メアリー会戦
☆☆☆ゴトー軍
「ねえ。僕もさ。戦いたいよ」
「お止め下さい。万が一あったら、武器弾薬の補給がままなりません」
「フフフフ、ゴトー様は、デンと構えて下さい。士気があがります」
・・・異世界転生して、現代兵器を通販出来た。
さあ、これから、チートだと思ったが、
この国の圧政を目の当たりにした。
冒険者の有志と決起して、王国全土の大部分を制圧、残りは王都近郊のみだ。
「でも、王都を陥落させても良かったんじゃない?」
「いえ、王都は、三方を山に囲まれ、攻めにくいです。降伏の使者が向かっています。王の処刑で和議が妥当かと、その後の事は、私らにお任せ下さい」
「まあ、いいか」
しばらくして、とんでもない話を聞いた。
「え、使者団が攻撃された!銃を持っていて何故?」
「どうやら、油断していたところを大勢で不意打ちをされたようです」
「卑怯だ!僕が出る」
「畏まりました。用意しましょう」
・・・・
500人余りで、親征をした。僕は軽装甲車に乗る。
他は、パジェロや高機動車、トラックだ。
しかし、道が悪いし、細い。燃料や弾薬も乏しい。
「ゴトー様、近隣の領主から、親征をお祝いして、金貨を上納したいと来ました」
「有難う。これで、圧政から開放できるね」
「・・・はい。どうぞ、使って下さい」
(これじゃ、前の国王と変わらないではないか・・)
「やった。これで、弾薬の補給が出来る。壊れた銃も交換できる」
・・・そうだ。僕の通販は、対価が必要だ。万全じゃない。
銃は、すぐに、ジャムるし、整備も難しい。最新式の銃なのに、
弾は一発200円を超える。
この世界の価値のあるもので、召喚しなければならない。この世界、小麦は一キロ2000円を超えるが、僕の世界では、200円くらいにしかならない。
魔石に至っては、価値は0円だ。
日本の基準らしい。
石油でもあれば、違うのだろうけどな。
そして、ゆっくり進軍し、各諸候から、遠征の費用を上納されて、1週間後に、王都近郊に続く道まで来た。
「何だ。あれは!」
「要塞が出来ています」
「道に大穴がほられています!」
「周りの草原に入ったら、パンクしました!剣山が仕込まれています」
「危ない!空に怪鳥が!」
☆ツメラギ王国陣営。
ゴトー軍は混乱していたが、メアリーも混乱をしていた。
「フヌー、自走砲はおろか。迫撃砲もない?まさか、長距離誘導弾でも召喚したか?」
おかしい。映画でかっこよい銃撃戦が行われるが、あれは、戦争の一局面だ。
普通、その前に、砲撃、爆撃があって、
「メアリー様!敵が撃ってきました!」
「皆、壁から、頭を出さないの~~」
「「「壁から頭を出さない。御意!」」」
バン!バン・・・・・
カン!カン!
藁人形に鎧を着せた。
敵はこれを誤認している。
迫撃砲は?
「怪鳥2分隊!敵の砲陣地を確認出来ず!」
「さがすの~」
「陛下!爆撃に切り替えたいのです!」
「・・・許可するの!2分隊以外は、爆撃なの~~」
「「「「2分隊以外は、爆撃!御意!」」」
いくら、探しても、迫撃砲が見つからない。
おかしい。何かある。
見逃すな。
最小限の被害で、敗退。
これを忘れてはならない。
☆ゴトー軍
「うわ。空から、燃える樽が落ちてきます」
「周りの草に引火します!」
「風が向かい風です。魔道師軍団がいるようです」
「え、そんなの銃で簡単でしょう。突撃だよ」
「「「突撃!」」」
あたかも、銃を持っていない陣営が近代戦、銃を持っている陣営が、前時代の突撃をすることになった。
「陛下!敵がキルゾーンに殺到しています」
「・・・・えっ、何なの~~~」
「弓の曲射なの~~、時間を稼ぐの~~」
「「「弓の曲射、了解です」」」
壁から頭を出さずに、撃てる方法だ。この2週間練習をしまくった。
「壕から、カタパルト出すの~、投石なの~」
「投石!了解!」
そして、本命、魔力指向性散弾だ。これに、相手は驚いて、アウトレンジの戦いをするだろう。
そしたら、戦ったという証明になる。援助してくれた国に顔向けが出来る。
「魔力充填完了!」
「「「点呼なの~~」」」
「1小隊から、8小隊まで、耐衝撃姿勢を取りました。異常なし!」
「魔力!充填なの~~」
ドカーーーーーン!!!
「4番基、不調!調べますか?」
「そのまま放置なの~~」
「怪鳥から通信筒、敵!敗退!」
「ハニャ、もっと見るの~、勝てるハズがないの~!」
「・・・敵、魔力指向性散弾で敗退、動いている者は、ほとんどいません。追撃しますか?」
「ダメなの~、銃を持っているの。死に際に撃つかもしれないの~、待つの~~~」
戦場では、
「ウグ、ウウ~」
「助けて、降伏します。誰か来てぇー」
うごめく声が聞こえた。
やがて、3日経過し、声も聞こえなくなり。動いている者はいなくなった。
「「「「「ウオオオオオオオーーーーーー!」」」」」
「我が方は戦死者0だ!」
「これも、陛下の指導の賜物!」
何だ。銃しか召喚出来なかったのか?
なんて、チグハグな。
銃を持っただけでは何のアドバンテージにならない。
工夫が必要なのに、
「フグー、危険な武器は、集めて、一括管理するの~」
これからが、大変だ。王国中に銃は散らばっただろうか?
鹵獲した銃と弾薬を集めて、教導隊を作る。
「なんなの~、これ」
鹵獲した銃をみて、驚愕した。
銃は錆び錆びだ。よくて、外観を油で拭いたものしかない。
だから、ジャムるのだ。
アサルトライフルは1000発に一回は、ジャムる。
整備をしないと確実にジャムル確率は高くなる。
その対処法は、難しいことはない
手動で強制的に弾を排出したり。ある部分を叩くだけなのだ。しかし、それでは解決出来ないときは分解して、解明する・・・
孤児を集め。一から仕込むか・・・、まだ、ゴトーはいるしな。
そうだ。援助してくれた国にお礼を書こう。
「陛下、ザルツ帝国から、金貨一万枚と引き換えに、銃の性能、弾丸を通さない物や、その他、対処法を教えてくれと来ましたが・・・」
「やるの~」
金貨一万枚だ。
大事な顧客だ。丁寧に前世の記憶を書いて、怪鳥で届けてあげた。