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やはり味噌汁は米と一緒に食べるのが一番いい 翔視点

今日は2篇お送り致します(翔視点が長すぎて途中できることにしました)


よろしくおねがいします


思えばすべてが偶然だった。


だがそれが偶然すぎて本当に偶然なのか今でも分からない。




ああ、その時俺は偶々ケベレダ・ソタリケーネ・レナレード第二王子といて、そしてケベレタ王子が偶々アップルパイが大好きで、それで偶々その学生食堂に新しくアップルパイを販売してて、そのアップルパイが美味しいと評判だからケベレダ王子と試しに行っただけだ。













「なんか混雑してるね、そうだ、先に食べる場所を確保してきて、私はペドルアの分も買ってくるから。」


 このキラキラ王子本心で言ってるのでしょうか?


 ココが混雑してるのは全部あなたのせいでしょう、はあ、もうなれましたが相変わらずマイペースですね。


「ええ、わかりました、でわ後ほど。」


 ですがそうやって何年も付き合ってる()もなんとも言えませんね。




自分で言うのもなんですが()は三大公爵家の1つレントルス公爵家の長男で、成績優秀、頭脳明晰、そして社交界でも()のルックスは話題の一つでもある。


ですが一つだけ、なんか気になることがある。


それは()の小さい頃からの幼馴染、セレナ・ケレンドル公爵令嬢だ。


いや、言っても信じてくれないと思いますが、小さい頃からどうしてかもう僕の体には一人の自分がいるみたいで、そしてそのもう一人の僕はその女に物凄く警戒してる。


まったく、どうして警戒する必要があるんでしょうか?

ケレンドル公爵令嬢は確かに何度も会いますが偶然に過ぎませんし、ほんと、自惚れ過ぎですよ。




数分後、ケベレダ王子は大好きなアップルパイを山程買い集め、それで僕は近頃アップルパイを食べないと決意しました。




「さっきのアップルパイはなかなかの物でした、ですがもう少し何かが足りないと思います、ペドルアは?」


「ええっと、」


  最後は本当に苦しかった......


「そうですね、()は、」


「うううう、苦しい、もうこれやめとこう。」


「う、」


 一瞬僕が口走ったと思ったじゃないですか!


 ほんと、誰だ!




「うう、やはり鰹節とか昆布とか日本の醤油が欲しい。ほんと、味噌ときのこ類だけじゃもう飽きる......ま、でもここは異世界だし、よく考えればこの味噌汁もおいしいからいっか、いただっきま~す!」


は?何いってんだお前、こんなとこに醤油なんてあったら俺も苦労しないのに。


しかも鰹節と昆布だ!?()だってそんなの欲しいよ!


あ、あれ......どうして、()、そんなの知ってるんだ......




う、なんか、頭が!


「なあ、ペドルア、どうしたの?なあ!」


そして頭に浮かんだのは俺のじゃなく前世の()、秋内翔の記憶。


そう、そこで俺は自分が誰なのか、ここがどこなのかとはっきり思い出した......






















夜が冷え、念の為に実家に帰った俺は曇って何も見えない重い空を見上げてる。


昼に味噌汁愚痴ってたあの女、多分俺と同じ転生者だろう。


だがあいつは一体何者なんだ?




俺が分かるのはここがあの例のクソゲーの世界で、そして俺が前世の俺(翔)が演じたキャラ、ペドルア・レントルスだ。


ちなみにこのクソゲーには4人の悪役令嬢がいて、そして各悪役令嬢に3人の攻略者を担当させている。


いや、“担当”って言うとなんか変だが。


  一方その悪役令嬢が担当するルート以外に3人シークレット攻略者(キャラ)が存在してるらしく、同時にそのシークレット攻略者(キャラ)はその12人のメイン攻略者キャラの誰かを攻略する時で0.1%の確率で出てくる超がつくレア攻略者キャラだ......




......なあ、気づいたか、問題が?


