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短編前編 文月と水無の夜(微えっちかもです。)

 タイトルにも書いてある通り、微えっちだと思います。少なくとも、私は書いてて「えっちだ…」って思いました。苦手な人は、読まなくてもストーリー自体に「大きな」影響はありませんので、そこの所はご心配なく。


………これって、性描写扱いですかね…?








 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――








「おっじゃまっしまーす!」



 今は22:30分。約束通り、ミナは私の部屋に来た。



「早く寝るよ。ほら、入って。」



 私のベッドは、扉開けてすぐの所にあり、扉側を頭に、隣の部屋側の壁にくっつけるような配置をしている。

 いつも通り、私が壁側で、ミナが外側。



「わーい!ベッドだ!ふわふわ!」


「良かったね。」



 まるで小学生のような反応。その反応をミナがやると、もうそれは紛れもない小学生なのよ。思わず私も、優しくなっちゃう。

 なんだかんだ、ミナはものすごく小さいし、言うほど邪魔でもないんだよな…逆に、私が寝返り撃ったりしたときに、ミナが潰れないかの方が心配だ。



「ねぇフミ、こっち向いてよ。」


「なんで?」


「特に意味はないけど…」


「じゃあこのままでいいでしょ。」



 二人で寝るとき、私はだいたい壁側を向いて寝る。ミナの方を向くと、顔と顔が近すぎて寝れないからだ。……顔の位置を合わせて寝るんじゃなくて、足の位置を合わせて寝てくれたら、ミナの顔の位置は私の胸くらいの位置になって、ちょうどいいのに。

 ……まぁでも、なんだかんだ言っても定期的にミナの方は向くけど。ずっと一方向だけ向いてても、寝れないから。



「むにむにむにむに」


「……」


「柔らか~い。揉み心地さいこー!」


「……胸揉むな変態」


「え~…代わりに、私のおっぱい揉んでいいよ!」


「揉めるほどないでしょ。」


「は?私のお姉ちゃんがおっぱいに恵まれてるんだから、私だっておっぱい大きくなるもん!将来的に!」


「私たち血繋がってないのよ。」



 あと、おっぱいおっぱい連呼しないで?普通に、私は胸大きくなること望んでないから。変われるのなら、ミナと胸だけ交換したいよ。



「……会話しながら胸揉むな。」


「え~…しょうがないなー。」



 ミナは、私に対して遠慮がない。思ったことは何でも言うし、やりたいことはすぐに実行に移す。柔らかいものを触りたくなる気持ちは分かるけどね…でも、遠慮なしに人の胸なんて触るもんじゃない。



「もみもみむにむに」


「……」


「私はおっぱいの方が好きかな~」


「……お尻揉むな変態」



 胸「は」揉むな。ってことじゃないのよ。胸も、揉んじゃダメだし、お尻ももちろんダメだ。そもそも、人の体に勝手に揉んでいい所なんてないから。



「え~!じゃあどこ揉めばいいの?」


「どこも揉むな変態」


「もみもみ……フミ、もっと食べたほうがいいよ。揉み心地なさすぎ。」


「そんなやせ型じゃないよ私…普通くらいでしょ…」



 次は、お腹を揉むミナ。…私のお腹は、出てはない。けど、そこまで痩せているわけでもないから、普通だと思う。あくまで、普通。



「いーや。フミは食べなさすぎだね。」


「食べてる。それが全部胸に吸収されてるの。」


「はー!?なにそれ!ずるじゃん!チートじゃん!!」


「別に私は胸大きくなりたいだなんて思ってないから。あと、揉むな。胸。」


「こんなに大きくて柔らかくて揉み心地もあって、かといって柔らかすぎない、さいきょーのおっぱいを持ってしてその発言は、フミ、殺されるよ?」


「誰にだよ…あと、揉むなって。」



 最初は、ミナもこんなんじゃなかった。一緒に寝ることはあれど、せいぜい抱きしめるくらいだった。…それが、小学生くらいの頃だ。


 ただ、中一、中二と私が不登校になってからは、ミナとの間に、自然と、壁が作られていた。

 中三で不登校脱却してからは、私の性格が大幅に変わったのと同じで、ミナの性格も変わっていた。めっちゃグイグイ来るし、ハグだけじゃ収まらない。


 私の性格が変わったのは、不登校になって、自信を無くしたから。じゃあ、ミナは?……だいたい、見当はついている。恐らく、お母さんから、「二人は血が繋がっていない」という話を聞いたからだろう。


 あくまで私の勝手な憶測だけど、私みたいな人間が実の姉じゃない、血縁関係じゃない…つまり、ミナは私みたいにはならない。ということに、安堵したのだろう。だから、色々と吹っ切れて、今の遠慮がなさすぎるミナになった、と。



