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神様を創ったら  作者:
2/7

その2

「ねぇ、イシタマ様って知ってる?」


由香里が神様を作り初めて半年。


一年生の間でそんな話が良く上るようになってきた。


「イシタマさま?なにそれアイドル?」


「ちがうよぉ。サイトで話題になってるんだけど、この学校にあるパワーストーンらしくてさ、祈ってたら神様が生まれるらしいよ」


「かみさまってチョーウケるんだけど!さすがに無いわ~」


「でもさ、イシタマ様にイタズラした先輩達が居たらしいんだけど、イタズラした次の日に登校したら―――「ちょっとまって、これネタ系じゃなくて実は怪談系な感じ?」一人の先輩が帰ろうとしたカバンが異様に重くて―――「何で話を続けるの!?」」


広まってるなぁ。


教室や食堂で聞こえてくるのは、意外な事にギャル系の子達のグループの割合が多い。


またそういう子達って関係の無いこっちの耳に届く程に周りの耳を考えずに大きな声で喋るから、意識に残るにしろ自然と周りに広がってる感じだ。


「従姉が言うには噂の感染らしいですね。話題に新鮮さがある時には、ああいう人たちがとても効率良く広めてくれるとか。逆に落ち着いてきたら興味を無くしてしまう層ですが」


「新鮮さがある内に大人しい子達にどれだけ広がるかって感じ?」


「広がると言っても、何となく聞いた事のある話程度だと思いますが。後はまぁ、私達で友達と話す時にこういう話題を振るぐらいですかね。何度も同じ話をしたらおかしく思われるので、同じグループには一回程度が限度だと思いますけど」


「思ったよりもやる事がないねぇ。時たま由香里の天罰を手伝ったりしてるけど、最近は荒らす人も少なくなったし」


「天罰系は地味に大変ですし、ある程度噂が広まった後は無いのが一番楽ですね。」


「机の上に砂絵が一番大変だったね。茶色の机の上でも栄える構成を数パターン考えるのは大変だった」


「砂の盛り具合で凹凸も再現してましたからね。砂絵であれだけリアルに先輩方の恥ずかしい絵を描けるのは才能ですよ。梓ちゃん、将来アレで食べてく気はあります?」


「ヤだよ。それで仕事してる人も居るのは知ってるけど、自分でやるには面倒臭すぎるし」


「絶対売れると思うんですけど」


由香里が本当に残念そうにしながらジュースを飲む。


「まぁ時間はまだたっぷりありますし、定着できるよう1年生の間は堅実にやっていきましょう。2年生になったらもうちょっと広がる様に頑張りましょう」


「んー、って言ってもネットでも話を流してリアルでも噂流して、これ以上なにか広げる媒体ってある?」


「新聞部とかの壁新聞とかですかねぇ。投書だしたらリクエストを題材にしてくれたりするそうですし、来年辺りに投書しまくってみましょう」


「マナーは守ってやってね」


そこでふと思いついた。


簡単に出来るのに今まで話題に出なかったのが不思議なくらいなのを。


「ねぇ、私達がイシタマ様を信じてる感じに手を合わせたり、お供え物とかしたりしたらいいんじゃない?だれかがそういうのをしてたら他の人もノリでやって広がってくかもしれないし」


「あー、それは止めた方がいいかもです」


「え?なんで?」


「私達がやってるようなテキトーなのではありえないとは思うんですが、恐れとか信仰とかが積み重なったらマジであっち側のに変化しちゃう場合があるそうです。万が一変化しら、それに私達が信徒とか僕とか思われたら厄介ですから。最低限の処置は私の方でやってきますが、そういう露骨に信仰を示す行動は念のために控えて下さい」


「そんな目を付けられたらヤバいのが出るかもしれないのをやっちゃう辺り由香里だね。でも、作ってるのは神様なのに、なんでそこまで警戒するの?」


「創ってるつもりのが出来てたら問題はないでしょうが、何分概念的存在ですからね。念には念を入れて損はありませんよ」


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