ったくまだ分からないのか、あのクソゲーには逆ハーエンドがあると忘れたのか。


要するにもし逆ハーエンドを狙ってるなら攻略者たちは15人で一人の女を共有することになる。


いや、もし本当に愛したならばしょうがないが、前世の記憶を取り戻した今俺はあの主人公を、あの女に生理的な不快を感じる。


しかもその3人シークレット攻略者キャラの中の一人が俺のルートでもう付き合ってる段階で現れる。


同時にもし主人公がシークレット攻略者キャラと仲良くすると俺のヤンデレ設定が爆発し、主人公を薬付けにさせるらしい。


それだけならばまだいい方だが主人公を薬付けにした後俺は全年齢版でもR18版でも例のシークレット攻略者キャラと何故かそこにいたレオール第三王子と一緒和解の4Pをしちゃう。


いや、俺も台本読んだときガチで思ったわ、そして製作者さんの所へ行きツッコんでいたわ、「どうしてなんのマイブレも無く急に現れ3Pに混ざってくるんだ、あの王子」と。


ま、最終的に製作者さん自身も分からないようだったが俺は気を取り直して一様ゲームに関わるすべてのキャラを調査した。






そして数日後、俺は学校で俺のルートを担当する悪役令嬢、エモリア・メリエード、ともう一人の悪役令嬢、エーナ・セナルデン、にまとわる悪い噂を聞いた。


もしかしたら、いや、十中八九主人公あの女だ。


はあ、通りで最近よく街角で会うと思った、ああ、やはりゲームが動き出したのか、早く次の手を考えなくては......








そんなある日、俺はレントルス公爵家直属の暗部からエモリア・メリエードが貴族街の喫茶店に追い出されたという情報が流れた。


ま、多分その悪役令嬢が自分の婚約者と兄を始める国の次世代を背負う“未来の希望”たちに叩かれた噂が町中でも流れたのだろう、ほんと、ご愁傷さまだ。




いや、待てよ、これは使える。 


もしエモリア・メリエードが俺と組んだら例のシークレット攻略者キャラの登場は遅れて時間稼ぎはできる。


そしてその間にできればあの味噌汁女を探し......




......いや、何考えてるんだ俺、


たとえあの味噌汁女が転生者だとしても俺より細かくこのクソゲーを知るはずがない。


しかもあの味噌汁女はただのモブキャラに違いない、ただ、俺もこの世界では味噌汁とコメが無いことにガッカリしてる。


いや、じゃなくて!!




「......はあ、ったくどこに行ったんだ?」


「どうしましたか、ペドルア坊ちゃま?」


「あ、セバスチャンか、なにもない。


 それより早く馬の準備を、貴族街に行くぞ。」


「はい、かしこまりました、少々お待ちくださいませ。」




 ったくごちゃごちゃ考えてる暇など無い。


   暗部から情報だとエモリア・メリエードは5分前に追い出された、じゃあいまそこに行けばまだ間に合う。












   陽だまりが消え、残ってるのは寒さと落ちてくる空からの号泣。


   そして目の前にはズブ濡れで泣いている例の味噌汁女がいた。


   ったく泣くなよ、俺だって本当は泣きたいんだぜ、翔は、俺はまだ両親を最後まで守ってやれて無い、そして姉貴も......




   「ペドルア坊っちゃん、そこのレデイーがエモリア・メリエード伯爵令嬢です。」


   「な、セバスチャン本当か?」


   「ええ、さようでございます。」


    ま、マジか......じゃあ、俺がずうっと探してたあの女が悪役令嬢と。


    俺は家エモリア・メリエードを仲間にするための作戦をいくつか練ったはずなのに、今じゃ頭が真っ白になり、何を言うのかわからない。


    だが同時にあの味噌汁女も自分の悲しみに溺れ、こっちに気づいていない。


    ったくどうして気づかない?


    少しでもこっちを見ろ!






 「攻略者たちに最初っから接しなかっただろうに......」


  突然の言葉に一瞬頭が回らなかった、だがそれは俺だってそうしたい、だが、


 「百パー無理だろうな。」


  味噌汁女がやっとこっちを見た、だが俺を見てる目には何も映らず、ただの生きる屍みたいだった。


  駄目だ、死んじゃいけない、ゲーム中でもゲーム後でも......


 「はあ、ったく風引くぞ。いや、もう引いてるそうだな。」


   だがせめて俺がいるから、微力だとわかってるが、こんなクソゲーの世界でも一緒に生きてくれ......









あと1篇は後ほどアップします!


誤字、脱字及び気になる点などありましたらお気軽に感想欄や活動報告のコメント欄に書いてくれたら嬉しいです。(待っています~~)

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