OH、 嘘でしょう............
宜しくお願いします
「ほう、それは面白そうだな、エモリア、レントルス公爵令息、僕も混ざらせてくれないか?」
「な!」
“サアッ”
さっきまでマグマの中に放り込まれたように熱かった体は一瞬で冷え、同時に欲望へと放り込んだ意識は瞬時に理性を取り返す。
「。。。。。。。。。」
「。。。。。。。。。」
え、さっき私、ええ!!
嘘、私さっきペドルアに流されて、そして......
......お、OH, 神よ、私はなんてことをしたのでしょう、
あ、ですが誰だって人生で一度や二度過ちを犯しますわよね、
ええ、だって前世で普段はあんなにしっかりしていた先輩ですら酒に飲まれてあんやかんやあったのですから、
ええ、そうよ、そうなのよ、誰だって完璧じゃないですから過ちを否定してはいけませんわ、
そう、なんて言うの、失敗は成功のもと?そうそう、『女の子は一度ぐらい火遊びし、火傷してから本当の女になる』って前世で酒に飲まれた先輩が言ってましたわ。
うん、そうです、私は流されたのではなくて女になるため敢えて火遊びしたのです。
そう、だから今回はペドルアときちんとケジメをつけ、この人生の黒歴史を記憶の隅っこに放り投げ、永遠に蓋をしたら、
「ねえ、エモリア」
“ビクッ”
こ、この声は、
恐れ恐れと声の方に振り向くとそこには案の定ハニーゴールドの髪を持つ美少年が部屋のドアに寄り添い、私達に完璧な微笑みを披露している。
「や、レオール様......」
まあ、傍から見るとこの安物王子のキラキラスマイルは魅力的で普通のご令嬢はこれで落ちるでしょう。
ですが私は気づいてしまったのです、あの安物王子が持つ普段ではエメラルドみたいに爽やかに輝く目は今ではメラメラと燃える火の如く赤いルビーになっていること。
ああ、確か翔さんから聞いたことがあります、あの安物王子は本心で怒っているときだけ目が赤くなると。
いや、それはどうでもいいです、肝心なのは私が婚約者じゃない人と一線を越えようとした所を仮でも婚約者な安物王子に見られた事。
そう、現時点では多分、いや、絶対に婚約破棄されるでしょう、
それにもし今回婚約破棄された理由を世間に知られたら私は貴族会から確実に追放され、同時にあの性悪女にゾッコンな実の兄はこれを機に私とメリエード伯爵家の縁をなんとしても切らせる、
いいや、私だけならまだしも、
もしこのことでまだ牢獄にいるリチェルと他の悪役令嬢に迷惑をかけたら......
......OHH,そうだった、ここはあの性悪女に優しいクソゲーの世界だった、それじゃあこの世界の神もあの性悪女の味方でございましたか、
うん、ちょっと泣きたいです。
「これはこれはレオール・ナタリソーテ・レナレード第三王子じゃないですか、どうしたのです、確か家の人とご対面なられたのでは?」
「ええ、まさか昨日も会いましたのに今日も会うとは思いませんでした。ですが流石噂のレントルス公爵家直属の暗部ですね、僕が直接出陣しなければとっくに負けていましたよ。」
「フ、」
あれ?
一瞬だったけどペドルアの顔が翔さんが悪巧みしている顔に見えましたが、いや、気のせいか。
「なんだ?」
「フフ、おめでとうございますレオール王子。」
ん?
「なんの事だ?」
「聞きましたよ、以前から僕の幼馴染のセレナ・ケレンドル公爵令嬢と仲良くなっていると。」
「......それがなんだ、」
「風の噂から聞いたのですがレオール王子はつい最近にできた多夫一妻をきにセレナと密かに婚約を交わし、エモリア・メリエード伯爵令嬢と婚約破棄するようで」
んん!!?
婚約披露パーティーではもう人妻になった性悪女と結婚できないからってあんなに落ち込んでいたのにもう王家の許しが出たの!?
「な、そんなこと!」
「いいですよ、セレナは僕の幼馴染ですから彼女の幸せのためならば僕はなんだってします。」
ああ、本人から聞いたら思ったよりキツイですわね、
そうよ、もうとっくに分かっているじゃない、彼は翔さんではないと同時に彼はセレナを愛する私の敵だって、だからこれが『火遊び』だって、
もう、私、バカみたい......
「何が言いたい?」
言って、そして私を諦めさせて、
「ですからレオール王子は安心してセレナと結婚してください。大丈夫です、エモリア・メリエード伯爵令嬢は僕が嫁にもらって永遠に愛し続けます。」
そう、彼は私を......
