27 これは普通な生活?
午後5時頃。
私はガンド村の自宅に戻りました。精霊さんは今日の夕飯と例の高級そうな浴槽を置いて、精霊界へ戻って休みに入った。
私は手を洗って、夕飯のカルボナーラの前に座る。
「うん〜、いい匂い。ねぇ、精霊さん、これは……」
……あ、精霊さん、いないんだよね。正直言うと、精霊さんと一緒にご飯を食べたかった。
数年前、うちに借金があることが村の人たちに知られてから、ガンド村では友達と呼べる人もいなくなった。毎日、生きるだけで精一杯だった。
お金のことばかり考えて、パンをかじりながら過ごしていた日々。余計なことを考える余裕なんてなかった。
でも、この一週間は違った。美味しいご飯を食べられて、借金のことも忘れていられた。今になって、ふと寂しさを感じてしまった。
精霊さんが毎回、食事の時間になると精霊界に戻る理由。前に聞いたことがある。「精霊さんが残ると食べるのは精霊さん自身だから、この美味しいご飯を私に味わってもらうために、わざと精霊界に戻るのです」って。
それに、精霊界でも同じ時間に夕飯を取っているらしい。……だから、仕方ないんだよね。
カルボナーラにフォークを伸ばそうとしたその時――
ゴンゴン。
扉を叩く音が響いた。まさか……ヤークの手下がまだ村に?
私はすぐにカバンからエメラルドダガーと水の魔導書を取り出し、扉に近づく。
「どちら様ですか?」
『セリーナちゃん、宿屋のばあやよ。やっと帰ってきたのかい?』
……宿屋“万金亭”のおばあさん?念のため、窓から外を確認する。すると外には村の人たちが大勢集まっていた。
『お!セリーナ!出てくれ、一緒にご飯しようぜ!あのクソ村長の地下倉庫に食べ物が山ほどあったんだ!』
『セリーナちゃん、お礼をさせてください』
え?え?……ど、どういうこと?
ヤークの手下ではないみたい。でも念のため、エメラルドダガーは隠し持っておこう。
私はそっと扉を開ける。
すると、同じく村長に騙されていたマリーさんが私の手を取って、広場へと連れて行った。
広場の中央には何台ものテーブルが並べられ、その上にはたくさんの食べ物とお酒。……村の人たちが宴を開いていた。
私はマリーさんに連れられて、広場の主賓席に立たされていた。
「セリーナちゃん、昼間はどこに行ってたの?家にはいなかったみたいだけど」
「えっと……森で食べ物を探してました……のです」
「そうですか、まぁ、あなたのおかげで本当に助かったわ。ありがとう」
「俺も!ありがとう!まさかうちの嫁が村長に売られてたなんて……情けない話だ。明日、バールヴィレッジに行って、村長から取り返した金で嫁を探して買い戻すつもりだ」
そうだった……ドムさんの奥さんは、奴隷として売られてしまったんだ。
「ドムさん、バールヴィレッジの領主様はあの闇奴隷商人を捕まえたらしくて、奴隷たちは全員救出されたみたいです。冒険者ギルドで“ヤークに売られた奥さんを探してる”って話せば、すぐに見つかるかもしれません」
「え?!なんでそんなこと……いや、ありがとう!そうしてみるよ!!」
夕焼けのオレンジ色の光の中で、ドムさんの目が少し潤んで見えた。私がやったわけじゃない。精霊さんのおかげ。でも結果としてガンド村は救われた。それだけで十分嬉しかった。
空の色は紫に染まり、広場には松明が灯される。ガンド村、多分10年ぶりの宴が始まった。
村長の家は今朝、村長の護衛らしい人が火を放ったけど、精霊さんがすぐに鎮火してくれたおかげで大事にはならなかった。
宴の食べ物や酒は、全部村長の地下倉庫に隠されていたもの。金はエルドラーナさんが派遣した冒険者たちが、借用証書に記された金額をもとに騙されていた7人に返してくれた。
その後、村の人たちから次々と私に謝られた。
父が帰ってこなくなってからうちに借金があることが知られて、それ以来みんな私に関わろうとしなくなった。……ずっと冷たくされたんだと思ってた。でもこの村はみんな生活が苦しくて、誰かにお金を貸す余裕なんてなかった。だから私に近づくのが怖かったんだ……そう、ずっと思ってた。
