59話 後輩+αと猫プレイ? 3
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「ご主人様♪ どうか私たちと遊んでください♪」
何故かとてもテンションが高くなっている司音ちゃんは、ノリノリでそう言うと猫のように足に頬擦りをしてきた。
「さぁさぁ、夏休み入って一週間近くお預けをされていた猫たちを、思う存分甘やかせてください♪」
「……」
もしかしたら、司音ちゃんたちは寂しかったのかもしれない。
夏休みという長い休みの中に入っても、俺と一向に遊べなかったことが、会えなかったことが寂しかったのかもしれない。
自意識過剰と言われるかもしれないが、彼女たちは全員俺を好いてくれているのだ。休みに入っても好きな相手と一緒にいれないのは、とても寂しいことだと思う。
よし、そういうことならとことん付き合ってやろう。彼女たちが満足するまで。
俺は気を改めて、足に頬擦りをしている司音ちゃんの頭を撫でる。
「ごろごろ~♪」
すると司音ちゃんは嬉しそうに喉を鳴らし、眩しい程の笑みを浮かべた。
犬もいいが、猫もいいかもしれないな。
そんなことを考えていると、這い寄ってきた夜花ちゃんが、くいくいっとシャツの裾を引っ張ってくる。
「その、私たちも甘やかしてください」
「みっ、魅音も」
あっという間に俺は猫娘たちに囲まれ、身動きが取れなくなってしまった。
立った状態じゃ何もできないんだけどなぁ。
「わかったから、座らせてくれ」
「あっ、すいません……」
しょんぼりとする夜花ちゃんは、グッとくるものがある。
俺はソファーに腰掛け、正面には三人が床に座り込む。
なんだろう、この背徳的な空間は。
よからぬ妄想が脳裏を過ったが、俺はそれをすぐに忘却する。
「で、俺は具体的には何をすればいいんだ?」
「そうですねー」
司音ちゃんは顎に手を当て考える素振りをすると、
「まずは私たちに首輪を着けてください♪」
どこぞの茜のようなことをほざいた。
まぁ、首輪を渡されたときから察しは付いていたが……
まさか生涯で何度も女子に首輪を着けることになろうとは、俺の前世はいったい何をやらかしたんだ。
「さぁ、早くしてください♪」
司音ちゃんは催促するように身を乗り出し、白く細い首を見せつけてくる。
「はぁ……わかったよ」
俺は隣に置いた首輪の中から茶色の首輪を手に取り、茜の時と同様に司音ちゃんの首に巻き付けた。
司音ちゃんは自らの首に着いている首輪をそおっと指でなぞると、恍惚とした表情を浮かべる。
「これで私はおにい──ご主人様の所有物ですね♪」
一瞬いつもの呼び方が出そうになっていたのは突っ込まない方がいいのだろう。
「ってか、所有物ってなんだよ」
「いやぁ、ペットと所有物どっちの方がエロいかなって考えまして」
てへっ♪ と舌を出す仕種が可愛くて、少しだけドキッとする。
それにしても、所有物は聞こえが悪いだろ。
「あぁそれとも、ペットの方がよかったですか? それならペットに変えますけど」
「……所有物よりはマシだし、それでいいや」
半ば諦めながらそう言うと、司音ちゃんは嬉しそうに微笑を浮かべた。
こう、笑っているだけなら美少女なんだけどなぁ。言動が残念すぎて……お兄ちゃん涙出てきたよ。
「それじゃあ次は夜花ちゃんいきましょう!」
司音ちゃんの残念さを嘆いていると、次にやって来たのは夜花ちゃん。
夜花ちゃんが四つん這いで動くと、彼女の持つ立派な果実がたゆんっと揺れて目に悪い。
並みの男なら前屈み待ったなしだな。
俺は目を逸らしつつそんなことを考える。
まぁ俺は鋼鉄の理性の持ち主だし、この前のことから日が経っていて(理性の)ダメージも回復している。この程度のことじゃどうにもならん。
「えっと、お願いしますね先輩」
「あ、あぁ」
こんな良い子に首輪を着けなければならないなんて、世の中狂っているんじゃないだろうか。
いや、狂っているのは俺の回りだけか。特に茜。
とそんなことはさておき。
俺は残った二つの首輪のうち、青色の首輪を取り夜花ちゃんの首に装着する。
「えへへっ♪」
首輪を着けられたのに、何故か夜花ちゃんは嬉しそうにはにかみ首輪を触る。
そっちの道に目覚めてもらっては困るので、夜花ちゃんには後で注意をしておこう。
そして最後の一人、魅音ちゃんに首輪を着けることになったのだが……
絵面が完全にアウトだろこれ。
今の魅音ちゃんの状況を改めて述べよう。魅音ちゃんは今スク水姿に猫耳&尻尾を装着している状態。これだけでも濃いグレーなのに、更には首輪を着けなければならいのだ。
ここで考えてほしいのは──魅音ちゃんが小学生だということ。
スク水姿の女子小学生に猫耳&尻尾を着けて、その上首輪まで着けろって? 俺死んじゃうじゃん、社会的に。
