誰よりも真っ先に声を掛けながら近づいてきたリリィを労えば、どこか気恥かしそうに頭を掻きながら声をどもらせてみせた。
その様がどうにもいじらしいものであり、此方も顔がにやけてしまいそうな心地になる。確かな激闘の果て、その勝利。それはやはり気分がいいものだ。
「……ま、ボチボチってやつだな」
いくら戦闘が終わったとはいえその直後にはすでにだらけきって欠伸を掻いているベダール殿に呆れつつも、他の皆に目を向ける。胸に手を当てほっと息を付くローズ嬢に、遠くで助けた少女の様子を看ているジャン副隊長。皆無事で何よりだ。
あとはさっさとこの場からあの少女を連れて離れるのがベターかもしれんが……やはり生き残りを探した方がいいのだろうか?
正直なところすぐ近くにダークストーカーの軍勢が近づいている状態でここに長居することは好ましくない。本能と狂気で生きているような奴らが、サイクロプスの撃破に釣られて集まらないとは限らないだろう。
「副隊長! 指示をお願いします」
「……ちょっと待って」
声を上げてジャン副隊長に声をかけてみれば、顔を上げぬままにこちらを手で制し、何やらずっと少女の方を見下ろしていた。
何があったのかと全員で近づいてみれば、どうやら少女の目が覚めそうだったらしく、地面に横たえられた少女が身体を揺らして閉じられた瞼を震わせていた。
リリィの治癒魔法の影響か所々に見られた擦り傷も見当たらず、破れた衣服の隙間からは健康的な素肌が見え隠れしている。顔にある疲れたような様子だけは未だ、ではあったが。
さすがに地獄に一人取り残された精神的ショックは大きいのだろうか。
「ん……んんっ……」
「意識が戻ったか?」
一人の少女を五人が……いや、興味なさ気なベダール殿以外が囲んでいる光景は何だかおかしい気もしたが、少女が身を捩りながら身体を起こしたことに少しだけ息を吐いた。
傍にいたジャン副隊長の手を借りて上半身を起こした少女はしばしその瞳を開閉させると、何かに怯えたようにして身を抱きながら後ずさった。
「ひっ……」
「あー、大丈夫、大丈夫だって。僕たちは砦からきた救援隊だよ。まぁ、五人だけどね」
「あ、え、と……ごめんなさい」
徐々に冷静さを取り戻しながらも、と言ってもその瞳が浮かべる震えと痛ましい隈をうかべる彼女に心が安らんだ気配はない。
絶えず周りを気にするようにして視線を右往左往させ、此方の言葉にもあやふやなままに質問に答えていく。いつからこうなったのか、他に生き残りはいないのか――――この村を投げ出した駐屯兵達についてなど。
数時間ほど前に砦へ走り込んできた男よりも遥かに呂律の回る少女に驚きつつも……いや、助けられればこうも心は落ち着くか。
そんなこんなで情報を整理すれば、どうやらダークストーカー達は昨日の日暮れと共に山の麓より暴虐の限りを尽くし、村人たちは抗う隙なく虐殺されたとのこと。
初めから期待は出来なかったが、彼女がこの村最後の生き残りであり、ひょっとすれば砦に来た男の様に外へ逃げ出した可能性もあるが行方は知れず。
駐屯兵に関しては――――少々厄介なことになった。
「国の騎士が?」
「は、はい。国の者かどうかは分からないのですが、白銀の鎧はあまりこのような村では見られない物でしたかと。数日前に村の有権者と兵たちの間で何か話をされていたようです」
「…………えっと、領主って確かカラトリア子爵だっけ?」
リリィが此方に聞いてくるが、俺がそんな類の話に明るいわけもない。
首を一度傾けてジャン副隊長とローズ嬢に視線を向ければ、副隊長は顎に手を当ててしばし考え込み、ローズ嬢はわなわなと肩を震わせていた。
分からんでもない、気がする。もしもこの村の放棄に国の騎士が関わっていると言うのならそれはすなわち。
「これも王位に就くための布石だと? …………許せませんわ」
「だとしても何の意味があるのさ。村を襲わせる意味なんて。そもそも……ちゃんと兵が動いていれば村自体は見捨てるはずだったんでしょ?」
「さあな。むしろこの村に人を残させることでダークストーカー達の歩みを遅めるとなれば話は通じるが……大した時間稼ぎにもならん」
「軍を整えるための生贄に差し出したとでも言うのですか!?」
「落ち着け、ローズ嬢」
きっ、と此方を睨みつけるようにして怒りを露わにする彼女ではあるが、怒りの矛先を俺に向けられても困る。
そもそもカラトリアなる領主に関する情報は少ないが、管理者でありながらもフィンロード卿に砦の管轄を丸投げし逃げ出したことや、その癖にダークストーカーとの決戦の地に此処を差し出したと言う噂などどうにも仄暗いものが多い。
確かにローズ嬢の言う通り王位関係に関する裏金などの匂いがするのは同意だが……村を餌にして兵たちを撤退させるメリットは何だ?