でも、まさか――
村長が裏で「母は貴族の家から宝石を盗んだ」と言いふらして、「だから父は逃げたんだ」とまで話していたなんて。
うちの畑が何度も荒らされたのもただの偶然じゃなかった。あれも村長が人を雇ってやらせていたらしい。
今日の事件で、村人たちはうちの借用書を見て父が本当は貴族だったことを知った。私がいない間に、村長は村人たちに“お仕置き”されたそうだ。かなり殴られたみたい。
ちなみに、私が魔法を使えて戦うこともできる理由は、先週、森で迷子になったときにある冒険者に助けられて、その人から借用書のことと自分の身を守る方法を教えてもらった……ということにしてある。言い訳だけど、今はそれで十分。一応…嘘は言っていない。
1時間後、宴はまだ続いていたけど、村人たちが次々と食べ物を持ってきてくれたせいで、私はもうお腹いっぱい。
宴が続く中、私はそっと家へ戻った。
「あ!精霊さんのカルボナーラだ!!……もう冷めちゃった」
どうしよう。お腹いっぱいで、もう食べられない。でも、捨てるなんてできない。
……明日の朝、食べよう。
カルボナーラを蓋をかぶせて、そっとテーブルに置いた。
その後、あの高級そうな浴槽にお湯を張って、ゆっくりとお風呂に入った。
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セリーナの家に戻った俺は、彼女の食事と浴槽を置いてからセレアグをログアウトした。
ベッドから立ち上がり、ラジオ体操をしながら頭の中で反省会を始める。
今日のできごと……正直、神経をすり減らした。精神的にもう限界に近い。まるで、ミスが許されないレイドボス戦を4時間ぶっ通しでやったような疲労感だ。
セリーナは無事に家へ戻った。ガンド村の周辺にはセバスチャンやマロニエのような強者もいない。彼女を脅かす存在は、もういないはずだ。
俺なりに最善は尽くした。
でも、今になって考える。ヤークとマロニエが応接室に入ってきた瞬間、すぐに制圧していれば――こんな面倒な展開にはならなかったかもしれない。
ヤークが裏で違法な奴隷を買い取っていた証拠――村長の裏帳簿には、奴隷の売買記録、金の流れ、そしてヤークの名前までしっかり記されていた。それも、村人の借金を利用して人身売買に繋げた形跡まで残っていた。
……いや、待て。
あの時点では、領主様が彼らの後ろ盾だと思っていた。もし領主様がこのゲームのメインシナリオに関わる裏組織の幹部だったら?ヤークとマロニエが応接室に入ってきた瞬間、すぐに制圧していれば……
その場合、マロニエ、セバスチャン、エルドラーナ、騎士団――全員を敵に回すことになる。……やっぱり、今日の選択は俺の草色の脳みそにしては最善だったんだ。
はぁ……それにしても、状態異常は本当に厄介だ。
今日は運が良かった。ヤークの麻痺攻撃はたった3秒しか効かなかった。しかも、刺さったのは首じゃなくて背中だった。
もし首だったら――
その瞬間、全身に寒気が走った。骨の芯まで凍りつくような感覚。鳥肌が止まらない。
……俺は、このままこの不思議な世界にログインしていていいのか?
今のところ俺にデメリットはない。普通のゲームだと思って入った。セリーナの母親に頼まれて、彼女を幸せにしたかった。でもさっき感じた“死”の気配は、リアルすぎた。誰だって怖くなる。
セリーナの借金は、もう返済済み。レベルも49。神速のセバスチャンを超えている。ガンド村の近くなら無双できる。俺がいなくても、隣の森で狩りをすれば飢えることなく生きていける。
それなら、もう彼女は“幸せ”なんじゃないか?
……でも、セリーナはガンド村を離れて、お父さん――エドガーに会いたいと言っている。
どうする?このまま、彼女がエドガーに会うまで付き合うべきか?
