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友達に謎がありそうで、

宜しくお願いします


 茜色の夕日が大地の中へ潜り、窓の外は暗くなり始めた。


 でも私はその事も冷え切った体も全然気にせず、ただただ窓の前に座りながらそのお月様もお星様もいない真っ暗な夜空を見上げてる。




「はあ、」


 どうしてこうなってしまいましたの?


「エモリア、大丈夫?」


「どうしましたの?どこか具合でも悪いのですか?」


「いいえ、何もありませんですわ、ただ、しょう、レントルス公爵令息はもう......」


「エモリア......」




 あのアフタヌーンティーから数時間が経ち、私はエーナの言葉に甘え彼女の実家へ数日間おじゃまにする事になりました。


 ちなみにエーナの両親、セナルデン侯爵はとてもお優しい方で、ただ私が数日間おじゃましたいとエーナが言っただけでまさかのOKされました。




 ですが、私が翔さんの屋敷(別館)から出ていく最後の最後まで翔さんは彼の隣りにいるあの性悪女とイチャイチャし、わたしなんか一目ぐらいでも見てくれませんでした。ほんと、実際私は彼が演技してるのかどうか分からいのです。


 でも、もし演技だったのなら翔さんはきっと最初っからあの性悪女に懐いていたでしょう、なら残された答えは......








    ...... ゲームの強制力にやられたか、




 “ツーン”

 うう、


 まるでナイフに刺されたように心が急に痛くなり、その痛みから注意を逸らすため私は低めのテーブルに置いてあるアップルティーを一口飲んでみる。




「はあ、」


 今でも思い出します、翔さんのあんな幸せな笑顔、ほんと、初めて見ました。ですがそれは私に向けられたのではなく、ゲームの強制力かも知れないですけど、演技かも知れませんですけど、でも、向けていたのは私にではなく、あの性悪女に......






 いやいやいやいやいや何考えてるんですか私、翔さんは私のビジネスパートナーみたいなもので、私の大事な同郷さんですのよ、もう、私ったら、


 もう、決めたじゃないですか、私は、幸せになると、


 何があっても、何を犠牲にしようとも、


「決めたじゃない......」


「え?何か言いましたの?」


「エモリア、もう寝る?」


「いいえ、まだ時間がありますし、もう少しお茶を一緒に飲んでも宜しいですか?」


  ではないと、私、眠れないかも知れませんの......


「うん、今日は、一緒、みんな、一緒」


「フフ、ありがとうございますわ、エベルトン様。」


「。。。。。。。。。」


「......エーナ?」


  やはり今日は早く寝たいのでしょうか?


「ごめんなさい、エーナ、では今日は寝ましょう。」


「あ、違いますの、その、エモリア、あなた明日時間がありまして?」


「え?」


 明日は確か学園はお休みですので、


「ええ、お恥ずかしながら明日は一日予定がありませんので、」


「でしたら、私とショッピングに行きませんか?」


「え、はい、光栄ですわ。」


 まあ、友達と一緒にショッピング、多分リチェルと一緒に行くこと以外あまり無かったような。


「エーナ、僕も。」


「エベルトン様はもうお忘れなのですか、明日は月に一度に行われる侯爵一家の跡取りたちとの会食で?」


「え、でも、それって、」


「私はまだ正式にセナルデン侯爵家の跡取りと決まったのではないのですよ。」


「うう、うん、わかった、僕、会食、終わったら、エーナの家で、待ってる。


 エモリア、明日の、夜、一緒に、遊ぼ。」


「そうですわね、明日みんなでいっぱい遊びましょう、ね、エーナ。」


「え、ええ、そうですわね、ですがエモリア、今日はもう寝ましょう。」


「え、まだ時間が早いのでは?」


「まだ、遊びたい。」


「もう、ワガママはいけませんわ。


 エモリア、明日はいっぱい買い物するのですし、早起きしないといけませんわ、ですから。」


「うう、僕、わかった。」


「ええ、では今日はここで、エベルトン様、エーナごきげんよう。」


「「ごきげんよう」」






























 翌日、何故かものすごく早く起きたエーナはまだ外が闇に包まれてる時に私を直々に起こしてくれました。


 あの、ええっと、確かに私はあの性悪女にばら撒かれた噂のせいで貴族街ではあまり歓迎されてませんが、ですがただのショッピングのためにこんな早くに早起きしなくてもいいのですが......