「それに良く考えたらさ、もう二人の王子の布陣は整ってるんでしょ? 距離的に考えたら、えーっと……ウォーヴァン様の部隊に助けを求めた方が早かった気が」
――――それぞれの現在位置を纏めてみよう。
ダークストーカーが軍勢を纏めている場所を北の基点として、リヴァン、ウォーヴァン、そしてサフタム砦の場所は扇形に位置するといっても過言ではない。いや、むしろ船の錨を描いたようと言った方が正しいか。
砦を中心にして東側にウォーヴァン隊、西側にリヴァン隊。この村はダークストーカーの軍勢と砦を結ぶ一直線上にあるわけではなく、どちらかというと東側に寄ったウォーヴァン隊の真北だ。
余談ではあるが砦のずっと南南西に首都カンダネラはあり、ウォーヴァン隊のさらに南西にカウラの森となる。
――――この村を基点にダークストーカーの軍勢の一部をウォーヴァン隊に押し付けようとした?
人の気配、その密度を嗅ぎ分ける様にしてダークストーカーが動くのであれば、此処で肉を貪る奴らがさらなる人の匂いに気付いてウォーヴァン隊を襲わないとも限らん。
俺たちがこのまま止めねば、あのサイクロプスを含んだ集団は真っすぐ南下していたのだろうか。
となればカラトリア子爵はリヴァン派? 推論に推論を重ねたあやふやな物に過ぎない。
「……副隊長、各王子の率いる隊がどのようにして布陣を決めたか、経緯は知っていますか?」
「……リヴァン様がカウラの森の北に布陣すると仰った時は各騎士団も驚いたらしいね。元々は君の報告でカウラの森にダークストーカーが潜むと明らかになったんだ。その北側に布陣するならば、自然と後方に気をつけなくちゃならないし…………そもそもカウラの森の中の掃除もリヴァン様が率先して行ったらしいし」
「サフタムの砦を含めた挟撃の作戦として案を出したのは?」
「ウォーヴァン様だね。最初はカラトリア子爵もだいぶ反対の声を上げたみたいだけど、結局巻き込まれるのがこの小さい村だけだと知って周りも続々にって感じさ」
カラトリア子爵にしてみれば、この村と砦の含む領地を戦場と決めたウォーヴァンに恨みが、となればリヴァン派に属するのは自然な流れか?
もしもこの村の悲劇を含んだ陰謀を企み、ウォーヴァン隊に少なからず打撃を与えることになれば……少なくともリヴァンから金は出る。
成功すれば多少の地位も? 朧気すぎるが――――無理はない、のか?
いや、しかし作戦の前提は挟撃だ。片方がダークストーカーの奇襲に手間取るようであれば、リヴァン隊とて片方からのみの奇襲で手こずることになる。
王位継承の資格が戦争での戦績とはいえ、死んでは元も子もないだろう。
リヴァンが望んだのは何だ?