今回、俺が死ななかったのはただの運。もし、今も生きているエドガーの父、カースティア伯爵が貴族至上主義で庶子を認めないような人間だったら――
セリーナの存在が知られた瞬間、彼女は“抹殺対象”になる可能性だって十分にある。
……この世界は平和じゃない。ゲームの中とはいえ、死と隣り合わせだ。
俺はどうすればいい?
ピロン
スマホにメッセージが届いた。
……まぁ、予想通り。午後のタピオカくんだ。
ーおい、豆腐くん、オレの友達申請届いた?
ー邪竜のレイド、今日が最終日だから一緒にレベル50以下の邪竜を周回しようぜ?
ー他のメンバーは全員レベル99だから、下位のやつはやらないってさ
はぁ……俺も普通にあのゲームを楽しめたい。このままセレアグを辞めて、別のゲームに移ろうか。
なのに。
なぜか俺は、俺の意思ではないみたいに彼にメッセージで返事をすることもなく、トーク画面にあるタピオカくんの通話ボタンを押していた。
トゥルルル…トゥルルル…
「相変わらず出るのが遅いなぁ」
タピオカくんは前のゲーム〈ドラゴンの遺産〉で出会った仲間。学生時代からの付き合いで、もう10年以上になる。遠くに住んでいるらしく、実際に会ったことはない。でも、ボイスチャットで他のゲームを遊んだ時、渋いおじさんみたいな声だった。
『こ、こんにちは、豆腐くん?どうしたの?電話なんて珍しいね』
「こんにちは。急に電話してごめん。今、大丈夫?」
『うん、今日は一日中セレアグやってて、今ちょうど休憩中。さっきのメッセージ通り、後で一緒に邪竜のレイドやらない?』
「その件だけど……俺、今やってるセレアグが、ちょっと変なんだ」
なぜだろう。
この不思議な話を誰にも言うつもりはなかったのに。口が勝手に動いて、思うままに話し始めていた。
『変って?バグ?』
「いや……俺、このゲームを始めてから、自分のキャラじゃなくて、とあるNPCになったんだ」
『へぇ……』
「しかも、ネットの動画よりずっとリアルで、五感もある。そのNPCとも会話できて……憑依してるみたいな感覚だった」
『…………』
「信じないかもしれないけど、今日はその彼女の問題を片付けたら死ぬところだった。もしログインしたまま死んでたら、リアルの俺も死ぬんじゃないかって……そう思ったら、怖くなった」
『…………』
「……やっぱり、おかしいよね。ラノベの読みすぎだ、ごめん」
『いや、豆腐くんの話し方……冗談には聞こえない。一応、最初から全部話してみて』
「あ、うん」
俺は、先週あの“おかしな神社”を見たことから、今日の出来事までをタピオカくに話した。
『豆腐くん……今ネットで調べたら、例のサブクエストが見つかったよ』
「信じてくれてありがとう。俺もあのクエストは見つけた。ただ……」
『うん、でも変化はないみたいだね。攻略サイトや動画では、セリーナは村長に殺されて終わってる。借金も返済されてない。まあ、こっちの世界に変化があるとは限らないけど』
「そ、そうだよね……」
しばらく沈黙が続いたあと、タピオカくんが口を開いた。
『でもさ、豆腐くん。あの神社で“お守り”みたいなのをもらったって言ってたよね?それに、口が自分のものじゃないみたいで、セリーナを幸せにするって言ったって……そのお守りの画像、送ってもらえる?』
「いいよ。ちょっと待って」
俺は神社でもらったお守りと、中に入っていた謎のコインの画像をタピオカくに送った。
「このコイン、たぶんクエスト終盤でセリーナのぬいぐるみの中に入ってるやつと同じだと思う」
『はぁ……言いづらいけど……送ってきた画像、オレにはテーブルしか見えないんだ』
「はぁ?!」
タピオカくんはメッセージアプリのトーク画面のスクショを俺に送ってきた。
そこに映っていたのは、ただのテーブルの画像が二枚。お守りもコインも、まったく見えなかった。
待て待て。
