空に礼を溢す
唐招提寺に身を置く晩年の鑑真。
語らず、与えず、ただ沈黙の中に律を埋め込む彼のもとに、名を失った弟子たちが集う。
老いた母を背負って山に登った「孝行者」と、やがてその教えを断ち切るために現れた青年「幽然」。
厳しい沈黙と無言の修行の果てに、ある朝、鑑真は静かに殺される。
教えは語られず、名は残されず、ただ空に礼が溢される――。
仏教の不在と伝承の終わりを、峻厳に描いた黙契の物語。
語らず、与えず、ただ沈黙の中に律を埋め込む彼のもとに、名を失った弟子たちが集う。
老いた母を背負って山に登った「孝行者」と、やがてその教えを断ち切るために現れた青年「幽然」。
厳しい沈黙と無言の修行の果てに、ある朝、鑑真は静かに殺される。
教えは語られず、名は残されず、ただ空に礼が溢される――。
仏教の不在と伝承の終わりを、峻厳に描いた黙契の物語。