相手側戦力の消耗か? それとも単純にこの村の存在が何かしらの目的に邪魔だった? そもそも村から助けを求めたあの男が真っすぐウォーヴァンの布陣地に向かえば、少しばかりの妨害となれども、 この程度のダークストーカーの集団など。
予期せぬ奇襲でなければ十分に蹴散らせる数だ。事実、俺達五人だけでも処理できている。
「ディン様? 何かお考えが?」
「いや、やはり確証は得られん…………副隊長?」
纏まらぬ思考にローズ嬢への返答もおざなり。すれば副隊長がいつのまにやらどこか遠くの……砦の方の空を見つめながら立ち尽くしていた。
暫く黙りこんだ彼は、その視線を留めたままにまだ名も聞いておらぬ少女へと口を開いた。
「ちょっと聞きたいんだけど。砦に助けを求めてきた男の名はトッドって言うんだけど、そんな人、村にいた?」
「ト、トッド? そのような人物は村にはいないと思いますが……それに、ずっと隠れていたので自信はないですが、外に助けを求めにいった男の名はウェントという男だった気が……」
――――ざわり。
背筋を這うような悪寒に、俺もたまらず砦の方向を見やった。
◆
サフタムの砦より西に布陣するリヴァン隊の野営地。
そこより少しだけ外れた小高いの丘の上にて、もう少しで戦場と化す平原を眺めながら不敵な笑みを浮かべている男がいた。裏地を真紅の色で染め上げ、夜の闇に紛れそうな漆黒の外套を風に靡かせて悠然と佇むその男は、リヴァン。
後ろに護衛兵と思われる屈強な騎士たちを従えてはいるが、それを気にした風もなく彼はずっとその戦場を見つめ続ける。
そんないかつい鎧の護衛兵達に紛れて一人。優男風な線の細い美青年とも言える白銀の鎧の男がリヴァンの傍に歩み出た。
「カラトリア子爵の策は上手くいかなかったようです」
「クッ。元々あのような面白味のない下策に期待など端からしておらん。そもそもこの戦場をして一人逃げ隠れるなどと。俺は弱者などいらん」
「然り」
「そもそも策を弄するのならば、元からあの村の民共を一人残らず血祭りに上げておればよい。そうすればさらに多くの異形共を呼び寄せただろうに…………だから俺の手を煩わせることになる」
ギシリと拳を強く握り上げさぞ不満そうに吐き捨てるリヴァンに、その青年は終始無表情。ただリヴァンの外套と同じく風に靡く銀の長髪に隠れ、やがて人形のように美しいその美貌を憎しみに歪めた。
「しかしウェントなる平民を入れ替え、我が手の者を砦に向かわせたことにより、あの愚妹が動いたかと。愚かな奴です」
「それは貴様の領域だろう、クジャ・フィンロード。そのような下らぬ話を俺は聞くつもりはない」
「…………申し訳ありません」
クジャと呼ばれたその男は、激しく歯を噛み潰したままゆっくりと頭を下げた。
リヴァンの侮蔑めいた表情と共に、その二人が向かい合う光景はあまりに歪だった。
クジャ・フィンロード。
砦で指揮を執るベデリル・フィンロードの息子であり、今はサフタムの村にいるであろうローズの兄である男だった。
だがしかし彼の浮かべる表情に、二人に備わった貴族らしき清廉な気配など欠片もない。ただその美貌だけを憎しみに歪める様はあまりにも醜い。しかしその執着とも言える憎しみが、彼をここまで這い上がらせた。
「父は偉大な貴族。妹は宝剣に選ばれた天賦の才を持つ者。そしてお前は宝剣にも認められぬ凡夫。ええ? よくもまぁ、足掻いたものだな?」
「……お戯れを」
「ククク。その狂ったような熱情。実に良いぞ。血に染まれば尚、その意思は光を帯びる」
唐突にクジャの胸倉を掴み上げ、接触するほどに顔を近づけて狂笑するリヴァンに、クジャはたまらず視線を逸らした。