さっき送った時には、ちゃんと映っていたはずだ。
俺はもう一度、自分の送信履歴を確認した。すると、俺が送った画像の中からお守りが消えていた。
慌ててコインを手に取り、動画を撮影。撮った動画を確認すると、ちゃんと映っている。それを再確認してから、タピオカくに送る。
『……いいえ、何も見えません』
送った瞬間、動画の中のお守りとコインが消えた。
「そんな……」
『ま、まぁ……神的な存在が、このコインを見せたくないのかもしれない。逆に言えば、君の話が“本当”だって証明されたようなもんだよ』
「で、ですよね……」
『話を戻すけど、君はこの一週間、〈ナイジェリアの森〉を走り回って転送ポイントを解放したり、〈ナイジェリアの遺跡〉でレベリングしてたよね?』
「ええ。借金は精霊石を作って売ったら、もう返済できた。例の2周年記念でもらったドレスは派手すぎて目立ちすぎるから、遺跡で手に入れた素材で見た目が普通なSR装備一式を作ったよ」
『ふむふむ……セリーナの借金は完済。次は、父親のエドガーに会いに行く番だね。でも、今の伯爵が“庶子”の存在を知ったらどうなるか……』
そう。
セリーナがエドガーに会いに行くのは、まさに“死活問題”。もし今の伯爵が善良な人物なら、セリーナは伯爵家に迎えられる。貴族令嬢として、お父さんと再び一緒に暮らせるかもしれない。
増してや、元平民が貴族令嬢になるにはまた別の壁がある。それはあとで考えよう。
問題は、もし伯爵が“貴族至上主義”の人間だった場合。セリーナの存在が知られた瞬間、彼女は“抹殺対象”になる可能性がある。だから、この前にセリーナに話した通り、伯爵領に到着して彼女が父と対面する前に、俺が“アリス”として先に伯爵に会って反応を見ておくべきだ。伯爵とエドガーの反応次第で、すぐに逃げる準備もしておく。
俺の計画を聞いたタピオカくんは、まさか俺と同じ疑問を口にした。
『ねぇ、豆腐くん。気のせいかもしれないけど……君の話では、セリーナの借用書には“本物の魔法刻印”が付いてたよね?』
「はい、付いてました。あの時、システムから“条件達成しました”の表示が出て、村長の指輪を魔法刻印に触れさせたら、“契約解除”の通知が来ました」
『ってことは、その借金は本当にエドガーが借りたものだよね?』
「それなんだよ。俺もそこが一番引っかかってる。攻略動画では、エドガーは伯爵になったあと、セリーナたちを探すためにプレイヤーに依頼を出してる。彼女たちを屋敷に迎えるつもりだったはず……」
『でも、村長は二人は“エドガーに捨てられた”って言ってたよね。もちろん、村長の言葉に信憑性はないけど……もしかしたら、エドガーは貧乏生活に耐えきれず、村長に借金して、自分だけ伯爵家に戻った……って展開もありえるよね』
そう。それが、俺の中で一番引っかかっていることだ。
攻略動画では、このクエストはここで終わる。エドガーはその後、関連クエストにも登場しない。メインシナリオにも再び関わることはなかった。
もしあの借金が他の村人と同じく“偽物”だったなら、何の違和感もなく、セリーナは父と再会し、伯爵家で幸せに暮らすエンディングを迎えるだろう。
でも、最悪の場合。
このサブクエストの本当の目的は「セリーナたちが借金を返済できたか?」、「それとも、すでに借金奴隷として売られたか?」を確認するためのもの。
その場合、エドガーは“会うべき人物”ではない。セリーナがまだ生きていることすら、知られてはいけないのだ。
「実は俺もそう思ったよ。このままセリーナをエドガーに会わせるのが本当に正しいのか……それとも、彼女には別の人生を歩ませた方がいいのか……ずっと悩んでる」
『でも、君は“死”を恐れてるんだよね?』
「当たり前だろ。もし現場にいたら、君だって同じ気持ちになると思う」
『ゲーム……じゃないよな。こんなラノベみたいな話、オレも初めて聞いた。でも、君はセリーナのことを心配してるんだろ?だったら、いい方法がある』