......え?いや、何で?
「フ、レントルス公爵令息は自信家ですね、あなたがエモリアを愛してもエモリアがあなたを愛してるとは限らないのですよ。
ちなみにエモリアには「翔さん」という名の恋人がいるご様子で。」
キャ!そんな、恋人だなんて~~
いやいやいや、私ったら何浮かれてるの?
しかもいつ私の隣りに来たのよこの安物王子!
近い、近すぎる、今は手足が鎖に縛られ逃げる場所なんてどこにもないけど私にも羞恥心ぐらいはあります!!
「あ、あの、レオール様、近すぎませんか?」
「そうですかね、前回はこの距離だけではなかったじゃないですか?」
は?前回?
「前回、とは?」
“サワっ”
「きゃ!」
な、何?
「相変わらずエモリアは子猫みたいだね、今回も前回みたいに楽しもうね。」
はああああああ?????!!!!
「何言ってるんですか、私は、ん」
“チュッ”
え、ええええええええええええ!!!!!
お、OH MY GOD!!イマージェンシーイマージェンシー!!!
お巡りさん何処!?あ、この世界じゃ騎士さんか、じゃなくて!!
誰か!ここに****を働く人がいます、助けてください!!!!!!!
「ほんと、相変わらず猫ちゃんは騒ぎやすいね、でもあんなにしても満足できないとはやはり君にはお仕置きが必要かな?」
な、この男誰ですか!!
“カプッ”
「痛ッ!」
本心の叫びです、痛いです、痛いしか感じられません!
「......猫ちゃん、」
は!
眼の前の王子だけ見ていたら後ろをペドルアに取られた!
「ねえ、」
「。。。。。。。。。。」
「エモリア、」
「離してもらえます?」
安物王子に構ってる暇はないので、
“ガバッ”
気づいたら私はあの安物王子の腕の中に入り、おでこは彼の胸板に直撃した。
「あ、」
まあこの人はなんて言っても王子ですので剣で鍛えられてもおかしくないのですが彼の腕をよく見たらアザや古い傷跡が数箇所残っていた。
「レオール様......」
......最初にあった頃は普通の運動さえ苦手だったのに、
「ん?どうしたの?」
あの性悪女とは言え頑張ったのですね。
「いいえ、速く離してください。」
「そうだな、でも僕はもう少しこうしてみたいが......だめか?」
いや、子犬みたいに上目遣いされてもね、
「エモリア......」
「うう、」
どうして、何か私が悪い事をしたような気がしてきましたわ、
そう思った瞬間私は後ろから引っ張られた気がして、次の瞬間私は後ろから程よい筋肉がついた腕にロックされ、同時に言葉に表せないような視線が私を絡ます。
「駄目だよ、エモリア。言ったでしょう、僕とエモリアは永遠に一緒だと。
ねえ、エモリア、僕のお嫁さんになって、そして永遠に一緒にいよう。」
「あ、」
やっぱりあなたでしたか、
「だめだ、僕は絶対に認めない!」
「は?」
今更何を言うのです?
「僕はこれでも一国の王子だ、そして君は僕の婚約者、いいえ、僕の未来の妻だ。」
はああ!?何勝手に、
「何言っているんですか、レオール様が「愛してる。」」
え?
「僕が思い続けてる人は10年前から変わっていない、僕は君を愛してるそれは紛れもない事実だ。だがエモリアが僕の愛を疑い、そして他の男の胸元に飛び込むと言うならば僕は君の婚約者、いや、未来の夫として君をお仕置きしないといけない。」
いや、いやいやいや、そんな勝手な!!
「ねえ、エモリア、永遠に一緒にいよう。」
「ま、ちょっと強引だと分かっているが僕は君を愛してる、だから、ねえ。」
「いや、その、ええっと、」
「。。。。。。。。。」
「。。。。。。。。。」
き、気まずい、
いや、そもそもこれはなんですの?
話が早すぎてもう何がなんだか分かりません!
「......なあ、レントルス公爵令息、」
「ほんと、まさかレオール王子と同意見がある日が来るなんて、」
「え?」
「大丈夫、責任は取ります。」
いや、責任?いいや、大体は見当つきます、ですが、
「そうだな、そして後で誰のほうが気持ちよかったのか教えてくれ。」
“サアッ”
全身が一瞬で冷たくなり、私は全身を使って反抗しようとしたもののやはり鎖で縛られたせいで何もできなかった。
同時に二つの大きな影はいつの間にか息が感じられるほどに近づいて、私の小動物的危険本能は最大限のイマージェンシーベルを鳴らすが体が思うまま動かない。
う、嘘でしょう............
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