まるで獰猛な野犬のように犬歯を剥き出しにして笑うリヴァンは乱暴にクジャを突き飛ばし、肩を揺らし、身体を反り上げて空に笑う。
戦争の匂いを察してか、鳥の鳴き声すら響かぬ空に狂王の声が響く。
「ハハハハハハ!!! 血が流れるぞッ! 異形も、人も、大地も血に濡れるッ!! なんと心地良い……」
「…………」
「クククッ。心配するな、クジャ。絶対にウォーヴァンは動かん。あいつは既に後がないことを知っているからな。本来であれば我ら二人の争いも戦が始まる前に終わらせるべきだったのだ。多数の貴族を従え、軍勢を整えた俺に勝てるはずもない」
そう、リヴァンも、ウォーヴァンも挟撃と前提を崩すつもりは全くない。どちらかと言えばウォーヴァンはそれを信じて疑わない。
ダークストーカーがサフタムの砦を目指して真っすぐに戦場を伸ばすのは目に見えている。
ならばこの狂王が望む結末とは。
そもそもにしてこの王位継承を掛けて争う勢力図など、既にその先が見えていた。
多くの貴族の指示を得て自ら戦線に立つリヴァンなる男と。それに敵わぬ数の支持者を率いて抗うウォーヴァンなど。
何一つ間違いなく、この戦の勝利者は人間で決まり、そしてリヴァンに決まる。
ならばこの期に及んで狂王がさらに望む戦果とは?
「気にいらん。ああ、気にいらん。この戦に酔う事で形を保つ歪な国において、甘ったるい正義に生きるなど、高潔に生きるなどとッ! 異形も人も皮を剥げば真っ黒よ。黒を隠す弱者などこの国にはいらん」
「しかし、本当にウォーヴァン様は思惑通りに動くでしょうか?」
「要らぬ憂慮だと言っている! 必ず奴は此方と同じく挟撃に甘んじる。そもそもカラトリアの策とて奴の選択肢を減らさせることが目的だったのだ。『サフタム砦の救援』という選択肢を捨てさせるためにな!!」
二人の王子は動く。確かに動く。
しかし、ダークストーカーの軍勢の大多数が砦を囲み、そこで戦う中立派の者が息絶えた後に、である。
無論ウォーヴァンはリヴァン隊の不自然さに気付くだろう。
なぜ動かぬ。もはや砦の兵達が十分に敵を引きつけているのに何故、と。
しかしウォーヴァンは動けない。そもそも挟撃を自らが策として立案したのは、自分を支持する貴族の戦力が少ないから、自ら一人で道を切り開く戦力がないからに他ならない。
挟撃が大前提であるが故に、火の手が上がるであろう砦に救援など出せるわけもない。
リヴァンは勝利を確信し、中立派の殲滅に姦計を張らす。
ウォーヴァンは逆転の目にかけて、挟撃での戦果に全力を向ける。
故に、砦に迫る魔の手を払う者はいない。
「妹も死に、父も異形の餌となった後は好きにするがいい。貴様がフィンロードの名を継ごうが勝手なことだ。地位も用意してやろう。まあ、そのために貴様も動いていたのだったな?」
「無論です。あのような半端な輩に、我がフィンロードの名は譲れません。そもそも父も痴呆が過ぎました。このような国を左右させる一戦で中立派など」
「中立派ぁ!? 隠すな! 貴様のネレイドは嫉妬で埋め尽くされているはずだぞ!? 言ってみろ、才ある者が憎いと!!」
「…………」
悲劇は起こる。
必ず起こる。
「それに、中立派の中にもお前の子飼いがいるではないか。妹と父を死に至らせる毒が」
どれもこれもが、必然だった。
◆
平野を駆ける。息を切らし、必死の形相を変えぬままにただ走る。
ダークストーカーとの一戦を越えてもまだ、魔術行使を切らさず俺たちは走る。
「父上ッ……!」
先頭を行くローズ嬢が、絶え間なく吐きだされる息の合間に父の名を呼んだ。
今ばかりはベダール殿もそれを茶化す気にもならない。
