はじまり
ー今日もまた変わった一日が始まるー
朝通学時間。
自転車で向かう途中、自転車の傘さし運転やスマホ見ながら自転車に乗る。
並列になっての走行、イヤホン聞きながらの走行。
自転車だから歩行者だから車だから
ルール無視は日常茶飯事だ
ルール=規則、規制、慣例、約束、しきたりなど
分かっているけど守らない人が大多数だ
みんながやっているから
他の人だってやっている
そんな理由で自分はいいからと思っている人がほとんどだ
私もその中の一人。
だけど突然当たり前だと思っていた事が一変して変わった
昨今
一人に一つ番号が割り振られる制度が始まった
誰しも番号で管理される中
未だに番号割り振られていないものが大多数いる
あらゆる企業がその番号を作成するとポイントを付ける制度が始まった
ポイント付けて発行させる手段を被っても未だに作成されてないこの世の中
そこで考えた
ー番号を作成するとその人にポイントという金銭を付与する
【きちんと1人につき一つしか作れない制度になっている為悪用もできないようになっている。
身分証や住民票、本籍地などきちんと身分証を証明できる物を提示し、番号発行されたらそれにICチップが当て振られ、番号で管理している。
このシステムを改ざん出来ないように暗号化もしてある。
ハッカーにも操作出来ないようにしてある
この制度を施行するにあたり、国民全員に国の予算で割り振られるお金を利用して、1人当たり50万を付与する。
代わりにマイナンバー制度を活用して小さな不正や犯罪、盗みなど不正に関する事を行った、目撃したなどルールやモラル、法律に背く行為を行った際はポイントを引いていき、
善良な行いをした、善良な行いを目撃したなどの事があればポイント加算されていき、そのポイントがまるまる自分の資産になる。
善良な行いをした、善良な行いを目撃したなどの事があればポイント加算されていき、そのポイントがまるまる自分の資産になる。
決してポイントを欲しいからと割り込みしたり、一番先にという気持ちでいるだけでもポイント
のマイナスにかかわる。】
いつだれが見ている、見られている事を常に意識して生活してほしい。
都道府県別に試験者を派遣し、この制度を1ヶ月後の12月1日に施行する
以上 この内容の責任を私 羽瀬川 啓規が行うー
こうやって決められた制度によって私は試験者になった
試験者に選ばれた理由は簡単なこと。
私がこの制度を考えた娘だと言うこと以外ないのだ。
大学に通う1年の羽瀬川渚
私は父親が政治家だということに別に誇りもない。
もともと幼少期の時から父親は政治家で、私にとっては父親はいないような存在で育った。
幼少のころから政治家に対して、守られたり、悪いことをしても擁護されたり、そんな生活が嫌で、高校卒業する時に家を出た。
高校まで何不自由なく育ててもらい、生活には困らなかったが、私は幼少期の頃からこんな生活に対して少しずつ違和感であったり、不信感を抱くようになり、当たり前のことをきちんと出来る人間になりたいと幼い頃から思っていた。
欲しい言わなくても買ってもらえるそんな生活。
目立つような行動は控えさせられていた。
友達も自然と出来る訳もなく、みんな私の父親の存在で恩恵や好奇心、政治家の友人を仲良くして何か困った時には助けてもらおうと思っている友達が多く、なんとなく付き合っているようなもの。
それが嫌で、きちんと自分が選んだものに従おうと思った。
高校入ってすぐ、バイトも始めた。
2時間かけて通うバイト先のカフェ。
エターナルツリー eternal tree
ここのバイト先を見つけたのは中学生の時―
当たり前のことを自分で判断できるようにとふとネットで検索してた時に口コミサイトでコメントが少ない店を見つけた。
その時に写真を見つけて見た印象が私には根強く残っている。
自然が多くて、花や木、森が多い
都心部には割と近くないこの場所に佇むカフェに気持ちを持っていかれた。
その時に私はここでバイト始めよう、そしてこの家を出ようと考えた。
家を出る際に母と父と約束したことがある。
母は
「週に1度家に帰り近況報告とご飯を一緒に食べること」
父は
「政治家の娘でもあるが私の大事な娘なので守られている事は嫌だとは思うが、困ったこと何か些細な事でもあればすぐ相談しなさい。協力はしたい。
渚を一度も見守らなかったことはない。渚は大事な存在だから。」
そう言われはしたが、特にそれで「はい」と納得できる賢い娘ではなく簡単に受け入れられない。
電車に乗りながら随分と色々考えてしまった。
目的の駅についた。
バイト先のカフェのマスターは夫婦で営んでいる小さなカフェだが、とても夫婦共々雰囲気も良くカフェにもその雰囲気が漂っている。
