プロローグ
初めての投稿です。拙い文章ですが楽しんでもらえたら嬉しいです。
鏡にうつる私の姿に、黒髪、黒い瞳の中年女性がぼんやりと重なって見えた。
あぁ、"わたし"だ。
私の姿は淡いライラック色の髪と濃いバイオレットの瞳だし、まだ10才だから、鏡の中の女性を自分と認識するのはおかしいのだが、頭の中でピースがピッタリと合わさったように私は彼女の姿を自身と認めた。
それと同時に、物凄い記憶量が頭の中に流れ込んできて、ブラックアウト。
私はバタンと倒れ込んだ。
アリア ウィスカ、それが今の私。
魔導士ロバート ウィスカと魔剣士ミリア ウィスカの娘。
兄弟は兄が2人、長男のバルトは22才で魔法騎士団に次男のダリオは21才で魔導省勤めをしている。
ウィスカ家は代々高い魔力を持つものが産まれやすい血族で、それに関した仕事を生業としており、父親のロバートは私が生まれる一年前に先の戦争で防御魔法で帝都の被害を大きく防いだと一代爵位を賜るほどの魔力の持ち主だ。
かくいう私も高い魔力を持ち、この国では珍しい光魔法が使えると分かっている。
ここまできいたら先が読めるだろう。
この世界は乙女ゲーム"Are you lady?"を基盤にしている。
アリアウィスカはこのゲームのヒロインだ。
記憶流入のショックでぶっ倒れ、目が覚めたら家族全員が泣きながらベッド周りにいた。
「あ"りあ"〜、よがっだ〜めぇざまじだ〜。」
「死んだら、生き返るまでリザレクションかけようと思った〜。」
ママ、声枯れてる。パパ何度もそれやったら自分が死ぬし。
「倒れるほど、ショックなことでもあったの?」
「誰かのせいならそいつを死ぬ程後悔させてやるから!」
バルト兄さん、正解。ダリオ兄さんコワイ。
みんなの様子に少し引いたけど、私を大事に思ってくれてる事に感動した。家族ってありがたいよ。
「心配かけてごめんね、鏡を見ながら後ろ歩きしてたら転んじゃった。」
テヘペロって感じで謝ると
「「「「打ちどころ悪かったら、死ぬんだよ〜!」」」」
4人がハモって抱きついてきた。
……まあ、悪い気はしないと言っておこう。4人の重さで圧死寸前になったのだけれど……。
前世、有田 美子 享年58才 主腐の記憶を思い出した記念すべき日は家族の泣き顔で終わりました。
読んで頂きありがとうございます。