いつものように力の抜けた表情を浮かべながらも、その足取りに鈍りはない。むしろ村で助けた少女を抱え上げて走るその様に、悪ふざけはない。
「副隊長。間違いはないかと?」
「いや、そう考えれば辻褄が合う。そもそもウォーヴァン様にはもう余裕がないんだ。確かに政争は続いてるけど、もはや戦が始まった時点で彼に勝ち目はない」
「だとしてもそれが何故、リヴァン王子の矛先が我らに?」
「……君らは知らないだろうけど、リヴァン様は誰よりも戦に溺れる戦争狂だ。それに彼の中立派に対する態度は時に常軌を逸する。所詮噂話だけどね」
「……噂? しかしその程度では」
「今はそんな話をしている状況ではありませんッ! 一刻も早く砦に戻らなくては!」
疑問を投げかけようとした俺の言葉を、ローズ嬢が余裕ない声で遮る。もはや平静さなど何処へ行ったものか。
熱を帯びたローズ嬢に引きずられる様にして誰も彼もが悲壮な結末を描き、走り続けていた。
そんな道の途中。唐突にジャン副隊長がベダール殿の方を向き、徐に抱えられるだけだった少女を受け取ると砦とは違う方向を向いた。
「副隊長?」
「僕はこのままウォーヴァン様の陣地に行くよ。いつまでもこの子を連れて居られないし、一応此方からも作戦の方針について話を付けておく」
「お一人で大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。そもそもこれでも副隊長だしね。一応は下っ端な君らが行くより、僕の方が話も付けやすいと思う」
にこりと笑う副隊長の笑みに毒気を吐かれながらも、その線もありかとしばし思考する。
今俺たちが動いている理由がどうであれ、一刻も早く砦に戻ることに異議はない。村から助け出した少女を連れるのもそろそろ限界だろう。
――――だが、この違和感は何だ?
陽が落ちかけてきた頃、まだ赤味が薄らとかかっただけの空の下で俺たちは立ち止まる。
先を急かせるローズ嬢と、何故か軽口も叩かずに黙ったままでいるベダール殿。怒りとも何とも言えない表情で黙り込むリリィ。
何かが、何かがおかしい。何故今更になって事態がこうも二転三転するのだ?
「………………………」
ローズ嬢の声も、別れを告げる副隊長の声も遠くなっていく感覚の中。
白の思考に落ちかけた俺を、俺の心を、急激に真っ赤な何かが染め上げた。
耳に聞こえる遠くの雄たけび。足元が揺れ、世界が叫びを上げている様な感覚。確かな闘争の気配。
誰もが言葉を失くして遠くの平野を見つめる。
キリル山脈から砦まで伸びる緑の地平線をじっと見つめる。
赤と、黒が見えた。
戦争が、始まる。
分かりにくい方に補足。
実はほとんど政権争いも勝負付いてたよ!
↓
ウォーヴァンはもう後がないからこの戦に賭けるしかないよ!
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だから砦がもしピンチになっても救援に戦力なんか割けないよ!
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リヴァン「じゃあ、その隙に中立派皆殺しにしようぜ!」
主人公とかリリィとかローズとか何で政争の状況知らないの?
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クジャ「いきなりの新キャラだけど、既に毒は撒いているんだよ!」
もう二度と戦争とか陰謀モノとか書かねぇ……難しすぎるだろ。
突っ込みは…………まあ、我慢できなければ感想の方に是非。リアルを追求すれば穴なんて多いけど、出来ればスルーしてくんろ。
あ、今度こそ更新はまったり。