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気が付けばニチアサ世界に紛れ込んだみたいです  作者: 濃厚圧縮珈琲
第二部 第二楽章 オルディス家
54/87

統一皇国 国史 一級市民公開アーカイブより

読み飛ばしても大丈夫なお話です


ちなみに、これはあくまで一級市民が閲覧できるデータ。

二級国民以下は、前半部以外ほぼ黒塗りでざっくりとしか近代史は学べません。


◆本文書は一級市民向けに編纂された公式記録であり、内容の正当性は皇国議会

 および皇帝陛下の元に保証される。


◆記載される歴史的事実はすべて皇国の繁栄と安寧を支える揺るぎなき証である。


◆公開対象は一級市民に限定され、二級以下の市民による閲覧は固く禁じられる。


◆本資料の一切の疑義、誤謬の指摘、異論の表明は不要かつ無益であり、違反者は

 即時に処罰の対象となる。





◇目次



建国期(元年~1000年)


剣と弓の支配 魔法の発見まで。帝国の礎。


魔法文明期(1000年~3000年)


魔術師が力を握る。宮廷魔導士団の台頭。

後半には「科学」と「魔法」の対立が芽生える。


第一次魔法科学文明期(3000年~5000年)


魔法と科学が融合 → 魔法化学文明の興隆。

人口爆発と都市化、格差の拡大。

ナノマシンによる管理統治が始まる。

 

第二次魔法科学文明期(5000~   )



建国期



統一皇国歴元年


偉大なる初代皇帝カリスト陛下、常に軍の先頭を駆け剣と弓をもって全土を平定。

「余はこの世より争いを無くす」と宣言され、統一皇国の礎を築かれる。

以後、臣民は皇帝陛下の御威光のもとに恒久的繁栄と平和を享受する。


統一皇国歴465年


第六代皇帝カリスト陛下、建国記念式典において逆臣たる第三皇子により暗殺される。

反逆軍は一時勢力を拡大するも、第一皇子の正義の御剣により鎮圧される。

この事件以降、独立派は政治の場より永久に追放され、皇帝派が正統なる実権を掌握する。


統一皇国歴551年


皇国初の女帝、ヴィクトリア一世陛下が即位。

陛下の叡智と果断により、550年ぶりとなる大規模な遷都を実現する。


統一皇国歴573年


新帝都に疫病発生。

女帝ヴィクトリア一世陛下はみずから病に苦しむ臣民を見舞われ、篤き慈愛を示される。

その高貴なる御行為の結果、陛下もまた疫病に感染される。

第一皇子は病弱により早逝し、陛下は深き失意のうちに崩御。

第二皇子ヴェルディ殿下が正統に皇位を継承される。


統一皇国歴980年


この年、魔法が発見される。

始祖魔術師キャスパー師が皇帝陛下の御前に召され、以降、魔術は皇国の新たなる繁栄の礎として導入される。





魔法文明期(統一皇国歴1000年~3000年) 