大学生になった今でも相変わらずこのカフェで楽しくバイトしている。
「おはようございます。今日もお願いします。」
そう伝えると太陽の様な笑顔で
「おはよう。今日も宜しくね。渚ちゃんが来るとほんとに元気もらえるんだよ。」
とご主人に言われた。
「そんなことないですよ。私はこのカフェでお仕事できるのが幸せです。」
他愛もない会話をしながら窓ガラスや花や木々の手入れをする。
テーブルもアルコールでタオルに含ませてきれいに拭いていく。
拭き掃除終わったら、テーブルのナプキンやガムシロップやポーションの補充、マドラーなどのテーブルに置いてあるものの補充だ。
掃き掃除に関しては奥さんとご主人がやっているので私はホール内の事をしている。
今日も音楽が心地よい。オルゴール調のミュージックでヒーリング効果もあり、ゆったりカフェを楽しんだり、ほっと一息くつろげる様な空間になる。
ーそしてお客さんがやってきたー。
バイトが終わり、また試験者としての日々に戻る。
腕に付けてあるスマートウオッチとスマホが連動している。
今現在、私のポイントは現在7万5500ポイント。
自分番号をカードタイプの物を発行してもらって2万ポイント。
スマホに専用のアプリで番号を登録しておくと50000ポイント。
ポイントはどういった基準で付与されるのか。
まだ確定じゃないけど、一覧で大まかに紙でもらった記憶がある。
一体どういう基準でポイントが付与されるのか。
それは例えば、信号無視や無賃乗車、万引き、歩きスマホ、自転車でのイヤホンなどルールに違反しているのに運よく警察とかに目撃されたり咎められたりしてない行為を報告するごとにポイントが付与される。
それはどうやってやっているか。
今日の朝からはじまる。
今日も朝大学まで行くまでの道すがら、歩行者信号は赤。
まだ青信号に当分変わりそうにない。車は通ってない。私は横断歩道で待っていた。ほかにも数名待っていたのに、スマホ見ながら音楽聞きながら、信号見て車来てない事を確認して渡っていく一人の男性。
平気で赤信号でわたっていく。
男性がわたっていたのを見ていた人があの人も渡ったならいいかー。程度の気持ちの人が何人か青信号待たないでわたっていく。
合計5人。
私はそれをスマホに情報入力
どんな人物かは支給されたスマートウオッチやスマホに付けられているストラップで相手を認識。スマートウオッチを見る動作で相手側に向ける瞬時に防犯カメラやスマートウオッチに内蔵されているアプリが連動して、その相手の情報が政府のデータ認識センターにて判別してくれる。
私は選ばれたのには一つしかない。
政治家の娘だからだ。正直政治家の娘をということに周りの態度が変わることに辟易していた。
でも、それでも友達と呼べる人や、きちんと私をいう存在を理解してくれている人もいる。
母も何かと気にかけてくれているし、あんまり無下にもできない。
正直守られたり、監視的な事をされるのは好きじゃないが、父親の政治としての理念に共感したから。
「国民平等」
差別や富裕層や低所得などの差別がないよう、一人ひとり人間としての尊厳、価値、必要性についてきちんと徹底管理する。
そのために1つの実験をとして国民ポイント制を設けることにした。
このポイント制度を実現するために模擬体験との事で私は選ばれたし、父の思いにも少し共感して、やることにした。
実際このポイントを現金として使う事もできるようになるし、悪を見逃さず、ルールに沿った事をちゃんとしていけば、その都度ポイントも貯めるようになる。
ルールを守る。悪を見逃さずとはどういう事か。
例えば、歩行者用信号機で横断歩道があるのであれば、きちんと青信号で渡れば、+300ポイント。
横断歩道じゃない道で斜め渡りしたら-500ポイント減。
歩きスマホで-5000ポイント減。自転車でのイヤホンやスマホの危険走行は-5000ポイント減。
様々ルールがある話し始めたらきりがない。
今日も情報を入力してデータ送信していく。15000ポイント獲得。
きちんとルールを守っていれば、毎日1000ポイントは増えていくし、こうやって情報を報告して、データとカメラなどの情報が正確にあっていたら情報反映する。
情報の反映は早く、1時間もあれば反映される。
このポイントは銀行でも引き出しもできるし、電子マネーやQRコードのチャージにも使える。
帰宅して家でも基本はスマートウォッチをつけている。
生体認証や静脈で本人かの認識をしているががカメラはスマートウォッチにはついてないので監視はされない。
この試験者は半年ほど継続して、各方面に滞在、在籍している試験者がいるが、半年経過したら正式の試験者になり、本格的に試験者としての実績や行動を常に監視、管理される。
試験者はその都度変更になることがある。