【なぞなぞ9】魔王ちゃん、漫才する
「我、アルバイトがしたい」
魔王ちゃんはラムザに向かってそう言った。
「魔王ちゃん。なんですか、そのキャッチコピー。求人広告のCMでも狙っているんですか?」
「我、社会に接点ないじゃろ? 労働をして民の苦労を知り、民の不満なども聞こうと思ってな」
「おおっ。幼いとはいえ、さすが魔族の長ですね。ご立派です」
「えへへ。そうじゃろー、そうじゃろー」
「だがしかし! 魔王ちゃんはアルバイトできません!」
「へ? な、なんでじゃ?」
「だって魔王ちゃん、接客できないでしょう?」
「何を言っておる。そんなの余裕じゃろ」
「そこまで言うのなら、ちょっとシミュレーションしてみましょうか。魔王城の近所にある『デビルストア』を想定して接客してみましょう」
「うむ。面白うそうじゃな」
「では、魔王ちゃんはお客様をやってください。私は店員をやります」
「わかった……あれ!? 我がお客様やるの!?」
「ささっ、早くお店に入ってきてください」
「これやる意味ないじゃろ……まぁいいか。店はいるぞー」
うぃーん
「いらっちゃいましぇ!」
「出だしで噛んどる! お主も全然ダメではないか!」
「くくく。本番はこれからです」
「どうだかのぉ……あの、これください」
「ドリンクとお弁当ですね。こちらは魔法で温めますか?」
「お願いします」
「かしこまりました。こちらのお弁当も温めますか?」
「さっき温めたのドリンクだったの!? 絶対ダメじゃからね!?」
「なぞなぞはおつけしますか?」
「お箸をつけんか!」
「では、問題です」
【なぞなぞ9】
柿の中から武士が生まれました。
彼の名前は柿太郎。将来の夢は社長になることです。
さて、柿太郎はどんな会社の社長になりたいのでしょうか?
「魔王ちゃん。接客って難しいでしょう?」
「やめさせてもらうわ!」
「ありがとうございましたー!」
「(なんだったんだ、この会話劇は……)」
前回【なぞなぞ8】の答え
正解『カラス』
理由『一生懸命お花の世話をしても、枯らす(カラス)から』