統一皇国歴1000年


建国1000年を記念し、始祖魔術師キャスパー師の学説を基盤とし、宮廷魔導士団が組織される。

魔導士団は皇帝陛下の直轄機関として設立され、帝国の防衛と繁栄に寄与する。




統一皇国歴1200年頃


魔術の実用化が進み、農業・建築・医療など多岐にわたり導入される。

「魔法による繁栄」の標語が制定され、皇国は黄金期を迎える。




統一皇国歴1500年


魔導士団長、皇帝陛下に次ぐ権威を持つ地位として確立。

長き伝統を誇る騎士団の地位の低下。


この頃、皇帝陛下の御心を誤解し、一部の魔導士らが権力を濫用する事例が報告される。

皇国は逆賊の粛清により秩序を維持。




統一皇国歴1800年頃


魔術師の身分が特権化し、貴族と並ぶ支配階級を形成。

『魔導貴族』と呼ばれる一族が誕生し、政務にも深く関与するようになる。

求心力の低下により、騎士団の解散が発表される。


同時期、新たな技術を産みだす『科学者』が市井に現れ始める。





統一皇国歴2000年


科学技術の進歩が報告される。

蒸気機関の原理に似た「魔力機関」が発明されるが、魔導士団により一時封印される。

記録上は「魔導士団の高度な判断により、臣民の混乱を未然に防いだ」とされる。





統一皇国歴2300年


科学派と魔法派の対立が顕在化。

科学派は「誰もが扱える技術」を主張するが、魔法派は「皇帝陛下より賜りし選ばれた力」として排除に動く。

魔導士

統一皇国歴2600年


魔導士団と科学派残党の衝突が幾度か記録される。

「魔術至上」の正統を守るための戦いとされるが、同時に科学派の技術は一部地下に継承されたとも伝わる。




統一皇国歴2900年


魔法文明期の終焉。

科学派の芽を摘みきれず、後の「魔法科学文明期」の胎動を残す。

公式記録は「皇帝陛下の御導きにより、魔法文明は次なる段階へ移行した」と記される。






第一次魔法科学文明期(統一皇国歴3000年~5000年)



統一皇国歴3000年


魔導士団の統制下にありながらも、一部の学派が「魔法と科学の融合」を唱え始める。

この学派はやがて「統合派」と呼ばれ、皇帝陛下の英断により試験的研究を許可される。




統一皇国歴3200年


魔法科学の応用が加速度的に発展。

空を飛ぶ「魔導飛行船」、情報が劣化する事なく半永久的に記録できる「魔導記憶装置」などが開発され、皇国の生活は劇的に改善する。

「黄金の調和時代」と呼ばれる。

ナノマシンシステムのプロトタイプが開発され、人体への投与実験が開始される。



統一皇国歴3500年

科学派の末裔を自称する地下組織が、魔導士団の権限縮小を要求し蜂起。

短期間の内乱が発生するが、皇国軍により鎮圧。

公文書上では「皇帝陛下の慈悲により、異端者は更生の機会を与えられた」と記される。

ナノマシンシステムの情報が公開され、限られた人々へ先行投与が行われる。



統一皇国歴4000年


皇国建国4000年の祝日。皇帝ドゥーヴル32世陛下は全臣民へナノマシンシステムの祝福を与えられる。

この日より人々は病気・怪我へ別れを告げた。

人類が新たなる進歩を遂げた記念すべき日となった。




統一皇国歴4100年頃


一般市民の間でも医療魔導科学が発展し、大衆へ普及された事より人々の寿命が大幅に延びる。

『人生150年』のスローガンを掲げ、更なる長寿を夢見るようになる。




統一皇国歴4500年


不老不死の研究が加速。

「永遠に朽ちぬ肉体」への渇望は、やがて皇国全体を覆う思想となる。

一方で、成功例は未だ確認されず、膨大な数の「■■■」が生じたとの非公式な記録も残る。

市井の臣民の暮らしを効率化する為、無駄な行為の排斥が行われる。

出生率はこの頃より緩やかな■■を始め――以後閲覧制限。



統一皇国歴4600年


閲覧制限。




統一皇国歴5000年


第一次魔法科学文明期の終焉。

不老不死研究の行き詰まりと、度重なる気候変動により「第二次魔法化学文明期」へと進む。

皇国記録は「皇帝陛下の御意志により、人類は次の段階に導かれた」と結ばれる。




統一皇国歴5200年


魔法薬学と錬成技術の発展。

食糧、医薬、兵器に至るまで人工的に生成可能となり、物質的な欠乏はほぼ消滅。

人々は「完全に満たされた日常」を享受する。

動植物の大半が絶滅する。



統一皇国歴5300年


「人口調整法」が施行される。


以下閲覧制限。




統一皇国歴6000年


1000年計画により不老不死研究がいよいよ進む。

「人々はいよいよ更なる進歩を遂げる時が近い」と皇帝マクシミリアン52世陛下は6000年記念の場でスピーチされた。




統一皇国歴6200年


皇国立魔科学研究所が主体で研究している「不老不死計画」が100年以内には実現化すると発表される。

以後閲覧制限。




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