そして本当の嵐は............
R-15注意!!
宜しくお願いします
リナレード王国の名門校“セイントーラス学院”には1つのメインキャンパスと3つのサイドキャンパスがあり、そのメインキャンパスだけで8棟主要な教授校舎と4つの食堂がある。
そのメインキャンパスにある学生達に一番人気がある食堂は普段大勢の学生で賑わっていますが、今、彼らはどこかの劇を観てるかのように静かで、一つの事に関心してる。
そう、彼らは多分、私の前で低気圧を放つエーナ・セナルデン侯爵令嬢と“婚約者に媚びてる泥棒猫”の対決を待ち望んでるでしょう
言っておきますけど私は無実です、百パーセント無実です。
ですが今の私の言うことなんか誰も聞く耳を持たない、そして言ってもただの言い訳しか聞こえないでしょう。
「どうしたの、顔色が、悪いよ、保健室、行く?」
ですからエベルトン様、空気ぐらい読んでください!
ほら、あなたの婚約者様が放つ低気圧がまた一段と......
ひいいいいい!!
エーナ様に振り向いた途端、彼女はさっきのレデイーの顔から一瞬で鬼の顔になった。
私は彼女が自分の顔に気づくようさり気なく私の顔に指をさしたけど、最終的にエーナ様の顔はもっとおひどくなり、私の小動物並みの危険本能が何度もイマージェンシー警報を鳴らす。
い、いや、ですから、エーナ様、顔、顔が!
ああ、これは、うん、
はは、お、終わった、何も、かも......
「友達」
「え?」
「エベルトン様?」
「この人、昨日初めてあった、昨日、草が気持ちいいから、花園で、寝てた。
この人、僕を心配してくれて、起こしてくれた。」
「え、ですがエベルトン様、昨夜この人からなにかされましたか?」
「なにかって?」
「え、ええっと、その、」
エーナ様がウジウジしてる時、私はこの食堂の隅っこで闇色の髪の持ち主が自信満々に私を見ているような気がした。
まあ、たったの一瞬でしたから気の所為でしょうか?
ですがこれは神様から貰った何かのサインかも知れません、そう、例えば、
「あ、あの、もしかして、エーナ・セナルデン侯爵令嬢ですか?」
「え、ああ、はい、そうですが。」
「まあ!あ、あの、その、私はメリエード伯爵家のエモリア・メリエードと申します!ええっと、その、実は私、ずうっと前からエーナ様の大ファンで、今日あえて誠に嬉しいですわ!!」
ええ、翔さんに教えられた悪役令嬢になる為の心得その6
敵に回したら厄介な人がいるときは敵に回すよりあえて慕ってるフリをし、相手と周囲に油断させる事。
ええっと、まあ、はい、やはり総合的な年上様は侮れませんですわね。
「ねえ、」
「あ、私ったら、誠に失礼致しましたわ。エーナ様に会えてつい......」
「......いいえ、あなた、エモリア・メリエードと言ったわね。」
「はい、そうです」
「......あのレオール王子の婚約者でエドルア・メリエード様の妹さん」
「え、ああ、はい、そうです。」
最近バタバタしててあの性悪女を愛してる男1号と2号を忘れかけてましたわ、オホホホ
「............ね、ちょっと来て、話があるの。」
ん?どうして?
まあ、
「....もちろんです、光栄ですわ!」
「ねえ、エーナ、僕も、」
「まあ、エベルトン様、私とメリエード伯爵令嬢は今女の子だけの内緒話をしに行くのですよ、ですから殿方のエベルトン様は少しだけ回避させてもらいませんでしょうか?」
「え、あの、僕、」
「では参りましょう、メリエード伯爵令嬢、そしてエベルトン様、ごきげんよう」
「え、うん、ごきげんよう....」
流石ですわ、私も小さい頃レオールにもっと強気だったら......
まあ、そっちはエーナ様ほうが年上ですからね。
ちなみにエベルトン様は私と同学年です、クラスは一緒ではないですけど。
お昼が終わるチャイムが鳴り、他の生徒は午後の授業に励んでる頃、私は何故かエーナ様と学院に外出届を出し、目的地が分からない馬車に乗っている。
いや、本当に、学院もよく許可してくれましたね、しかも受理の速度異常に早い。
馬車の中は私がいつも乗ってるのより安定してて、そして私とエーナ様も何も話さず外面では安定している。
うう、だけどこのままじゃダメだ、何か話さないと、
「ねえ、」
「あ、はい、」
まさかそっちから来るとは、
「......悪かったわね、」
「え、なんのことですか?」
エーナ様は婚約者が取られたと思ったから睨んできただけなのに、
「う......はあ、メリエード伯爵令嬢はネイズ・ミラボー伯爵令息に見覚えはありますか?」
ネイズ・ミラボー伯爵令息?
