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38 これは妾の運命…か

妖精の女王――ティル=エルナがセリーナたちと別れ、翠夢の森の中心部にそびえる巨木の城へ戻ったのは、すでに午後五時を過ぎていた。


彼女は自室に入り、椅子に腰を下ろすと、首に掛けられた首飾りへとそっと手を伸ばす。


その首飾りは中央に澄みきった透明の宝石を嵌め込み、その周囲を七色の小さな宝石が円を描くように取り囲んでいた。透明な宝石は“無垢晶”。本来は淡く白みがかった結晶だが、この首飾りのものは雑質を一切含まず、まるで水晶のように澄み渡っている。周囲の宝石が反射する光を受け、中心は七色に輝いて見えた。


(……妾の運命は、またわからなくなった。)


エルナは薄々理解していた。これは昨晩セリーナが語った「すべての異常状態を防ぐ首飾り」である。これほど貴重なものを受け取ってよいのだろうか。


(精霊殿たちは、恐らくこれから起こる何かを知っている。この首飾りは、その打開策なのかもしれぬ。だが、この首飾りが渡されても、あの“お方”は何の行動も起こさなかった。ならば妾がこれを受け取っても、世界の運命に大きな影響はないのだろう。)


彼女は目を閉じ、深く息を吸った。未来はわからない。だが予兆を察することはできる。翠夢の森の異変を先に掴めば、先手を打つことができるはずだ。


エルナはメイドに声を掛けた。


『ローゼを呼んで参れ。』

『かしこまりました。』


命を受けた妖精メイドが去り、ほどなくして金髪の妖精騎士団長ローゼが部屋へ入る。


『お呼びにより参上いたしました、女王様。』

『ローゼ、騎士隊に命ずる。森に何か変わったことがあるはずだ。直ちに調査せよ。』

『御意。すぐに手配いたします。』


騎士団長が退出すると、エルナは蜜の茶を口に含み、巨木の城の窓から空を仰いだ。


妖精は自然から生まれ、自然へと還る存在。エルナにとって、この森に住まう妖精たちは家族同然であった。だが昨晩、自らの手でサクラリアを花びらから生み出した時、マナの流れから感じ取った。――あのお方がサクラリアを生み出した意味を。


(サクラリアの誕生は、妾との交代を意味するのだと思っていた。ならば未来に訪れる出来事は、妾の死であろうと……。)


胸の奥から、不意に得体の知れぬ不安が湧き上がる。かつての彼女なら理解できなかった感情。だが今の彼女には、すぐにわかる。


彼女は胸に手を置いた。


(……そうか。妾は娘と別れたくないのだ。あの子の悲しい顔を見たくないのだな。)


サクラリアの姿は若き日の自分に酷似していた。思わず昔の人間の仲間との記憶が蘇る。なぜあの時、サクラリアを「娘」と呼んだのか、自分でも説明できなかった。ただ、その晩は娘の旅を案じるあまり、徹夜で装備を整え、<妖精結界の腕輪>を作り上げた。


――この気持ちは、国民を家族と呼ぶ時のそれとは違う。


今朝も落ち着かず、我慢できずに連絡もせずセリーナの家を訪れてしまった。


(これが母となる気持ちか……意外と悪くない。先ほど娘が妾の膝で眠っていた時、心は幸福に満ちていた。あの時のアルミーナも、きっと同じ気持ちだったのだろう。今ならようやく理解できる。)