 いや、そんなことエーナだって知ってるはず、なのに、なぜ?






数十分後、私達は支度終えて普通の馬車を借りる所で変装し、嘘の名前を使って一番普通な馬車を借りた。



『やはり、』とその時私の疑問と違和感は確信に変わった。








“カタンカタンカタンカタン”


 馬車の中は非常に揺れ、もう何十分も馬車の中にいる今はクッションもないため全身が痛み始める。


 ちなみに私とエーナはまるで話し合ったように誰も話さず、ただ外にある景色だけが変わっていく。




「ゴメンね、エモリア、」


 あ、またエーナから謝られてしまいました、でも、たしかに今回は理由が知りたいです。


「ね、エーナ聞いてもよろしいですか、どうして私を......」


「ゴメンね、今は言えない、でも、あなたももうすぐ知ることでしょう、だけどこれだけは約束して、何があっても私を、いいえ、()()を信じて。」


「え、それは、どういう、」


「お願い、約束して、」


「ええ、分かりましたわ、ですが約束しなくてもエーナは私の友達ですから信じますわ。」


......ええ、私だって何があってもエーナの味方ですわ。




「エモリア、ゴメン、ゴメン、そして、ありがとう......」


   そして馬車の中は再び静寂に包まれ、同時に私に睡魔が襲いかかり、私の理性は最終的に欲に負け、そのまま眠ってしまいました。
















「......モリア......エモリア、......ねえ、エモリア」


「ううう、ん、エーナ?」


「もう、着きましたわよ。」


「あ、すみません、寝てしまいました。」


「もう、いいですけど馬車から降りるときくれぐれもコレを深く被ってくださいまし。」


 これって、フード?でも、どうして?


「ええ、分かりましたわ。」


 ですが今は言う通りにするしか無い。


「さあ、参りましょう。」




 太陽が頭の上に登り、大地は光に満ちてるはずなのに、私達が降りた場所はなぜか薄暗く、少しだけ不気味な感じがします。


 「さあ、エモリア、参りましょう。」


 「え、ここですか?」


 眼の前にある建物はこの薄暗いところの中でも一番不気味で、そこはまるでリアルなお化け屋敷みたいで、踏み込むのに少しだけ勇気がいります。




 「どうしたの、エモリア、」


 「いいえ、その、ここは一体、まさかもう国境を超えてるんじゃ?」


 「フフ、もうエモリアったら、ここはまだ王都の中よ、もう、どうしたの?」


  ええ、嘘、まだ王都の中にいるの?


  でも、この国ってもう戦争とかない平和で豊かな国なのでは?






“キーバタン!”


「ひいぇ!」


びっくりしました、ただいつの間にかエーナがドアを閉めただけですのね。


いや、私いつこの建物に入りましたっけ??






「ん?珍しくNEWフェイスが来たな、何だ、私を嘲笑いしに来たのか??」


 入ったの端にあるリビングみたいな所の奥にはボロいソファーが置いており、そしてそのソファーには一人の女の子が座っている。


 ただ、その女の子はキレイなワンピースを来てるのに、その桜色の髪もサラサラして良さそうなのに、それなのにその綺麗なワンピースから露出された腕と足には数箇所色んな傷があり、そしてその可愛いはずのほっぺたにも一箇所思いっきり殴られたような打撲傷が残っている。


 でも、この子、どこかで、


「ビックリさせてごめんなさいね、エモリア」


「あの、エーナ、この御方は?」


 まさか、あの子じゃないよ、ね、


「ああ、そうでした、紹介するわね、エモリア、この人はベネザル男爵家の次女、ミミ・ベネザル男爵令嬢ですわ。」











誤字、脱字及び気になる点などありましたらお気軽に感想欄や活動報告のコメント欄に書いてくれたら嬉しいです。(待っています~~)

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