57話 かすみんと波乱なデート 2
投稿遅れて申し訳ないです(´・ω・`)
本日10月14日で「妹ハーレム」が投稿開始から11ヶ月です! ありがとうございます!
新築のレジャー施設、その三階。
そこには広大なゲーセンが広がっていた。
ジャンルは音ゲーからUFOキャッチャー、エアホッケーやプリクラ、格ゲーに太鼓やカーレースと多岐に渡る。
そのジャンル不問の広大な戦場で、俺とかすみんはとある格ゲーの台の前に立っていた。
それは以前かすみんと対戦したモノで、いわばこれはかすみんのリベンジマッチである。
互いにキャラは前回と同じで、一本先取の真剣勝負。
負けられない戦いがここにある。
互いが互いを見つめ火花を散らす。もはやこれは遊びではない。戦争だ。
「今度こそ地に落としてやる」
「ふっ、俺は負けないぜ、あのときと同じようにな」
その挑発と共に、戦いの火蓋は切って落とされた。
先手は意外にもかすみんだった。
前回はひたすら受けに回っていたかすみんが、開始速攻を仕掛けてきたのだ!
俺は急いで後ろへ回避。HPが減らされることなく、俺は安堵に息を吐く。
「ちっ、すばしっこいやつめ」
「はははっ、その程度じゃ俺はやられないぜ」
かすみんの悪態をサラリと流し、俺は反撃をしに接近する。
これはかすみんも読んでいたのか、余裕を持って回避された。
「まだまだ行くぞ」
そう宣言し、着地と共に再び接近を試みる。
かすみんの元へ急ダッシュ。そのまま流れるように攻撃を仕掛ける。
「ふっ、甘いぞ」
が、かすみんは嘲笑し攻撃を躱すとモーション後の硬直を狙い蹴りを放ってきた。
HPゲージがほんの少しだけ削れる。今回のファーストヒットはかすみんに取られてしまった。
「あれから少し練習したんだ、上手くなってるだろ?」
台越しに聞こえてくる自慢に、見えていなくてもかすみんのドヤ顔が目に浮かぶ。
だがまぁ、
「少し練習した程度じゃ俺には勝てないぜ」
フッ、と不敵な笑みを浮かべ一度深呼吸し意識を集中させる。
俺の本気、見せてやるよ……っ!
「また負け、か……」
「ふははっ、詰めが甘かったな。あの程度じゃ俺を倒せないぜ」
かすみんが肩を落とす中、俺は高らかに笑いかすみんの頭をポンポンと叩く。
かすみんは背が小さいから、頭に手を置きやすいんだよな。
なんてことをしていると、かすみんが鬱陶しそうに俺の手を払い退けた。
「ったく、どうしてここまで完璧になったのやら」
「ん? そりゃ妹がいたからだろ」
「……はぁ」
何故だろう、ちゃんと疑問に答えてあげたのに溜め息を吐かれた。
「まぁリベンジは次の機会にするとして」
「お、まだ俺に勝つ気なのか」
「当たり前だろ、お前に負けたままだと癪だからな」
「ひどい言い様だな!?」
「安心しろ、一割は冗談だ」
「残り九割本気じゃねぇか」
それでどこに安心しろと。
とまぁ和気藹々(?)と会話をしながら俺たちは二階の通路を彷徨っていた。
ゲーセンに長時間いすぎたせいか、やけに閑静に思えるこのフロア。
耳をすませばビリヤードの玉を打つ音や、高得点確実の熱唱などが聞こえてくる。
さて、次は何で遊ぼうか。
そんなことを考えていると、ふとクイッとシャツの裾付近を引っ張られた。
見下ろすと、かすみんがしおらしく顔を朱色に染め俺を見上げていた。
「ど、どうしたんだかすみん、様子がおかしいぞ?」
「なんだその言い種は。……まぁいい、付いて来い」
ぶっきら棒そう言うと、かすみんは俺の手を引いたままとある一角へと歩き出した。
歩くこと数分。着いたのはカラオケコーナーを切り抜けた先にある個室の連続した場所。ネカフェコーナーだ。
ネカフェの利用方法としては、設置されたパソコンで映画やアニメなどの動画を見たり、ゲームしたりなどがある。
正直家のパソコンでもいいじゃないかと思えるが、ネカフェにしかないモノのあるワケだし、なんとも言えない。
こう意見を述べているが、俺はネカフェに行ったことがない。だから今俺が語ったことは全てアニメや小説を元にしたただのイメージだ。実際は知らん。
「で、なんでネカフェなんだ?」
俺をここに連れてきた張本人にそう尋ねると、もともと鋭い目を更にキッと尖らせ頬を膨らませた。
「……たまには、こういうところでお前と二人っきりになりたかったんだよ」
「お、おう」
かすみんには珍しい直球に、流石の俺でも少し戸惑ってしまった。
まさか、かすみんがこんな可愛いこと言うなんて……。いつものツンデレはどこに行ったんだ?
そう疑問に思っていると、かすみんは従業員に部屋の使用を申請していた。
手際がいい奴だな。
「さぁ、入るぞ」
「おう」
ということで、一辺三メートル近くの立方体のような部屋に入る俺たち。
率直な感想を述べるとしたら、
「……狭いな」
「まぁ、基本的には一人用だからな」
あっけらかんと相槌を打つかすみん。
「さて、何するか」
「決まってないのかよ……」
なんたるデジャブ。
思わず頭に手を当て溜め息を溢す。
「まぁ、お前とイチャイチャできればそれでいいんだがな」
「ちょっ、おま……っ!」
蠱惑的な笑みを浮かべ、かすみんはそっと腕に絡み付いてきた。
その行動に声が上擦ってしまう。
な、なんなんだ!? なんか柔らかいモノが当たってるし、かすみん顔が赤いし吐息は熱っぽいし!
何故だか、二人には狭い個室で密着しているだけなのにかすみんがいつも以上に魅力的に見える。
というか……色っぽい。端的に言ってエロい。
まじでどうなってんだ!?
「どうした葉雪。そんなに見つめてきて、私でも恥ずかしいぞ……」
サッと顔を逸らしモジモジと微動する。
「すまん。謝るからあまり動かないでくれ」
「何故だ?」
言えるか。かすみんが動くことで胸とか色々擦れるし、それに花のような甘い匂いが漂ってきて……
どうしてもかすみんを〝女〟として意識してしまう。
やべぇ、俺の理性がゴリゴリ削られる音が聞こえる……
「さて、今日はいつもできない分、沢山イチャイチャしようか」
そう微笑するかすみんは、いつもより大人の色気が溢れていた。
あわわっ、次回に期待してください!?




