小話 謎は深まり
宜しくお願いします
白銀の月明かりが周りにある薔薇を優しく包み、さっきまで寒かった風嘘みたいだったように静まり、偶に心地良いメロディーを奏でる。
そんな大自然に作られた素晴らしい光景のド真ん中にいるストロベリーレッドの髪を持つ少女はまるで天女のようにその薔薇たちに微笑みかけながら少しずつ、少しずつ一輪の赤い薔薇へと足を運ぶ。
“タッ”
やがてその少女は足を止、気づいたら先程の天女みたいな微笑みは消えて、その真っ赤な薔薇へと手を伸ばす。
“カサッ”
そして少女の白い手は赤い血ににじみ、同時に少女はその真っ赤な血をうっとりと見ている。
「フ、フフフ、フフフフフ」
突然響く少女の笑い声は彼女の顔と似合わず聞く人の体が冷えるほど不気味で、そして美少女の顔はいつの間にか黒くなり、とても正義の味方とは言い切れないほど歪んでいる。
「まあ、セレナったらまたこんな顔して、どうしたの?」
現れたのは白いフードを深くかぶった女性、でも少女の後ろにいるその白いフードの女性に振り向かず、顔を黒く歪んだままでいる。
「どうした?フフフ、こっちが聞きたいわよ、どうなってんのあの王子!今日は私の婚約披露パーティーなんだよ、他の男みたいに私への忠誠を誓わないのはあの泥棒猫が邪魔するから仕方無いけど。でもどうして最終的にあの泥棒猫と一緒に退場するの?一般的に退場するのはあの泥棒猫一人だけでいいでしょう!!!!!」
“カサッカサッカサッ!!”
少女の白い手からポタポタと赤い血が地面を染めていく。
そしてあたりは一瞬だけ静かになり、一歩前に出てきた白いフードの女性はポンと手を少女の肩に置いて、少女から何があったのか丁寧に聞き出した。
「フフ、セレナったら本当に怒りやすいのよね。でもあなたからのお話によるとあのエモリア・メリエードは私達と同じピンク色のマカロンかもしれないわね。」
「でしょう!じゃああの時みたいにするしかない。」
「いや、そう判断するには少し早いと思う。」
「なんで、だって彼女がピンク色のマカロンだってみえみえじゃないですの。」
「ええ、ですが何か所不審な点があるんの。」
「は、なにそれ、」
「もしエモリア・メリエードがピンク色のマカロンだとしたらこのクソゲーの第二部の内容ぐらい知っているはず、でも私の観察とあなたの表現からすると彼女は第二部どころか第一部もやっていなかったようでした。」
「そ、それはただ私達に疑われたくないからですわ。」
「ええ、ですがそうでしたらどうしてエモリア・メリエードのセリフや言動はゲームに忠実してないのでしょう?」
「そうね、でも他の悪役令嬢たちだって偶にゲームと違う事ぐらいするわよ。」
「まあ、そうでしたの、ですがエモリア・メリエード彼女は他の悪役令嬢たちとなんか違うのよね。」
「それはどういうことですの?」
白いフードを深くかぶった女性の表情は見えないが、そのローズピンクの唇が少しだけ上に曲がり、綺麗なラインを魅せる。
「何よ、何笑ってるのよ。」
「いいえ、ただ、早まることはいけません、もう少し様子を見てから判断しましょう。」
「でももしエモリア・メリエードがピンク色のマカロンのマカロンだったら?それでは早くやったほうがよろしいのでは?」
「いいえ、例えエモリア・メリエードがピンク色のマカロンだとしたら彼女の背後には絶対に誰かが糸を引いてる。そしてもし私達がエモリア・メリエードをミミ・ベネザル男爵令嬢みたいにしたら......」
「。。。。。。。。。」
「わかりましたね、では、遅くなったけどセレナ、ご婚約者おめでとうございますわ。」
「ええ、ありがとう、でもこれは私の逆ハーエンドへの第一歩よ。」
「そうですわね、ではご婚約祝に一つだけ教えましょう。」
「フフ、なんですの?」
「前に言いましたわよね、このゲームをプレーしたプレーヤーは婚約者と家族思いのエモリア・メリエードに感動し、どうか「エモリア・メリエードにも幸せが訪れるように」と製作社に苦情が殺到したと。」
「ええ、そうだけど。」
「でもあなたは知ってる、レオール・ナタリソーテ・レナレード第三王子はあなた以外に踊った事が無いないのよ。」
「うん、だって彼はとっくに私の虜ですもの。」
「フフ、今はわからないですがそのうちそうなるかも知れませんわね。」
「え、それはどういう?」
「フフフ、そしてもし彼がエモリア・メリエードと夜会で踊り、それをあなたに見られたらそれはもうあなたの勝ちですわ。」
「どういう意味ですの?」
「さあ、ですが何かあったら連絡するのですわよ。」
「ですが「ごきげんよう」」
「......ええ、ごきげんよう」
そして女性は少女を後にし、少しずつ闇へと消え去った。
「何よ、あのクソアマ、もし私が逆ハーエンドをゲットしたら真っ先に消してやる。」
少女はボソッと言ったつもりだが、この静かな空間はその声を何倍も大きくした。
そして少女は血に染められた真っ赤な手を見て、あの白いフードをかぶる女性と間逆な方向へと足を運ぶ。
まるで最初っからいなかったようにローズガーデンは白銀の月明かりに包まれて、風は構わず自分のメロディーを奏でてる。
“ササッ”
突然な音に付近にいた小さな生き物は驚き、そしてその異端な音をする所にある木の陰からとある桜色の髪を持つ少女が出てきた。
その少女の体の全体には何故か何箇所も打撲痕があり、そして残念なことに彼女の顔にも一箇所あざがある。
でもその少女はなにかに怯え、困惑してるみたいでいる。
「どうして、どうして彼女たちがピンク色のマカロンのことを?」
だがその少女はのそんな顔は長続きはしなかった。
そして桜色の少女は
「そうだ、私、確か......」
とブツブツ言い、女性とストロベリーレッドの少女とは別の方向へと進んでいった。
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