エルナは首飾りに触れながら、ふと微笑んだ。


『女王様、妖精たちがまた勝手にセリーナ様の小屋へ集まっております。』

『はぁ……またか。若き者たちを大人しくさせるのは、まことに骨が折れるものよ。』


妖精は気まぐれで、好奇心旺盛で、いたずら好きな生き物であった。



--------------------------------------------------------



翌朝、女王ティル=エルナがベッドを降りると、妖精騎士たちが報告に参じた。


『朝早く失礼いたします、女王様。ご報告がございます。』

『よい。ローゼ、何事か?』

『森の北西に洞窟を発見いたしました。しかし周囲には腐敗の匂いが漂い、近づくことすら困難です。恐らく洞窟内に“腐香石”が存在するかと。』

『ほぅ……森の腐香石は妾が徹底的に片付けたはず。――騎士隊に命ずる!ローゼ隊は妾と共にその洞窟へ向かうぞ。』

『御意!』


ローゼは直ちに隊を集めに走り、エルナは杖を手に取り、昨日頂いた<聖護の首飾り>を身に着けて城前へと飛び立った。


巨木の城の前には、既にローゼ隊が整列し、女王の到着を待っていた。


『ローゼ隊。その洞窟へ案内せよ。』

『はっ!』


洞窟へ向かう途中、ローゼは思わず問いかけた。


『女王様、なぜセリーナ殿らに助力を求められぬのでしょうか?人間ならば腐香石の除去は容易かと。』

『あの子らにはあの子らの目的がある。彼女らはあくまで我らの友人に過ぎぬ。国の問題は、結局我ら自身で解決せねばならぬ。それに腐香石さえなければ、ローゼらが片付けられるであろう。』

『御意!必ずや成し遂げます!』


やがて一行は謎の洞窟へ到着した。


その洞窟は大岩の隙間に隠され、入口は草に覆われていた。明らかに人為的な造作である。長らく発見されなかったのは、周囲に漂う“腐香石”の匂いのせいだ。腐った果実のような臭気を放つその石は、妖精が最も嫌う匂いであり、誰も近づこうとしなかったのである。


昨晩、女王の命により森全域を調査した結果、ようやくこの洞窟の存在が明らかになったのだ。


エルナ自身もこの匂いを嫌っていた。大昔、森に国を築いた際、人間の仲間と共に森の“腐香石”を徹底的に取り除いた記憶が蘇る。


今、女王と騎士たちは洞窟の外側で対策を練っていた。


『……匂いがな。』

『は、はい……女王様。中には腐香石が大量にあるかと。これでは我らも呼吸が……うっ……』

『違う。妾が申したのは、この匂いそのものではない。中には恐らく瘴気が満ちておる。』

『瘴気……?!それでは我らは中へ入れませぬ!』

『よい、妾一人で十分だ。』

『危険にございます!瘴気があるならば、強力な魔物が潜んでいる可能性が高い。女王様も瘴気に触れれば侵食され、力を失われましょう!』

『昔の妾ならば、セリーナらの助けを必要としていたかもしれぬ。だが今は違う。心配は要らぬ、信じてよい。』


女王の自信の理由は、騎士団長ローゼには理解できなかった。だが、女王はこの国で最も強く、美しく、賢き存在である。自分には見えぬものを、女王は既に見通しているのかもしれない。


洞窟の中に瘴気を生み出すほどの魔物が潜んでいるならば、騎士たちは足手まといになるだけだ。ならば騎士としての務めは一つ。女王が洞窟へ入る間、外を守り、他の魔物を近づけさせぬこと――それこそが忠義であった。



洞窟の前に立った妖精の女王ティル=エルナは、静かに目を閉じた。


『……変身。』


瞬間、光の粒が舞い上がり、柔らかな風が渦を巻く。白銀の魔法陣が足元に広がり、花びらのような光が宙を舞い、彼女の身体を包み込んだ。


衣は光に溶け、次々と新たな装飾が形を成す。だが現れたのは可憐な衣ではなく――白銀の鎧。胸当ては銀色に輝き、肩から腰にかけて流麗な装甲が重なり、背には光の羽のような紋章が浮かび上がる。


女王の手に握られていた花の杖は震え、光に包まれながら形を変えていく。細長い軸は伸び、刃の輪郭が浮かび上がり、やがて白銀の輝きを宿したロングソードへと姿を変えた。刃には微細な魔法文字が刻まれ、淡い光が脈打つように走る。