確かこのクソゲーの攻略者の一人、そしてこの国の財務大臣の一人息子だとか。
ああ、確か翔さんからの情報だとこの人は5年前くらいにあの性悪女と初めて会い、たぶん今だとレオールや兄様みたいに性悪女の愛人になってるとか。
それじゃあ、私が兄様に叩かれた時ネイズ・ミラボー伯爵令息はいたのでしょう、だから
「ええ、はい、一度だけお見えになられましたは、」
会話はしてませんでしたけど......
「ごめんなさい、実は私、エベルトン様の婚約者ですがネイズ・ミラボー伯爵令息の幼馴染でもありますの。」
はあああ、またですか、このクソゲーの製作者さんは誠に幼馴染設定が好きなのですね。
ですから私はもう一度、前世の口調で言います、だから幼馴染設定ガチで使いすぎ、ほんと、よくこれで売れたわね、マジで豪華声優陣とイラストレーターに感謝して、そうじゃないと第2部、3部の前に第1部が発売中止になってたわ!!
あら御免遊ばせ、そして先程の事はお忘れになってくださいませ。
「まあ、そうなんですの、エーナ様が......」
「その、ネイズはか弱いレデイーに危害を加えるような人ではありません。
ですがメリエード伯爵令嬢がレオール王子やネイズ達に校舎裏に呼ばれ、そして失神されたのも事実です。
ですから私は今ネイズの代わりに言います、すみませんでした。」
そして何もやってないエーナ様は階級が下の私に頭を下げ、私が何度も上げさせようとしたが結果的にダメだった。
「ですから、その、エーナ様、」
「ネイズは今罪悪感で少し憂鬱になり、謝るどころではありません。
ですが、いつか私が謝罪させてみせます。
今回は私の監督不十分です、幼馴染として恥ずかしい。」
「いいえ、エーナ様は何もしてませんですし、ミラボー伯爵令息も......」
いや、何もしていないとは限らない。
だってあの性悪女は彼女の欲望の為に何でもできるし、私だって何度も嵌められた。そして一番ショックなのは彼女は関係のないリチェルまで巻き込み、以前では頼れるお兄様をあんなふうにさせた。
だからネイズ様も何もしていないとは限らない。
「まあ、本当にお優しいのですね、そうだ、図々しいお願いですがメリエード伯爵令嬢をエモリアとお呼びしてもいいですか?私もエーナとお呼びしてください。」
「まあ、光栄ですわ、それではエーナ様、」
「エーナですわ。」
「フフ、エーナ、会えて嬉しいですわ」
「こちらもよ、新しいお友達が増えて嬉しいですわ。」
なんて謙遜なお嬢様でしょう、本当は彼女の家の階段は私より上だから私は命令されてもいいのに。
それなのに、彼女は私と同じ、悪役令嬢なんて、
ダメですわ、悪役令嬢に対する処刑は絶対になんとかしないと......
日差しが西の方へ向け、さっきより涼しくなってきた頃、会話が弾んでた私達はやっと目的地についた。
「あ、あの、エーナ、ここは......」
「ミラボー伯爵邸よ、今、ネイズは病気で学院を休んでるけど本当はもう大丈夫なの、まあ、仮病みたいなもんよ。」
いや、その、いいんですか、この情報流れたら色々大変では......
私達はミラボー伯爵邸に入り、その中のメイドさんはエーナの登場になれたかのようこの屋敷のご主人に通達しようとした。
「あ、少し待って、私達は今日サプライズできたの。
だから少しだけ驚かせに行く。」
「はい、かしこまりました。」
え、いいんですか?本当に?
気づいたら私はもうネイズ様の寝室の門の前に立ち、
「ネイズ元気?サプライズできたよ!!」
とエーナが勢い良くドアを開けながら言った。
「。。。。。。」
「エーナ、どうしたの、入らないの?」
エーナは前にいるから私の目の前には彼女の背中しか見えない。
そしてエーナは一歩下がり、そして逃げるように走っていった。
「エーナ!?」
その後姿はものすごく寂しくて、悲しくて、まるであのときの私みたいだ。
でも、どうしてこうなったのでしょう?
と変に思った私は好奇心で部屋の中を見たらそこにはあの性悪女が全裸状態でネイズ様と抱き合っている。
あ、ああ、そうゆうことでしたか、
ですがこれは多分、嵐の前の静けさかも知れません、そして本当の嵐は............
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