「うーん、このおっぱいは、100点ですね。」


「もしかして学校でも友達の胸触ってるの…?」


「え、そんなわけないじゃん。何言ってるのお姉ちゃん…?」


「よくそんな普通の回答を、私の胸を揉みながら出来るね。」



 ナチュラルに胸揉んだりお尻揉んだり抱きしめたり、お風呂に入って来たりするミナに、最初から適応していたわけではない。そりゃあ、気にしてた。

 胸揉まれても、今なら「くすぐったい」くらいの感想しかないが、前は、もちろん、「え、ちょ、何してるの!?」と、こんな感じの反応だった。すぐに逃げてたし。

 ただ、途中で確信したのだ。ミナは、私と違って《《特別》》だと。私は《《普通》》の人間だから、特別な人間の考えてることなんてわからない。ミナは特別側だから、仕方ない。受け入れよう…と。


 そう考えるようになってからは、今のような対応に変わった。正直、ミナが何をしてきても私は驚かないと思う。……何をしてきても、は言い過ぎた。



「ねぇフミ、ちょっとこっち向いてよ。」


「…なんで?」


「おっぱいに顔埋うずめたい。」


「はー…よくもまぁそんなことを恥ずかしげもなく…」



 このやり取りだけでも、ミナが特別変態ということは分かる。……これは、特別天才すぎる妹の欠点だと思っている。


 人間には、必ず欠点が存在する。どんな人間も、必ず、だ。だから、妹は特別天才すぎるがあまり、特別変態という欠点を持ってしまった。大きい才能と引き換えに、大きい欠点を持っている。

 むっちゃんは、天使なので、欠点はない。


 私は、欠点だらけの人間だ。人間には才能と欠点は必ずあると信じている。私の才能は………周りの友達、人間運が良いというところだと思う。お母さんも、友達も、もちろん、ミナも。みんな、優しくて良い子で…


 結局、私はシスコン…までとはいかずとも、妹、ミナのことが好きなのだと思う。むっちゃんにミナの話をするときも、「顔が良くて頭も良くて性格も普通に良くて、ちっちゃい奴」って言ってるし。



「……はい。これでいい?」



 だからまぁ、こんな変態的な要望にも、応えてしまう。大抵のことは、許してしまう。



「わーい!クッションよりも弾力があって暖かみもあって安心する~…あと良い匂いもするし。」


「明日が休みで、テストまで一週間前とかじゃないからだからね?平日だったり、用事があったらこんなことしないからね。」


「じゃあ今満喫するしかないってことだ!」


「そこで喋らないで。くすぐったい。あと、お尻揉むな。」


「感じてる?」


「くすぐったいって意味ではね。」



 ミナは下ネタも躊躇しない。そして、ミナとは対照的に、私は、言葉にするのすら恥ずかしい。……ミナからの下ネタは、もはや慣れたけど…。



「ぷはっ。息しづらかった~。よいしょっと。」



 ミナが胸から顔を離し、私と顔の位置が同じになる高さまで来る。相変わらず顔が近い……とりあえず、壁側へ向き直すか…



「ちょっと待ってフミ。」


「…何?」



 壁側へ向き直そうと、もぞもぞと足を動かしたら、その足に、ミナが足を絡ませてきた。

 …なんとなく、嫌な予感がする。



「最近、睦月ちゃん以外に友達出来たんでしょ。」


「うん。出来たけど…」


「何人?」


「…むっちゃんも合わせて、五人。…ミナ、顔近い。」



 私は壁に背中が当たっているから、明らかにミナがこっちに詰め寄ってきている。もう一人は入れるレベルの空きがあるはずだ。



「五人……睦月ちゃんを抜いても、四人も……………」


「ミナ?」


「しかも、放課後デートをしてきた人も睦月ちゃん以外にいる………」


「デートじゃないけどね…」


「ねぇフミ。…いや、お姉ちゃん。」


「……ミナ、何を企んでるの?」



 私をお姉ちゃんと呼ぶ時のミナは、碌でもないことをし出す、で有名だ。私の中で。

 胸を揉むようになったのも、お風呂に乱入してくるようになったのも、スキンシップが過激になったのも、その提案する時は、決まって「ねぇお姉ちゃん」と呼んでいた。そして、天才ミナの策略に私がハマって、そのままずるずると流されるのだ。



「お姉ちゃん、ちゅーしようよ。」


「ちゅー?……なんで?」


「んー……それは~…リラックス効果?的な。」


「ミナそればっかだよね。」



 ハグを良くするようになった時、私の胸を揉むようになった時も、同じことを言っていた。ハグはまだわかるけどね。私も、ミナとぎゅーしてる時はリラックスするし。ただ、他はよく分からない。



「あとは、安心感とか、幸福感とか。今日一日の疲れを癒そう!的な?」


「キスなんかで安心感、幸福感でる…?」


「うん!絶対出るよ!」


「……まぁ、別にいいけど。」


「え!?そんなアッサリ!?」


「え…?いや、まぁ、うん…。」


「わーい!じゃあちゅーするね~!」

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