「は、葉雪さん……早く着けてください」
恥ずかしそうに顔を逸らす魅音ちゃんに、不覚にもドキッとした。
俺は知らぬ間に茜たちに毒されているのかもしれない。
そんなことを考えながら、俺は残った白色の首輪を手に取る。
というか、何故かこれだけ鈴が着いているのだ。何でだろ。
「葉雪さんっ」
名前を呼ばれ魅音ちゃんの方を向くと、魅音ちゃんは赤面し目尻に涙を浮かべていた。
もしかしてホントは嫌なのか……? それを言い出せないから──
「魅音だけ仲間外れは嫌ですっ。魅音もペットにしてくださいっ」
違った。全然違った。喜んで首輪を受け入れる気だよこれ。
俺の周りには普通は存在しないのかと肩を落とし、俺は魅音ちゃんの首に首輪を着ける。
「こ、これで魅音も葉雪さんのペット……えへっ♪」
「……」
今更だが、女子小学生が自らのことをペット呼びするのはどうかと思う。
倫理的にアウトだな。
「道徳的にもアウトですよ、ご主人様♪」
「ナチュラルに心を読むな。というか、わかってるなら普通のことをしてくれよ」
「それは無理な相談ですね」
今のどこが無理なのか、きっちり問い質したい。
「ほら、そんなどうでもいいことはほっといて、早くイチャイチャしましょうぉ♪」
「ぐっ」
どうでもよくないと反論したかったが、司音ちゃんの猫撫で声に言い淀んでしまう。
「大丈夫です、バレなきゃいいんですから」
「それ絶対に言っちゃダメなやつだろ」
そう返すも、司音ちゃんはどこ吹く風と聞き流す。
「それじゃあ始めましょうか、ご主人様♪」
◇妹◇
改めて現状を説明しよう。
ソファーに腰掛ける俺。
俺の右太ももに頬を当てる薄着姿の司音ちゃん(猫コスver)。
反対には下着姿の夜花ちゃん(猫コスver)が俺の左太ももを枕にしている。
そしてソファー前にはペタンと女の子座りをしたスク水姿の魅音ちゃん(猫コスver)。
もう俺は何も言うまい。
「それじゃあご主人様、私たちと遊んでください♪」
「あぁ、わかった」
わかったと言ってみるが、実際どう遊べば良いのだろう。
と考えていると、ふと少し前までいた猫カフェの記憶が甦る。
そうだ、俺は今猫カフェに来ているんだ。
そう自己暗示を掛けると、俺が何をすれば良いのかおのずとわかってきた。
つまり、実際の猫にするようなことをしてあげればいいのか。
俺はおもむろに手を伸ばし、司音ちゃんの顎のラインをそっとなぞる。
「ひゅっ」
「ん? どうかしたか?」
突如司音ちゃんが奇声を上げ、俺は首を傾げる。
「い、いえ。思ったよりもくすぐったくて声が漏れただけです」
気にしないでくださいと手を振る司音ちゃん。
「それより、もっとやってください♪」
司音ちゃんに催促され、俺は顎裏を指先でくすぐる。
「んっ……ふぅ」
司音ちゃんは少し頬を赤らめ息を漏らす。
うん、言動は残念だけど結局可愛いんだよなぁ。
司音ちゃんの姿を眺めていると、ふと左太ももをつつかれた。
そちらを向くと、夜花ちゃんが頬を膨らませて俺を見上げていた。
「先輩、私にも構ってください」
ぷくーっと頬を膨らませる姿に、俺は静かに悶えた。
「わかったよ」
俺は頷き、空いている左手伸ばし夜花ちゃんの耳裏をくすぐる。
「んぅっ」
夜花ちゃんは目を瞑り、ブルリと震えた。
少し楽しくなり、俺は司音ちゃんと夜花ちゃんの両方を同時にくすぐる。
「んぅ……っ」
「はぅ」
両サイドから聞こえる喘ぎ声に、俺は唇を噛み締めることしかできない。
「ご主人様ぁ、とても上手ですぅ♪」
「せん、ぱい……そこっ」
指先を動かす度に声を漏らす二人。
考えたくないが、実際の猫もこんな感じなのだろうか。
俺はズーフィリアではないので興奮はしないが、それでも疚しいことをしている気分になってしまう。
「葉雪さん」
「うぉっ、魅音ちゃん?」
二人をくすぐるのに夢中になっていると、足元に座っていた魅音ちゃんがソファーに手を突き身を乗り出していた。
というか、魅音ちゃんが手を置いている場所が俺の足の間で、先程よりもアウトな絵面になっている。
これを素でやってのけるのが小学生かっ。
俺は動揺を表に出さまいと平然を装い、「どうしたの?」と魅音ちゃんに問い掛ける。
「魅音にも構ってください。寂しいです」
唇を尖らせる魅音ちゃんが可愛すぎて、俺は身動ぐことなく静かに悶える。
なんだこの可愛い生物は。茜たちとは違うベクトルで可愛いっ!
「わかった……と言いたいが、この状況でどうすればいいんだ?」
俺は両手の行き先──司音ちゃんと夜花ちゃんを交互に見て魅音ちゃんに尋ねる。
すると魅音ちゃんはゆっくりと立ち上がり──
「こうすればいいです」
自然な動きで俺の口を塞いだ。
まだまだ続きます!