あ~あれだよな。
「あ〜……その方法、なんとなくわかる」
『エドガーに会う前に、セリーナのレベルを99にする。それと、最強の装備を手に入れる!』
「やっぱりか……結局、またあの世界に戻る前提だな」
『当然だろ。このままセリーナと別れて、彼女一人でエドガーに会いに行かせたら、君は一生後悔するぞ。だったら、誰にも負けないくらいレベリングして……そうそう、確かに毎日一回蘇生できる〈不死鳥の紋章〉はドロップできる。完全武装の状態でエドガーに会えば、少なくとも“あの世界”での死亡確率はほぼゼロになるんじゃない?……まぁ、さすがにソロでレベル99はキツいけど、君の話だと、レベル60〜70あれば無双できるんだろ?だったら、そこを目指せばいいさ』
「はぁ……君ならそう言うと思った。でも、間違ってはいない。このまま辞めたら、きっと後悔する。じゃあ、君の言う通り、まずは迷宮都市に行くのが先だな」
『え?なんで?他にも経験値のいい狩り場あるぞ?』
「あの世界、ダンジョン以外のモンスターがリポップするかどうかもわからないんだ。妙にリアルでさ」
『ちぃ……めんどくさいけど、じゃあ迷宮都市に行くか!オレはすでに40層まで潜ったから、ダンジョンも一直線で簡単だし、ソロで回るにはちょうどいい難易度かも。ボス周回なら、経験値もかなり稼げるぞ』
やっぱり、人と話すと心が落ち着く。
確かに、今後も危険な場面に遭遇する可能性はある。でも今は攻略サイトをフル活用して、セリーナを最強に育てる。ソロで邪竜と戦うような無茶をしない限り、きっと大丈夫だ。
攻略サイトの装備リストを見て、あるものを発見した。
「そっか、その前に“無垢晶”が欲しい」
『なんで?』
「あの世界では、状態異常がゲームよりずっと厄介なんだ。今日も麻痺で3秒動けなくなって、気持ち悪くて転移もできなかった。だから、全状態異常を防げるあのネックレスを先に作っておきたい」
『なるほど……無垢晶か。え~~と、フムフム、ナイジェリアの森の近く、〈翠夢の森〉でドロップできるよ。迷宮都市に行く前に、先に寄った方がいい。適正レベルは40だから、今の君なら行けるはず』
「わかった、あとで攻略サイトで路を確認する。サンキューな」
『いいって、これくらい』
「いや、もしタピオカくに話してなかったら、俺はログイン頻度がどんどん減ってたと思う。そしたら、セリーナの母親との約束を破ることになる。……今考えると、もし約束を破ったらどんな罰があるか、わからないなぁ。ホントに、ありがとう」
『豆腐くん、恥ずかしくないの?リアルでそんなセリフ言うヤツ、ホントにいるとは思わなかったぜ』
「おまえな……」
『オレのフレンド申請、届いてる?受け入れてくれよ。せめてゲーム内でチャットくらいはできるように……チャットが届けるの話ですけどね。』
「……はぁ、わかったよ。申請が届いたら受け入れるよ。今度はお礼に、飯でも奢らせてくれ」
『オレ、遠くに住んでるから、一生奢らせる気ないだろ!!』
「バレたか」
こうして、気づけばタピオカくんと長電話していた。知らないうちに、今後の対策までしっかり立てていた。
確かに、ゲーム内……いや、“あの世界”で死んでも、こっちの俺が死ぬとは限らない。あの神社の神様も、きっとそうはさせないと思う。
エメラルダさんとの約束を守るために、精一杯やってみるか。
約束を破ったら天罰……は、降りてこないように。
あ〜ははぁ。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
書き溜めたのはここまでです。続きがある程度まとまり次第、すぐに更新いたします。
この物語が、少しでも心に残るものでありますように。
もしよろしければ、前作も読んでいただけると嬉しいです。




