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ヒロイン降ります  作者: ベルル
18/33

お誘い受けました

お読み下さりありがとうございます。

一話が短いのがいいのか長めがいいのか、迷走中です。


 エリカとそうやって二人でしばらく話していると、この後カンバルに戻るギリス様と、ダレーン国に戻るウナス様とナラタたちがこちらにやって来た。 


「モキロスでお二人という人材に出会えて良かった。学園を卒業したらぜひ我が国へ。厚遇しますよ。」

 ウナス様がにっこり笑って言ったけど、目が本気でちょっとこわい。でも、

「ダレーンに遊びに来たら、案内は任せて!」

ナラタがかるーい感じで言ってくれたから、ありがとうって気軽に答えられた。ウナス様の言う厚遇って、ナラタ見てるとひたすら扱き使われそうでなんかヤダ。 


 そんな私の思惑に気付くはずもなく、

「この後、休みに入りますが予定はあるのですか?なければ、このままダレーンに遊びに来ますか?」

 ウナス様が誘ってくる。

 イヤ、そんな、誘って頂くほど親しい間柄じゃないよね、私もエリカも。

 それに、相手王家だし。

 迂闊に関わりたい相手ではない。

 外交官目指しているエリカはともかく、思わぬ爆弾を落とされても表情が変わらなかった私を、誰か良くやったと褒めてほしい。


「お誘いありがとうございますウナス様。残念ですが、私はカンバルで社交デビューの予定がありますの。」

 そう言ってエリカはにっこり笑って断ると、私をちらりと見た。それを受けて、

「私は、騎竜と転移の練習です。」

 簡潔に答えた。すると、

「アリア、頑張るなー!家庭教師つけるのか?」

目をキラキラさせてナラタが聞くので、

「ううん、バルト兄さんとダリオ兄さん。休みとってくれた。家庭教師なんてお金かかるしもったいないもん。」

 そう答えると、ギリス様もウナス様もナラタも驚愕の表情で私を見た。

 えっ、私、何か変なこと言ったかな?

 思わずドキドキしてると、羨ましげな表情で

「ずっりぃ!お前、妹だからってあの人達独り占めかよ!」

 ナラタが地団駄踏んで悔しそうに喚きはじめたから、びっくりした。

「ダレーンにも話が届くほどの竜騎士と魔導師の指導なんて、個人教授はお受けしないと聞くのに両方ですか……。」

 ウナス様、私を見る顔本当に怖いです。

「あの人たちは、本当にお前には甘いのだな。」

 苦笑いをしながらギリス様が言うので、

「まあ、家族ですので。」

 そう言ってやんわり笑ってお茶を濁すと

「ちょっといいか?」

 ギリス様に促されみんなから少し離れた。

 ナラタが、まだブツブツ言っているのでちょうどいい。


「しばしの別れだな。」

 ギリス様は優しい顔でそう言った。しばしの別れってどれくらいなんだろう。ソラ2日に一回は来てたのに我慢できるかな?。

「寂しくても我慢です。」

 少し見上げるようにして答えると、なんだか違和感を改めて感じた。


 いつの間にこんなに身長差ができたのかな?

 初めてあった時は、変わらないくらいだったのに。


 そう思っているとギリス様にふわっと一瞬抱き寄せられ、

「いつでもカンバルに来い。」

小さな声で耳元で言われた。


 エリカの所に戻った時、私の顔は真っ赤だったと思う。

 隣でエリカがニヨニヨしてる。

「ギリス様の情報はアリアにしっかり流しますね。」

 なんて小声で言われるので、

「必要ないから!」

と小声で返しといた。

 イケメンにふわ抱き耳元囁かれなんて、誰でも顔が赤くなるに決まってるじゃん!


 エリカと小声でやり取りしていると、

「ねー、俺もアリアと特訓受けたい。」

 ナラタがいきなり私の肩を抱いてそう言ってきた。

 顔、顔近いから!

「アリアだけずるいじゃん!俺も混ぜてよ!」

 ずるいも何も、今回の訓練は、否応なくバルト兄さんとダリオ兄さんが決めたので私に甘いとか、彼らの指導を受けたい人間の思惑なんて知ったこっちゃないのだ。


 兄さんたちは自分のやりたいことしかやらない。やりたいことをやって現在の位置にいるんだからすごいと思う。

 しかし言い換えればやりたくない事は極力やらないのだ。

 もし、バルト兄さんに騎竜指導を受けたければ、第一竜騎士隊に入らなきゃいけないし、ダリオ兄さんに魔導指導を受けたければ、聖グレイド王国立大学園に入るか、聖グレイド王国の魔導省に入るしかない。

「直接頼んで見れば?無理だと思うけど。」

 エリカならともかく、泊まりの訓練に兄さんたちが男を許す訳がない。


 私が冷たく断ると、ウナス様もうなずいて、

「ナラタだけ、そんないい思いさせるわけがないでしょう。貴方は私と一緒にダレーンに帰るんですよ。これは決定事項ですから。」

キッパリそう言うと、ナラタはがっくりして諦めた。


 まあ、妹特権ってやつですよ。






 

 


お読み下さりありがとうございます。

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