瞳を開いたその姿は、荘厳なる戦士そのものだった。


『風よ!』


女王の言葉と共に風が結界を形成し、腐敗の匂いを薄める。瘴気を遮断することはできぬが、彼女は怯むことなく剣を構えた。


『ここは妾に任せよ。』

『はっ!女王様、瘴気には十分お気を付けください!』

『心得ておる。』


洞窟の入口を覆う草が吹き飛び、腐臭はさらに強まった。だが風の結界により、女王は耐えられる程度に抑え込む。


中へ進むと、洞窟はすぐに行き止まりとなっていた。浅い空間の床には、不自然にぽっかりと人間が通れるほどの穴が開いている。まるで誰かが意図的に掘り残した入口のように、そこから黒い瘴気がじわりと漏れ出していた。


そこから漂う黒い気配――瘴気。妖精の体にとっては猛毒であり、長く触れればマナは汚染され、苦痛の果てに死へ至る。


女王は首飾りに触れ、心中で呟いた。


(精霊殿、タピオカよ……そなたらが妾にこの首飾りを贈ったのは、このためか。ならば信じよう。)


『光よ!』


照明の光玉を放ち、結界を纏ったまま穴へ降りる。等間隔に置かれた人間の魔道具が道を照らしていたため、女王は光玉を消し、自らの体を確かめる。瘴気に触れているはずだが、不快感はない。


(やはり、この首飾りがある限り、妾は瘴気に侵されぬ。……一安心だ。)


進んだ先は直径十メートルほどの広場。遮蔽物の影から覗くと、床には血で描かれた魔法陣が広がり、その中心には積み重なる死体――男、女、子供、少なくとも二十体。腐臭の正体はそれらの死体だった。


その時、黒いマントを纏った男が現れた。手には魔導書、全身には奇怪な刺青。右目は黒く濁り、左目は不気味な金色に輝いていた。


「……おやおや。鼠が迷い込んだか。我が実験場に足を踏み入れるとは。歓迎しよう。」

『ちぃ……。』


この森にはアルナが張った結界があり、人間には妖精の姿は見えぬはず。だが、この男は彼女の姿を見ている。驚愕すべきことだった。


男もまた、ここで妖精の姿を認識していた。彼自身も驚いているようだった。


「おお……妖精か?瘴気に満ちたこの場所に入れるとは、興味深い。」

『ほう……妖精が見えるのか、人間。』

「ははっ!素晴らしいだろう、この眼だ!」


男は左目を指差し、狂気じみた笑みを浮かべる。


「これはな、捕らえたエルフの眼だ!美しいだろう?だから私はお前の姿を見えるのだ、ひひひっ!」

『これは何の戯れぞ、人間。』

「戯れ?いやいや、これは偉大なる研究だ。死体は素材、血は魔法陣を描く絵の具、魂は瘴気へと変換される。美しい循環だと思わぬか?」

『狂気の沙汰よ。そなた、人の命を弄ぶか。』

「命?ははは!命など燃料に過ぎん。私は“未来”を創るのだ。瘴気を操り、世界の理を改造する!科学と魔術の融合、これこそが真の進化だ!――この召喚陣も始まりに過ぎぬ。」


