8話
8話
しかし誰だったんだろうと信二はさっき入った経理部での女達の顔を思い出していた。だが典子に似た女は大勢いて信二には誰が誰かは見当も付かなかった。そんな折、再び信二へのメールが入った。「ねえ信二君、私達メル友やって短いけど、そろそろお互いに素直に会わない?」と、典子の方から積極的にメールが入ったことで信二は典子とのことを真剣に考えるようになった。
だが信二は何故か典子との熱愛を素直に受け入れられず、何故かモヤモヤしている自分に気付いていた。まだ一度も会ったことのない典子に「愛してる」なんて言えるはずもなく、信二はは慎重にことを済ましたかった。「なあ、俺たちちゃんと会ったこともないのに俺はお前を愛してしまったんだ」と、典子にメールした信二は本気で典子を愛していることに気付きそして愛の告白を済ませた。
信二は本気で典子を愛してしまったようだ。会ったこともない典子を心から愛した信二は典子に「結婚して欲しい」と、告白したが、典子は「私達は結婚出来ないの」と、信二のプロポーズを典子は断った。それは信二にとっても典子にとっても不幸な出来事だった。そして「何故?」と、信二は典子に問うが典子の答えはいつも同じで「私達は永遠に結ばれてはいけないの」と、変わらなかった。