男は魔導書を開き、誇らしげに見せつける。


「ほら、この禁忌の書に記されている。悪魔を召喚できるのだ!組織の研究者として、試さぬわけにはいかぬだろう!」

『……わかった。そなたには死を与えよう。』

「おおお~!怖い怖い!知らぬのか?妖精にとって瘴気は毒だ。長く触れれば死ぬぞ!ひひひぃ!」


アルナは剣を構え、冷ややかに睨み据えた。


『妾はもう、そなたと語る気はない。その歪んだ理想に、この森を渡すことはない。』


男は口元を歪め、狂気の笑みを浮かべる。


「いいぞ……その瞳、その力!貴様のマナも私の実験に加えてやろう!」


広場に瘴気が渦巻き、戦いの幕が上がる。


アルナは返事をせず、剣に魔力を溜めて軽く一振りした。白銀の斬撃が閃光のように走り、男の左手を切り飛ばす。禁忌の書と共に床へ落ちた。


「……はぁ?い、いたぁぁ!手が!私の手が!!馬鹿な!妖精がこんな濃い瘴気の中で無事なはずがない!!」


男は慌てて腕を拾い上げ、魔法陣の隣の台に置かれたポーションを傷口へ注ぎ込む。肉が蠢き、切断された腕は再び繋がっていった。


「おのれ……闇よ、燃え盛れ〈ダークフレア〉!」


謎の男の右手から黒炎が渦を巻き、アルナへと襲いかかる。


『ヌルいな。』


女王は剣を一振りするだけで黒炎を霧散させた。


「なに?!ちっ……妖精は火に弱いはず!瘴気に怯まぬ妖精を捕まえて研究したいが、怪我の代償は大きいぞ!――炎よ、敵を撃て!〈ファイヤーピット〉!」


追尾性能を持つ小型の火球が一斉に飛びかかる。


『……くだらん。』


アルナは防御すらせず、風の結界だけで全てを無効化した。


男は焦り始める。――強い。明らかに自分の何倍も強い。どうすればいい……。やむなく床に落ちていた禁忌の書を拾い、魔法陣へ手を置き、早口で呪文を唱えた。


「魂を裂き、影を呼ぶ……!」


だがアルナは唱えさせる気などなく、連続の魔力斬撃を浴びせる。


「……来たれ、我が身に宿る者よ!〈インヴォーク〉……かっ……!」


斬撃を受けた男は絶命した。しかし遅かった。魔法陣が赤黒く燃え上がり、洞窟の空気が震える。


死体と魔法陣が混ざり合い、人間の姿を半ば残しながらも、頭には悪魔の角が生え、赤黒い眼が闇を射抜いた。ドクロの首飾りを身に着け、黒いマントには地獄の炎の紋様が揺らめく。忌まわしい瘴気がさらに広がった。


その声は人間の言葉と悪魔の咆哮が重なり、聞く者の心を揺さぶる。



ドクロの杖を握るその存在――冥府の呪術師ヴァルゴス。



洞窟内の瘴気はさらに濃くなった。アルナは自らの体を確認し、無事を確かめると小さく囁いた。


『……良かった。』


一方、召喚された呪術師は術者を探し、周囲を見回す。だが目の前には誰もいない。背後に気配を感じ振り返ると、そこには瘴気まみれの空間に存在できるはずのない妖精が立っていた。


「ほう、妖精とは意外だ。我は冥府の呪術師ヴァルゴス。召喚者は貴様か……。」

『いいえ、妾は召喚者ではない。召喚者は妾が斬った。……妾も暇ではない、元の居場所へ戻るがよい。』

「言うね、雑魚。〈ダークフレア〉!」


先ほどの男の魔法とは違い、倍以上の黒炎が襲いかかる。


『はぁ……くだらん。』


(まさか妾の未来は、こんな相手に殺される筋書きだったとは……くだらん。いや、妾を殺したのはこの瘴気かもしれん。)


アルナは再び剣圧でそれを消し去った。呪術師は驚愕する。


「なに……?!」


冷静に考えれば、相手はただの妖精。瘴気に弱り、長くは持たぬはず。ならば拘束と弱体化で仕留めればよい。


「〈冥府の枷〉!〈暗蝕〉!」


黒い鎖が絡みつくが、アルナは剣で容易く断ち切った。暗蝕の呪いも直撃したはずだが、女王は苦悶の表情すら浮かべない。


(なぜだ!なぜ効かぬ!?この術は中級のドラゴンすら一瞬で無力化できるのに!)


呪術師は混乱し始めた。出口は女王の背後、突破できる気がしない。焦りから攻撃魔法を連発するが、全て剣圧で消される。アルナはゆっくりと、確実に彼へ歩み寄っていた。



恐怖



冥府の呪術師は初めてその未知の感情を覚えた。


「ありえぬ!妖精ならば瘴気の中で生きられるはずがない!貴様は何だ、この化け物め!」


彼は後ずさりし、脳裏に浮かんだのは己の切り札――呪い。


「〈絶望の呪詛〉!」


闇属性最上位の呪い魔法。ダメージはないが、確定呪いと全能力低下、即死カウンターを付与する。自分より格下なら即死確率は五割。


(これで勝てる……!あとは異常状態解除を妨害し、即死カウンターが尽きるまで逃げればいい!)


杖から瘴気のドログの頭が現れ、口を開いて女王を呑み込もうとした瞬間――その内部から魔力の斬撃が放たれ、呪術師へと襲いかかった。


とっさに両腕を交差して防ぐが、冥府の呪術師の腕は血まみれとなる。瘴気のドログは消え、呪術師はさらに恐怖した。即死は発動せず、呪いの印も見えない。頭上に現れるはずのカウンターも、妖精には何も表示されていなかった。


(私の最上級の呪いすら無効……!残るは闇の最上位魔法だ!)


「来るな!〈奈落の黙示録〉!」


洞窟全体に赤黒い魔法陣が広がり、闇の炎が天を突き、悪魔の咆哮が響き渡る。光は呑み込まれ、空気は凍りついた。


「やったか?!」


『〈レイ〉。』


闇を裂いて光が降り注ぎ、赤黒い魔法陣を砕いた。光線を真正面から受けた呪術師の杖は粉砕され、身体は穴だらけとなり、後方へ倒れ込む。


「な……なぜだ……なぜ効かぬ……。」

『ほう、妾の攻撃を受けてもまだ倒れぬか。称賛を与えよう。』


女王は呪術師の真上に立った。動けぬ彼は必死に言葉を絞り出す。


「くっ……許せ……俺は召喚されただけで……何も知らぬ……。」

『妾は最初から帰れと言ったはず。攻撃したのはそなた。間違いではあるまい。我が国に召喚されたことを後悔するがいい。』

「我が国……妖精の……女王だと?!ちっ……おのれ、おのれ!魔術の天才たるこの俺様が、妖精ごときに敗れるなど!」


呪術師の視界を覆ったのは白銀の光。血で描かれた魔法陣の上には、灰だけが残された。


『ふう……この首飾りがなければ、妾は近づくことすらできなかったであろう。精霊殿とタピオカはこのことを知っていたからこそ、妾に贈ったのか……。まあ、運命のことはあのお方がうまく修正してやろう。』


洞窟に生きるものはもういない。女王は剣を天に掲げ、目を閉じて呪文を紡ぐ。


『〈ムーンライト〉。』


天井に夜空が広がり、白き月が昇る。柔らかな光が洞窟全体を照らし、魔道具の灯りは消え、床の魔法陣も瘴気もすべて消え去った。


術が終わると夜空も月も消え、女王は剣を収めて洞窟を後にした。


外に出ると、騎士たちが駆け寄る。


『女王様!ご無事でしたか!』

『無事だ。中の敵は消滅した。瘴気は一旦消したが、再び現れる前に“浄霊の種”を置き、土魔法で洞窟を埋めよ。』

『かしこまりました!』


騎士たちが命令を実行する間、女王は鎧姿からいつものドレスへ戻り、空を見上げた。


『フム……良き天気だ。セリーナの家へ参ろう。プリン以外の甘味も食べたい。蜜をプリンにかけるのも一興だな。』


女王は騎士たちを置き去りにし、城へ戻って蜜を手に取り、セリーナの小屋へ向かった。



妖精とは――気まぐれで、好奇心に満ちな生き物だ。

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